NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 【脳梗塞で意識障害に!】原因と治療、回復の見込みを徹底解説

【脳梗塞で意識障害に!】原因と治療、回復の見込みを徹底解説

【脳梗塞で意識障害に!】原因と治療、回復の見込みを徹底解説

脳梗塞による意識障害の経過が心配な方に向けて、意識障害の仕組みや治療、回復の過程についてお伝えします。脳死状態になった時の医療や、元気なうちから医療やケアへの希望を確認しあう重要性についても触れます。

認知や言動などに変化が現れる意識障害は暮らしに大きく影響します。

意識障害の仕組みや経過を知ることで、患者さんやご家族が望む治療や生き方の選択につながるでしょう。

脳梗塞で意識障害になる理由!重症度の評価と検査方法も解説

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脳梗塞で意識障害になる理由や重症度の評価方法、病院での検査について説明します。意識障害の仕組みを知れば、病気への対処がしやすいでしょう。

脳梗塞の意識障害とは

脳梗塞は脳の血管が閉塞して血流が低下し、脳神経細胞の機能が障害される病気です。半身麻痺やろれつ障害、意識障害などを引き起こします。

意識とは外からの刺激を取り入れ、自己を外に表出する機能です。

意識障害とは意識が清明でない状態です。認知、感情、行動の障害なども意識障害に含まれます。脳梗塞や脳出血などの脳の障害による意識障害と、脳以外の原因で起こる意識障害があります。

昏睡状態、眠りがち(傾眠)、集中力の低下など、意識障害のレベルはさまざまです。意識障害の時には、「いつもと比べて会話や行動の様子がおかしい」と周囲の人が感じやすいでしょう。

【原因】脳梗塞の意識障害

意識障害の主な原因は「脳の上行性網様体賦活系の障害」や「大脳皮質の広範な障害」です。

意識の中枢は、脳幹網様体から大脳皮質に至る上行性網様体賦活系にあると考えられています。脳幹網様体は感覚刺激を受けると視床を介して大脳皮質にインパルスを送ります。人はインパルスによって覚醒状態を維持しているのです。

また、脳梗塞によって脳内にむくみができると、頭蓋内の圧力が高まります。脳実質の一部が圧力によって隣接する腔へはみ出した状態が「脳ヘルニア」です。脳ヘルニアになると脳組織が圧迫されて意識障害が起きます。

意識障害の重症度評価(JCS)と検査方法

意識障害の重症度を分類するために日本の医療現場で使われている方法が「JCS(ジャパン・コーマ・スケール)」です。0~300に数値化して分類します。

JCSの分類は次のとおりです。

I:刺激しなくても覚醒している(1桁の数字で表す)
Ⅰ‐1:だいたい意識清明だが、今ひとつはっきりしない Ⅰ‐2:時、場所または人物が分からない Ⅰ‐3:名前または生年月日が分からない
Ⅱ:刺激すると覚醒する~刺激を止めると眠り込む(2桁の数字で表す)
Ⅱ‐10:普通の呼びかけで容易に開眼する Ⅱ‐20:大きな声または身体をゆさぶることで開眼する Ⅱ‐30:痛み刺激と呼びかけを繰り返すと、かろうじて開眼する
Ⅲ:刺激しても覚醒しない(3桁の数字で表す)
Ⅲ‐100:痛み刺激に対して、はらいのけるような動作をする Ⅲ‐200:痛み刺激に対して、手足を動かしたり顔をしかめる Ⅲ‐300:痛み刺激に反応しない

参考:日本救急医学会「意識レベルの評価方法~JCSとGCS」

意識障害で受診した場合、医師は問診と身体診察をします。突然倒れる、頭痛、動脈硬化の危険因子となる既往などがあれば、脳梗塞を疑います。

脳梗塞の検査は、頭部CT、頭部MRI、脳血管造影などです。

頭部MRIは頭部断面を画像にし、脳梗塞の有無や大きさを調べます。頭部CTも画像検査でMRIより短時間で行えるが、X線使用による被爆があります。脳血管造影はカテーテルを入れて血管内を映し出す検査です。

脳梗塞で意識障害になった時の治療|回復の見込みや余命は?

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【脳梗塞の治療】発症後早期の受診が重要

脳梗塞は発症後になるべく早く受診することが重要です。脳梗塞の急性期治療は発症から時間が早いほど適応になり、症状が改善しやすいためです。

「血栓溶解療法」はrt-PAという薬を使って、脳に詰まった血栓を溶かして脳への血流を再開させます。脳梗塞発症後4.5時間以内で、一定の条件を満たした患者さんが対象です。麻痺や死亡の抑制効果があります。rt-PAは出血しやすくなる副作用があり、脳出血のリスクがあります。

「カテーテル血栓除去療法」は、カテーテルと呼ばれる管を太ももの動脈から脳内に入れて、詰まった血栓を回収する方法です。rt-PAが使用できない時や、効果が見込めない時に実施します。

他には、抗血小板薬、抗凝固薬などによる薬剤治療をします。

意識障害の回復見込みと余命

脳梗塞後の平均余命は50代男性で20.9年、50代女性で30.8年です。男女とも健康な日本人の平均余命より10年程度短いです。

原因が脳梗塞による脳浮腫の場合、意識障害は改善する可能性があります。脳浮腫は発症後1~2時間がピークで、元に戻るまで数か月かかると言われています。意識障害の回復は個人差が大きいでしょう。

脳梗塞による脳の損傷が治療で回復しなかった時、植物状態になる人がいます。植物状態は脳幹機能が残っていて自発呼吸はある場合が多いです。治療の継続やリハビリで回復する可能性はありますが、植物状態が続く患者さんの多くは6か月以内に死亡します。期待余命は2~5年、5年生存率は25%程度です。一方で、少数は数10年以上生きると言われています。

脳梗塞の意識障害が回復しない時の医療|ACPの重要性

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「全脳機能不全」の延命治療や、ACP(アドヴァンス・ケア・プランニング)について説明します。元気なうちから医療やケアの希望を確認しあう重要性が分かります。

延命治療をやめる選択肢はあるのか?

「全脳機能不全」の確定診断がされた時、担当医師や医療ケアチームなどが家族と十分話し合った上で、延命治療を中止するケースがあります。深い昏睡や無呼吸などの項目をすべて満たした場合に、全脳機能不全の確定診断がされます。

日本脳卒中学会は2018年に「脳卒中における終末期医療に関するガイドライン」を提示。「脳卒中による全脳機能不全」の対象は、脳卒中が原因で全脳の可逆的な機能不全となり、いかなる治療をしても死が避けられない状態としています。

重度の脳卒中は意識障害で本人の意思確認が困難なため、ガイドラインが作られました。

参考:日本脳卒中学会「脳卒中における終末期医療に関するガイドライン」

ACP|元気なうちから生き方を話し合う

ACPは人生会議とも呼ばれます。本人が元気なうちから、家族や医療ケアチームと将来の医療やケアの希望を繰り返し話し合い共有します。本人の意思が尊重された医療ケアをするために、急変時に備えた話し合いは重要です。

帰省時やテレビで介護の話題を見た時など世間話から始め、本人の状況や人生観や希望を前向きに話し合います。

ACPにはリビングウィル(事前指示)作成も含まれます。将来、具合が悪くなった時に「受けたい」または「受けたくない」医療やケアの希望を事前指示書にしておくのです。

日本は患者本人の事前指示書は普及していません。事前指示書の作成や提示によって、本人の生き方が最後まで尊重される点がメリットです。

参考:日本医師会「終末期医療ACPから考える」

まとめ|脳梗塞で意識障害が起きる仕組み

今回は脳梗塞で意識障害が起きる仕組みや治療、ACPの重要性についてお伝えしました。

意識の中枢は、脳幹網様体から大脳皮質に至る上行性網様体賦活系にあると考えられています。脳梗塞によって損傷することで意識障害が起きます。

脳梗塞は発症後になるべく早く受診することが重要です。脳梗塞の急性期治療には血栓溶解療法やカテーテル血栓除去療法などがあります。

本人の意思が尊重された医療ケアをするために、急変時に備えて話し合うACPが重要です。

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