
施設での訪問リハビリとは?自費サービスの活用で効率的に機能回復を目指す
2025.10.10

訪問リハビリを利用を検討している方のなかには、施設に入所していて「施設での訪問リハビリとは?」「施設でも訪問リハビリを利用できる?」と悩んでいる方もいるでしょう。訪問リハビリは、必要な条件を満たしている場合は保険適用で利用できますが、施設の場合は利用できないケースもあるため注意が必要です。
自分にあったリハビリを集中して行いたい方は、自費で訪問リハビリを活用する方法もあります。目標達成に向けて集中的にリハビリを行えるため、改善・回復を目指したい方におすすめです。
本記事では、施設での訪問リハビリ利用の流れと、自費リハビリのメリット・注意点を解説します。
目次
施設で訪問リハビリは受けられる?対象者や介護・医療保険の違いも解説

訪問リハビリは、リハビリ専門職が自宅や施設を訪れて、必要なリハビリを提供するサービスです。自宅の場合は、必要な条件を満たしていれば介護保険が適用となることがほとんどですが、施設での訪問リハビリの場合は形態によって異なります。施設で訪問リハビリを利用する際のポイントを確認しておきましょう。
訪問リハビリの対象者
訪問リハビリは、利用者さんが自立した生活が送れるように、心身機能の維持・向上を目指したリハビリを行うサービスです。介護保険・医療保険の両方で利用が可能ですが、基本的には併用ができないため、対象となる条件を確認しておきましょう。
<介護保険の対象者>
- 要介護認定(要介護1〜5)を受けている
- 16種類の特定疾病に該当する40〜64歳までの方
- 医師から認められている方
<医療保険の対象者>
- 要介護認定(要介護1〜5)を受けていない
- 16種類の特定疾病に該当しない40〜64歳までの方
- 訪問リハビリ以外の介護サービスを受ける
- 別の病気でリハビリを受ける
要支援1・2の場合は、要介護になるのを予防するのが目的の、「介護予防訪問リハビリテーション」を受けられます。
施設での訪問リハビリは?
訪問リハビリは、原則として利用者さんの自宅で行われるサービスのため、施設で利用する場合は介護保険適用外となることが多いです。ただし、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などに住んでいる方は、訪問リハビリを利用できます。
一方で、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに住んでいる方は、リハビリの専門職や機能訓練指導員などが専従しているため、訪問リハビリを利用できません。これらの施設に住んでいる方がリハビリを行う際は、専従している理学療法士や指導員のもとで行います。
つまり、リハビリを受けられる環境が整っている施設は、介護保険での訪問リハビリを利用できないということです。
自費での利用は可能
介護保険での訪問リハビリが利用できない場合でも、自費サービスであれば、訪問リハビリを受けられることがほとんどです。保険適用外のサービスとなるため、費用は自費リハビリ施設によって異なります。
自費訪問リハビリは、症状や状態にあわせてより適切なリハビリを行えるため、保険適用では足りない部分を補えるのが特徴です。
施設での訪問リハビリでできることとは|自費サービスを利用するメリット3選

介護・医療保険適用の訪問リハビリは、回数や頻度に限度があり、十分なリハビリができないと感じる方は少なくありません。そのため、施設での訪問リハビリは、自費リハビリサービスを検討するのも一つの方法です。ここでは、施設での訪問リハビリで自費サービスを利用する3つのメリットを紹介します。
自由度の高いサービス
自費リハビリは保険制度に縛られないため、自由な頻度・回数でリハビリを受けられます。保険適用外だからこそ、「回復を目指したい」「発症から数年経っているけれど、その症状の改善を目指したい」など、多様なニーズに対応ができるのです。
保険適用では現状維持のリハビリが多いですが、自費リハビリなら、改善・回復を目指した適切なリハビリを受けられます。
集中的なリハビリが可能
介護保険で訪問リハビリを利用する場合は、「1回=20分」が1単位で、原則として6回/週までというルールがあります。例えば、1回40分(2単位)で利用するなら、週3回までが限度ということです。
保険適用ではこのような制限があるため、機能・症状の改善や回復を目指した十分なリハビリが難しいこともあるでしょう。しかし、自費リハビリであれば回数や時間に制限がなく、目標達成に向けた集中的なリハビリが可能となります。
専門家によるマンツーマンの指導
自費リハビリは、理学療法士のリハビリの専門家とマンツーマンでリハビリができるのもメリットの一つです。それぞれの目標達成に向けて、適切なリハビリプログラムを作成してもらえるため、より効率的に改善・回復を目指せます。
マンツーマンで指導を受けられる自費リハビリなら、介護・医療保険では足りない部分をしっかりと補うことができるでしょう。
施設での訪問リハビリを活用して回復を目指す!利用の流れと注意点も

施設での訪問リハビリを適切に利用するためには、流れと注意点を理解しておく必要があります。自分にあった事業所を選べるように、あらかじめしっかりと確認しておきましょう。
主治医や施設に相談を
施設で訪問リハビリを利用する際は、必ず事前に主治医と施設の方に相談しましょう。まずは、施設で自費での訪問リハビリサービスを利用したい旨伝えておくとスムーズです。
その後、施設やケアマネージャーを通して、医療機関を受診して主治医からの許可をもらう必要があります。施設や主治医に相談せずに利用すると、さまざまなトラブルが発生する可能性があるため、事前の相談が重要です。
料金体系の確認を忘れない
自費リハビリサービスは、事業所によって料金体系が大きく異なります。全額自己負担となる自費での訪問リハビリは、1時間あたり8,000円〜20,000円程度が相場です。
契約する際は、サービス内容はもちろん、出張費や交通費、その他の加算費用などをしっかりと確認しておきましょう。契約後に思わぬ出費が発生した、ということにならないように、家族や信頼できる方と相談しながら検討するのがおすすめです。
信頼できる事業所を選ぶ
自費リハビリサービスでは、医師の指示が不要や提示されているプラン内容が曖昧など、リスク管理が不十分な事業者があるのも事実です。在籍しているスタッフの資格の有無や違法行為をしていないかなどを確認し、信頼できる事業所を選べるようにしましょう。
違法行為の一例として、「診断行為を行なっている」「必ず治るや機能が元通りに回復するなど、効果を過剰にうたっている」などが挙げられます。
継続的な利用が必要となるリハビリだからこそ、信頼できて安定性のある事業所を選ぶことが大切です。
まとめ|施設での訪問リハビリを活用して保険では足りない部分を補おう!

ここまでで、「施設で行う訪問リハビリとは何か?」という疑問について詳しく説明してきました。訪問リハビリは介護保険や医療保険を使って受けられる場合もありますが、利用できる回数や頻度に制限があるため、「十分なリハビリが受けられない」と感じる方も少なくありません。
そのような場合に選択肢の一つとなるのが、**保険適用外で全額自己負担となる「自費リハビリサービス」**です。費用はかかりますが、利用の自由度が高く、個人の目標や生活スタイルに合わせた柔軟なリハビリが可能です。回数や時間に制限がないため、より集中的にリハビリに取り組みたい人に向いているのが大きな特徴です。
また、自費リハビリでは、介護・医療保険の範囲では対応しきれない部分――たとえば趣味や仕事復帰を目指すための動作練習や、より細やかな生活サポートなどにも対応できる場合があります。
ただし、料金体系やサービス内容は事業所によって大きく異なります。 中にはリハビリ専門職が常駐していない施設や、プログラム内容が限られている場合もあるため、契約前に必ず説明を受け、納得したうえで利用を決めることが大切です。
不安があるときは、主治医やケアマネジャーに相談し、自分に合った事業所を選ぶようにしましょう。自分に適したリハビリ環境を整えることが、安心して前向きな回復を目指す第一歩になります。