NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳梗塞後の運動に関する注意点|再発予防効果と運動のリスク

脳梗塞後の運動に関する注意点|再発予防効果と運動のリスク

脳梗塞後の運動に関する注意点|再発予防効果と運動のリスク

脳梗塞後の治療で大切なことは、急性期の段階で患者さんの体の状態に合った運動療法を行うことです。これは、体の回復を助けるためにとても重要です。

しかし、脳梗塞後に運動療法を行う際には、いくつかの注意点や危険性があることを忘れてはいけません。無理をして運動すると、脳梗塞が再発したり、使わない筋肉が衰える「廃用症候群」という問題が悪化してしまうことがあります。このため、運動療法を行う前には、これらのリスクや注意点をしっかりと理解しておくことが大切です。

脳梗塞の再発や廃用症候群を防ぎながら効果的な運動療法を目指すために、ここでは運動療法における注意すべきポイントや危険性について詳しく説明していきます。

この内容を理解し、自分の体に合った運動プログラムを作り、安全に治療を進めていくよう心がけましょう。

脳梗塞後の運動は必須?体調に注意しながら早期に行う3つの理由

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脳梗塞後に運動を行うことは非常に重要です。なかでも、早期に行う急性期の運動療法は脳梗塞の症状改善に大きく関わります。体調に注意しながら早期に運動を行う3つの理由について確認しましょう。

廃用性症候群の予防

脳梗塞後の治療は急性期・回復期・生活期に分けられます。発症後の治療で重要なことは、早期対策として急性期に廃用性症候群の予防を行うことです。

廃用性症候群とは、脳梗塞などの病気が原因で寝たきり状態になり、二次的な身体機能低下につながることをいいます。脳梗塞後の身体は、麻痺の影響で筋力低下が著しく、廃用性症候群になりやすいです。

  • 筋萎縮
  • 骨萎縮
  • 関節拘縮
  • 心機能低下

廃用症性候群になってしまうと、今後のリハビリが難しく、日常生活自立度も低下します。早期リハビリを行うことで、脳細胞が刺激され、廃用性症候群の予防につながるでしょう。

医師や理学療法士に相談のもと自分に合った廃用性症候群の予防を行なってみてください。

血圧を下げる効果

長期的な高血圧が続くことで動脈硬化が進行し、脳梗塞の発症や再発につながる可能性が上がります。脳梗塞の発症や再発を予防するためには、日常生活のなかに運動を取り入れることが大切です。

運動は血圧を下げる効果があります。

高血圧は長期的な問題になるため、習慣的な運動がおすすめです。これを行うことで収縮期血圧が2〜5mmHg、拡張期血圧が1〜4mmHgを低下させる効果があると言われています。

脳梗塞の発症や再発を繰り返し後悔するまえに、習慣的な運動を取り入れ、高血圧の低下に努めましょう。

参考:e-ヘルスネット高血圧症を改善するための運動

動脈硬化の改善

脳梗塞の主な原因は、動脈硬化です。

習慣的な運動を行うことで、動脈硬化の改善に繋げることができます。運動を行うと血流量が増加し、血流増加に伴う摩擦で血管の内皮細胞が柔らかくなるという理由から、動脈硬化の改善が期待できるでしょう。

また、動脈硬化の背景には生活習慣病という要因があります。習慣的な運動は、動脈硬化の改善だけでなく、生活習慣病の改善につながるでしょう。

激しい運動は身体的にもキツく、継続することが難しいので、1日に30分だけの有酸素運動を取り入れるなどの無理のない運動がおすすめです。

【脳梗塞後の運動における注意点】過度な運動は逆効果かも?

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脳梗塞発症後は早期に運動をすることが重要ですが、過度な運動は逆効果につながる可能性があります。運動における注意点を把握し、危機的状況を把握しましょう。

転倒のリスク

脳梗塞発症後の急性期に身体的状態の改善を図るため、早期対策で患者様に適した運動療法が行われます。

脳梗塞の症状で麻痺がある場合、感覚バランス・視覚障害・運動障害などの関係で、姿勢の保持や歩行が不安定になるため転倒リスクが非常に高いです。

また、運動療法を行う際に注意してほしいのは、転倒転落による骨折です。骨折すると寝たきり状態になるため、廃用性症候群の悪化や脳梗塞の回復が遅れる原因につながります。

脳梗塞は転倒転落や骨折のリスクが高いため、防止対策でマットやクッション、ヒッププロテクターなどを利用することがおすすめです。

血圧の急上昇

患者様の身体的状態に比べて、負荷の大きい運動療法を行うと、血圧が急上昇する可能性があります。

急激な運動療法や重いものを持ち上げることによる血圧の急上昇は、脳梗塞の再発リスクが高まるため注意が必要です。

これは、負荷が大きいことで右心房圧が上昇し、本来とは違う血液の流れになり脳梗塞の発生につながります。

運動療法を行う際は、息を切らすような運動やいきみながら行う運動は避けるようにしてください。

脳梗塞の運動療法にはそれぞれの治療段階があります。医師や理学療法士などの専門的知識のある方と相談し、自分に適した運動を行って脳梗塞の改善に取り組みましょう。

過度な運動は逆効果

脳梗塞後の麻痺や廃用性症候群は、運動療法により改善する可能性があります。ここで重要なことは、脳梗塞発症後の過度な運動は逆効果になるということです。

過度な運動による身体へのリスクは以下のようなことが挙げられます。

  • 脱水症による血液濃縮度が高まる
  • 不整脈を引き起こす
  • 血圧の急上昇

過度な運動によって脱水症や不整脈になる可能性が高く、どちらも血液の流れが悪くなるため、血栓の誘発につながります。

この血栓は脳梗塞の原因であり、運動療法を行う際に過度な運動にならないように注意が必要です。

脳梗塞予防には適度な運動を!体調に注意しながら継続しよう

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脳梗塞の発症や再発予防には適度な運動を行うことがおすすめです。これから有効的な運動方法や注意点を説明します。一緒に確認し、継続した運動を目指しましょう。

脳梗塞後におすすめの運動

脳梗塞後の身体症状の改善におすすめの運動は、有酸素運動と筋力トレーニングです。

運動方法を紹介するので一緒に確認し、できることから始めましょう。

  • 無理なく続けられる有酸素運動を取り入れる

1日30分ほどのウォーキングやジョギングを行うのがおすすめです。有酸素運動を行うことで心機能は向上し、脳細胞に酸素や栄養の運搬が行われます。身体への負荷が少なく、継続して取り組みやすいです。

  • 筋力向上のための筋力トレーニング

脳梗塞で麻痺になると筋肉の低下が著しくなります。過度な筋トレは避けて、自分の体重を生かした筋トレエクササイズがおすすめです。筋力トレーニングは筋肉増量だけでなく、骨密度も高められるため代謝の改善になります。

体調に合わせた運動を

運動を行う際に注意してほしいことが3つありますので、見ていきましょう。

  1. その日の体調確認を必ず行い、それに合わせた運動をする
  2. 回復段階に応じた運動で転倒予防
  3. 専門的知識のある医師と相談しながら、自分に合った運動プログラムを立てる

運動をするにあたって大切なことは、安全性を考慮した状態で行うことです。その日の体調は毎日異なるため、当日にバイタルチェックを行う必要があります。

患者様への負荷がかかりすぎないように運動内容の調整を行いましょう。

回復段階によって運動方法や内容が変わるため、状態に適した運動を行い、転倒予防を行うことが大切です。理学療法士と相談して、安全性のある有効的な運動を目指しましょう。

まとめ|脳梗塞後の運動における注意点

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脳梗塞を経験した後、最初の段階で適切な運動療法を始めることはとても大切です。運動をすることで、身体の回復を助けることができます。

ただし、運動をする際には注意が必要です。無理をしてたくさん運動をすると、かえって脳梗塞が再発したり、身体を使わなくなって筋力が落ちる「廃用症候群」が悪化してしまうことがあります。

そのため、適度な有酸素運動や軽い筋トレを取り入れた運動プログラムを作ることが大切です。これにより、脳梗塞後の症状を少しずつ改善していくことができます。

また、運動を始める前には必ず専門の医師と理学療法士に相談し、安全に治療を進めることが大事です。専門家と一緒に計画を立てながら、焦らずに体を回復させていきましょう。

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