亜脱臼(あだっきゅう)
亜脱臼(あだっきゅう)とは、関節が完全に外れる「脱臼」とは異なり、本来の位置から少しズレて、半分外れかかっている状態を指します。脳卒中後の片麻痺の方の「肩」によく見られる症状です。 【主なポイント】
- 原因: 麻痺によって肩を支える筋肉が働かなくなり、腕の重みで関節が下に引っ張られる。
- 見た目: 肩の付け根(肩峰)に、指が入るほどの「くぼみ」ができる。
- リスク: 放置すると神経や関節包が引き伸ばされ、強い痛みや関節の拘縮(固まり)を引き起こす。
「肩に穴(くぼみ)が開いている…」と驚かないでください
退院して自宅での生活が始まると、お着替えの際などに「麻痺側の肩が、反対側より下がっている」「肩の骨が突き出している」と気づき、不安になるご家族は多いです。 これは、麻痺によって肩を吊り上げる「天然のベルト(筋肉)」が緩んでいるサインです。驚かれるかもしれませんが、脳卒中の回復過程においては決して珍しいことではありません。
「動かす」ことよりも、まずは「守る」リハビリを
亜脱臼がある状態で無理に腕を回したり、介助で手を強く引っ張ったりすると、伸び切った神経や関節をさらに傷め、激しい痛みを引き起こす「肩手症候群」に繋がる恐れがあります。
ネクストステップスでは、以下のような「守るリハビリ」を最優先に提案しています。
- 重力から肩を救う: 立っている時はアームスリング(装具)、座っている時はクッションを活用し、常に「腕の重み」を支える環境を作ります。
- 電気刺激で筋肉を呼び起こす: 眠っている肩の筋肉(三角筋など)に微弱な電気を流し、関節を正しい位置に引き戻す力を養います。
- 「痛くない介助」をレクチャー: 脇の下に手を入れて持ち上げるような介助を避け、肩甲骨から優しく支えるコツをご家族に直接お伝えします。




