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入院中の筋力の低下を回復するために必要な期間は?寝たきりを防ぐリハビリ・食事法

2023.6.30

骨折や病気など、入院中寝たきりとなってしまう患者さんは多いです。ここで懸念されるのは筋力の低下。若い方でも1週間入院していると筋力や体力が極端に落ちてしまいます。

一度落ちた筋力を取り戻すのは容易ではありません。特に高齢者の方は、元々加齢によって筋力が落ちがち。筋力を取り戻すのにはさらに時間がかかってしまいます。

そこで今回は、入院中に筋力が低下した場合、回復にかかる期間を解説します。また、筋力を取り戻すリハビリや食事についてもご紹介するので、日頃の筋力に不安がある方も参考にしてみてください。

絶対安静下では筋力・体力が低下…回復にかかる期間は?

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まずは、なぜ絶対安静では筋力が低下するのか、そして回復にかかるおおよその期間について解説します。

筋力低下には短・中・長の3段階がある

一般的に、筋力低下は短・中・長の3段階に分けられます。

  1. 短期的な筋力低下…疲れ・過剰な運動による筋力低下
  2. 中期的な筋力低下…病気・ケガ・手術の安静期などの筋力低下
  3. 長期的な筋力低下…高齢者(加齢による筋力の低下)や半年以上の寝たきり

筋力低下は、筋肉を使わないことによって起こります。上記の3つの期間は、全身の筋肉を使わない期間によって分けられます。

この場合、入院中安静にしていることによって起こる筋力低下は中期~長期の筋力低下に当てはまるでしょう。そのままだと廃用性症候群となる可能性も高まります。

寝たきりだと1週間で10%~15%筋力低下

病気などの入院による絶対安静(寝たきり)では、1週間に筋力の10%~15%が失われると考えられています。

筋肉は動かさないでいることで縮んで薄くなり、筋力の低下に繋がります。寝たきりで歩かずにいると、まず脚から筋肉が薄くなり、徐々に全身の筋肉が失われていくのです。

厄介なのは、失った筋肉を取り戻すのには何倍もの時間がかかるという点です。

低下した筋力を取り戻すには4倍の時間が必要に

低下した筋力を取り戻すためには、実質4倍もの時間が必要になるといわれています。1週間寝たきりになると、積極的にトレーニングしても元に戻るまで1ヶ月はかかるということです。

そして筋力を取り戻す障壁となるのは、筋力が低下したことによる「動きづらさ」。例えば関節の動きが悪くなったり、少し歩くだけで息が上がったりという経験によって「動くのがだるい」と感じてしまうことがあります。

退院後はこれが原因でリハビリをやめてしまうことが多く、さらなる筋力低下に繋がります。入院中に少しでも筋力低下を押し止めるのが必要です。

参考:LIFULL介護「廃用症候群とは?症状や予防対策、リハビリまで網羅的に解説」

筋力低下から回復する期間にやりたい!自分でできるリハビリ3選

筋力 低下 回復 期間3 1 1024x682 - 入院中の筋力の低下を回復するために必要な期間は?寝たきりを防ぐリハビリ・食事法

入院によって筋力が低下した場合、回復するための期間にはどんなリハビリが有効なのでしょうか?ここでは、自分でできる簡単なリハビリを3つご紹介します。

リハビリ法1:寝たきりでもできる運動

1つ目は入院中の寝たきり状態からできる運動リハビリです。特に「寝返り」と「マッサージ」が行いやすいでしょう。

寝返りを打つのにも筋肉を使っているため、寝たきり状態ではまず取り入れたい運動となります。自ら寝返りを打つのが大変であれば、看護スタッフの手を借りましょう。

また手足を怪我した場合は、負傷していない方の手足を自分でマッサージしたり、意識的に動かしたりしましょう。これだけでも、負傷していない方の手足の筋力低下を防げます。

リハビリ法2:自宅でもできるトレーニング

続いては自宅でもできるトレーニングについてです。退院後の回復期間でネックになるのは、やはり「自宅に戻った後のほうが運動量が落ちる」という点でしょう。

それを防ぐために、自宅に戻ったその日からストレッチを行いましょう。有効なストレッチは入院中に理学療法士の方に教えてもらうと、より効果が出ます。

ここで筋トレではなくストレッチなのは、身体の柔軟性を取り戻す目的があるためです。萎縮した筋肉や関節は、使わないでいると身体の柔軟性が損なわれます。自宅でストレッチを行うところから始めることで身体が動かしやすくなり、後の筋トレの助けとなるでしょう。

リハビリ法3:日常生活でできる有酸素運動

さらに有効なリハビリ法として「有酸素運動」があります。いわゆるウォーキングやジョギングです。フォームだけ気をつけて歩くだけでも全身の筋肉量は変わります。何より、心肺機能や持久力の向上効果も期待されるのです。

ウォーキングを始めた当初はあまり長く歩けなくても、長い時間歩けるようになるのは、筋肉がつくだけでなく心肺機能が効率化されたためです。

1日20分~30分を週に3回程度、息切れしない程度でできるようになると、脚の筋肉もついて退院後の身体も軽やかになってくるでしょう。

食事から改善!筋力の低下や機能回復期間に役立つタンパク質とは

筋力 低下 回復 期間4 1 1024x692 - 入院中の筋力の低下を回復するために必要な期間は?寝たきりを防ぐリハビリ・食事法

筋力の低下から回復する期間は、食事も非常に重要です。ここでは、筋力の回復に役立つ「タンパク質」と「ロイシン」について解説します。

筋力・体力向上にはタンパク質・ロイシン

筋力向上には筋肉が必要不可欠です。ただし、いくら筋トレしても筋肉の材料となるアミノ酸を摂取しなければいけません。そこで食事に取り入れたいのが「タンパク質」と「ロイシン」です。

タンパク質は身体に入るとアミノ酸に分解されます。分解されたアミノ酸は筋肉の材料となりますが、さらにアミノ酸の中にロイシンが含まれていると、筋タンパクの合成が促進されます。

そのため、入院後の筋力低下から回復するには、毎食タンパク質とロイシンを摂取するように心がけましょう。

タンパク質:毎食まんべんなく補給を

タンパク質は毎食摂るようにしましょう。1食あたり20gが目安です。ただし、腎機能低下といった症状がある方は主治医に食事内容を相談しましょう。

以前までタンパク質は1日の総量が重要とされてきました。しかし、1食で一気にタンパク質をとっても、あまり意味がないという研究結果が出ています。

そのため、3食まんべんなくタンパク質を20gは摂取できるように心がけましょう。

ロイシン:筋トレ後に摂取すると効率的

ロイシンは必須アミノ酸のひとつとされています。様々なタンパク質に含まれているので、自然と摂取しやすい必須アミノ酸のひとつです。大豆や牛乳・卵に多く含まれています。

ロイシンは筋タンパクの合成促進に役立つため、筋肉を生成しやすい筋トレ後45分以内に摂取すると効率的に筋肉増量に繋がるでしょう。

ただし、運動後に45分以内に食事というのは難しい時があるかもしれません。そんなときは牛乳をコップ1杯飲んだり、ゆで卵を食べたりといった工夫をしてみましょう。

まとめ

入院で絶対安静となった場合、筋力は低下してしまいます。1週間の入院では約10%~15%もの筋力が落ちるともいわれています。取り戻すのには早くとも1ヶ月はかかるでしょう。

それでも、病床での寝返りやマッサージを心がけるだけで筋力低下を最低限防げます。退院後はできる範囲でストレッチや有酸素運動をして、全身の筋肉を少しずつ鍛えましょう。

筋力が低下すると、回復するのにある程度の期間はかかります。しかし食事やリハビリなど、できる範囲から筋肉づくりをしていけば必ず取り戻せます。諦めずにリハビリを続けましょう。

執筆監修 佐々木 寛時

執筆監修 佐々木 寛時

1993年 岩手県盛岡市生まれ。
2015年4月 理学療法士 国家資格取得
2015年4月~2019年 回復期リハビリテーション病院
2020年1月~2022年6月 訪問看護リハビリステーション
2022年7月 自費リハビリ ネクストステップス 設立

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