ADL(えーでぃーえる)
ADL(Activities of Daily Living)とは、人間が独立して日常生活を送るために必要な、基本的な動作の総称です。日本語では「日常生活動作」と呼ばれます。リハビリテーションにおいては、身体機能の回復度合いを測る最も重要な指標となります。
- 移動動作: 寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行
- セルフケア: 食事、更衣(着替え)、整容(洗顔・歯磨きなど)
- 排泄・入浴: トイレ動作、お風呂での動作
「リハビリのゴール=歩けること」だと思っていませんか?
リハビリを始めたばかりのご家族に「目標は何ですか?」と伺うと、多くの方が「歩けるようになること」と答えられます。もちろん歩行は重要ですが、実はそれだけでは「家での生活」は成り立ちません。
例えば、家の中を歩けても、一人でトイレのズボンを下ろせなければ、24時間の介助が必要になります。逆に、たとえ歩けなくても、車椅子を使いこなし、一人で着替えや食事ができれば、自立した生活が見えてきます。この「生活の自立」の最小単位がADLです。
「できるADL」と「しているADL」の罠
リハビリ室では手伝いなしで着替えが「できる」のに、自宅では家族に「やってもらっている」。これを専門用語で「できるADLと、しているADLの乖離(かいり)」と呼びます。
せっかく身につけた能力も、生活の中で使わなければ再び筋力が衰えてしまいます。「本人がやると時間がかかるから」とご家族が先回りして手伝いすぎてしまうことが、実は自立を遠ざける一番の原因になることもあるのです。
ネクストステップスでは、単なる筋トレではなく、生活に直結したアプローチを大切にしています。
- 「100点」を目指さない介助: すべてを一人でやるのが無理でも、「ズボンを上げるところだけは自分で」といった、部分的な自立を積み重ねるプログラムを提案します。
- 環境を味方につける: 手すりの位置を数センチ調整したり、便利な自助具(ボタンエイドなど)を導入することで、ADLの自立度を一気に引き上げます。
「見守り」の基準を共有: ご家族へ「どこまで見守り、どこから手伝うか」の明確な基準をお伝えし、ご家庭での何気ない一コマが最高のリハビリになるようサポートします。




