
施設リハビリって何をするの?施設の種類と施設リハビリ以外の選択肢とは
2025.05.21

施設でのリハビリと聞くと何を思い浮かべますか?リハビリは『本来のあるべき状態への回復』が根底にあります。身体的な障害を受けた方が、再び社会生活に復帰して、その人らしい生活を行なうための総合的な治療や訓練です。
この記事では、リハビリを行う場の一つとしての施設リハビリとは何か、メリットとデメリットを施設以外と比較してご紹介します。さらに、リハビリを行う際のモチベーション維持をするためのポイントも知って、理想の身体作りを行いましょう。
目次
施設リハビリって何?施設の種類とリハビリ内容についてを解説

リハビリは大きく分けると医療保険・介護保険を利用するもの、自費で実施するものの3つに分類されます。中でも施設リハビリは、介護保険を使用可能な施設で提供されるリハビリテーションです。
施設リハビリを提供している場所や、目的・内容を解説していきます。
リハビリを提供している施設
施設リハビリを行っているのは介護老人福祉施設と介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院の4つです。
介護老人福祉施設は、特別養護老人ホーム(特養)と呼ばれます。常時の介護を必要とし、自宅で介護が困難(要介護3以上)な方が入所しており、介護度が高めなのが特徴です。
介護老人保健施設は、老人保健施設(老健)と呼ばれ、退院後すぐに自宅に帰ることが難しい方にリハビリなどをして、在宅復帰・支援を目指す『中間施設』を担っています。
介護療養型医療施設は、医療を必要としている要介護の高齢者が長期間利用ができる施設です。特徴は、介護と医療の両方を提供ができます。
介護医療院は2025年に向けてできた施設区分で、要介護高齢者が長期間療養して生活を行える施設です。
施設リハビリをする目的ってなに?
リハビリ目的は、施設によって変わります。各施設ごとの例を知っておきましょう。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)では、身体が固くならないように拘縮予防や、車椅子に座ってもらいベッドから離れて活動ができるようにするのが目的です。
介護老人保健施設では、病院でのリハビリを継続しつつ、生活で必要となる動作(歩行や食事など)を行えるようにします。
介護療養医療施設や介護医療院では、レクリエーションなどのアクティビティを通じてコミュニケーションをとり、認知機能の維持や身体の機能を維持を行うのです。
どのようなリハビリを行っているのか
理学療法士のリハビリスタッフが行います。
- 関節が固くならないようにするために個別でストレッチやマッサージ
- 機能を高めるための動作(立つ・歩く・食事を食べるなど)訓練
- 集団で行う身体の機能維持の体操やレクリエーション
施設リハビリ以外の選択肢は?病院などのメリットとデメリット

心身の機能を改善させたい場合、リハビリは長期で行う必要があります。ライフスタイルに合った方法を見つけるとな長続きさせられるでしょう。
施設リハビリ以外の選択肢はあるのか、施設と施設以外でリハビリを行うメリットとデメリットも解説しましょう。
施設リハビリ以外に使えるサービスは何がある?
施設リハビリ以外に使えるサービスは、訪問リハビリ、通所リハビリ(デイケア)、通所介護(デイサービス)があります。
訪問リハビリは、自宅などにスタッフが来て、実際の生活の場でリハビリを行うものです。個別なので利用する人に適したリハビリが行えます。
通所リハビリは、自宅で自立した生活を行えるように通所し、食事・入浴などや身体機能を向上させる訓練などを日帰りで提供をするサービスです。
通所介護は、介護が必要な方が、自宅で自分らしい暮らしをサポートするサービスです。日帰りで、食事・入浴の生活サポート、レクリエーションなどを行います。リハビリは必須ではないため、実施していないところもあります。
施設でリハビリを行うメリットとデメリット
メリットは、リハビリの回数を確保でき、複数のスタッフからリハビリを受けられる点です。また介護士や看護師などがいるため、普段の生活も安心して過ごせます。
デメリットは、集団での生活がストレスを感じる人がいる、自宅環境でリハビリが行えない点です。※但し、訪問リハビリで施設で個別リハビリも可能なケースもあります。(まずはお近く訪問リハビリに相談しましょう)
施設以外の介護保険でリハビリを行うメリットとデメリット
施設以外でリハビリを受けるメリットは、自宅で暮らしながらリハビリができることです。
訪問リハビリや通所リハビリでは、普段生活している環境でリハビリを行います。実際の日常生活の動きを直接練習するので、生活への応用がスムーズにできるのが特徴です。
一方、デメリットとしては、施設のリハビリに比べて設備や機器が限られることです。また、多くの場合、サービスの提供が週1〜2回程度と少ないため、短期間で集中してリハビリをしたい人にとっては、物足りない場合があります。
リハビリのモチベーションを維持するためのポイントとは

リハビリを継続する際に重要なのは、モチベーション維持です。専門スタッフのサポートがあっても、長期間リハビリの継続は容易ではありません。
モチベーション維持には、周囲のサポートと自分自身の成長実感の両方が必要です。リハビリを続ける大事なポイントを3つ紹介します。
できないことよりもできたことに意識を向ける
「できない」ではなく「できた」に意識を向けるのが重要です。「できた」に注目すると前向きな気持ちが生まれ、リハビリへの取り組みがより積極的になります。毎日の小さな進歩を大切にしましょう。
不安なことや悩みは閉じ込めずに相談を行う
不安や悩みは、決して一人で抱え込まないようにしましょう。放置をすると、モチベーションの低下だけでなく、リハビリの効果も減少する可能性があります。
不安や悩みは誰もが持つ自然な感情です。適切に表現して、専門家のアドバイスを受けると、より効果的にリハビリを進めることができるでしょう。
ご家族のサポートもモチベーションのカギ
ご家族のサポートは非常に重要な役割を果たします。家族の理解と励ましは、モチベーションのカギです。
まず、『過度に手を出さない』が大切です。できることも手伝うと、自立心が育たず逆効果になります。できる動作を行った後で、「今日は自分でお箸が持てたね」など、小さな進歩を具体的な成果を言葉で伝えると、自信につながります。
まとめ|施設リハビリについて

施設でのリハビリは、介護保険が使える施設で受けられます。施設にはさまざまな種類があり、目的や特徴がそれぞれ違うため、自分のニーズに合った施設を選ぶことが大切です。
施設リハビリのメリットは、継続的にリハビリが受けられることや、専門のスタッフが常にいる安心感、そして集団生活による社会的な刺激を受けられることです。また、施設以外にも、自宅で受ける訪問リハビリや、施設に通って行う通所リハビリ、施設に来てもらう自費訪問リハビリなどの方法もあります。
リハビリを成功させるポイントは、「できた!」に注目する前向きな気持ち、専門家への相談、そして家族からのサポートです。
どのリハビリ方法を選んでも、その人の状況や目標に合わせた方法を選び、モチベーションを保つ工夫をすることが、自分らしい生活を取り戻すための鍵になります。