生活リハビリを活用して快適な生活を!特徴・内容や自分でできる方法を紹介
2024.11.20
怪我や病気、高齢が原因で、日常生活に支障をきたす人達がいます。以前は当たり前のようにできていた事でも、時間がかかるようになったり、誰かの助けが必要になったりすると将来が不安になるでしょう。
しかし、その不安も生活リハビリを活用することで緩和することができます。
自分の生活に上手にリハビリを取り入れれば、今よりも質の高い生活を送ることができますよ。生活リハビリの具体的な方法や自分でできるポイントまで詳しく解説します。
目次
生活リハビリは病院で受けるものとは違う?特徴や内容を解説
生活リハビリは病院で受けるものとどう違うのか?リハビリと言えば「病院で受けるもの」という印象を持ちますよね?まずは特徴や内容を理解し、目的に合わせたサービスの利用を検討しましょう。
生活リハビリと病院のリハビリの違い
病院のリハビリは、怪我や病気になったとき、専門家のもとでリハビリを行い、社会復帰や自宅退院を目指すものです。
一方で、生活リハビリは、生活で行う動作自体をリハビリとして捉える概念の事をいいます。
老人保健施設やデイサービス、自宅で介助者の手を借りながらでも、自分でできる動作は自分でやることが生活リハビリです。例えば、入浴や排泄の時に、介助者にすべて任せるのではなく、上着だけでも自分で脱ぐなどの小さな事もリハビリになります。
生活リハビリの目的
生活リハビリでは、身体機能の維持、向上を目指す目的があります。歩くのが大変で、ベッドで過ごす時間が長ければ、身体はどんどん衰えてしまうでしょう。
身体や頭を働かせなければ認知症の原因にもなりえます。自分でできる動作は自分で行う意識を持ち、身体の機能が衰えないように努力しましょう。
生活リハビリで得られる効果
生活リハビリは全身の筋力を維持することも目的にあるだけでなく、認知症を予防することができます。将来的な寝たきりを予防することにつながります。
他にも、介護量が減ることで、家族の負担を減らせるメリットも。家族の負担になるのが心苦しいと感じる人もいるでしょう。生活リハビリを正しく取り組み、自分でできる動作を積極的に増やすことは、寝たきりの予防だけでなく、家族との関係を良好に保つことにもつながります。
【日常生活動作別】生活リハビリとは具体的に何をするのか
生活リハビリが大事だと理解できても、具体的に何をすればいいのかわからないという人も多いでしょう。意識したいのは、介助量を最小限にして、自分でできることは自分でやるというところ。
食事動作のリハビリ
食事は、介助無しで自分で食べるのが理想的です。そこで気を付けたいのが、食事の環境を身体機能に合わせて整えることが重要でしょう。
- 箸が使えない人はスプーンやフォークを用意する。
- 片手が不自由な人は、滑りずらい食器を使うなどする
しかし、思うように食事ができなければイライラし、食事が嫌になる傾向も考えられます。
リハビリと並行して、ストレスなく食事ができるように環境を整えるようにしましょう。
移動・移乗のリハビリ
歩ける人は、杖や歩行器を使って歩く機会を増やしましょう。この時、無理は禁物で、安全に配慮して、自分の能力にあった補助具を使ってください。車椅子から移乗する時も、なるべく自分の力で行うとリハビリになります。
移乗する時は、手すりを使用したり、車椅子の座面を高くすると立ち上がるのが楽にできますよ。移動、移乗は脚の筋力強化につながりますので、リハビリと思って頑張りましょう。
どれだけ高い目的、目標があったとしても維持期のリハビリはまず日常生活に慣れることです。移動・移乗のリハビリは重要ですが自分のペースで行いましょう。
また、部屋の中には今まで気にしなかった段差・角などが大きな障害になります。転倒などによる怪我にも注意を払ってください。
入浴や排泄のリハビリ
入浴の時、服の着脱や洗体をなるべく自分で行うようにしましょう。洗体は、長いブラシを用意することで、背中や脚も自分で洗うことができます。浴槽をまたぐ動作は、大変で転ぶ危険もあるので手すりを使用してください。取り外し可能なタイプの手すりもあるので、用意することをおすすめでしょう。
排泄の時もズボンや下着の操作を自分で行うこともリハビリの1つ。手伝ってもらえば楽ですが、自分でやればバランスの訓練にもなります。
どの動作も自分でやれば良いリハビリになりますが、安全面の配慮を忘れないようにしましょう。
心身を整えてより理想の日常を!自分でできる生活リハビリの方法
最後に自分でできる生活リハビリの方法を解説します。「専門家がいないのにリハビリなんてできるの?」と思う必要はありません。何気ない日常生活の動作も立派なリハビリになりますので安心してください。
できそうな動作を少しでも行う
生活リハビリではどんなに小さなことでも自分でやることが大事になります。例えば、上着の袖を通すのは手伝ってもらってもボタンやチャックは自分で閉める。
そのような事でも立派なリハビリですし、効果があります。「これは自分でできそう」という動作があれば、自分で行うようにしましょう。
認知症予防や心の機能を保つ方法
小さなことでも自分で行うことで認知症や精神面に良い効果があります。自発的な行動は、脳が働くので認知症予防につながります。他にも、自分でできるという経験は精神面にも良い影響を与えてくれるでしょう。
「手伝ってもらわなければできない」というマイナス面ではなく、「自分ひとりでもできることはある」と、プラスの面に目を向けるようにしてください。
参考:【2021年最新】認知症リハビリ|心身機能を高める「運動療法」
住宅改修や福祉用具を検討する
生活リハビリでは、適切な住宅改修や福祉用具が必須になります。環境を整えれば、残された能力でも自立して動作をすることができるからです。住宅改修や福祉用具も介護保険を利用すれば、自己負担を少なくすることも可能でしょう。
専門家のアドバイスを受け、その人の身体機能に合わせた環境を作るようにすれば、生活の質が高まりまるでしょう。
まとめ|生活リハビリを活用して快適な生活を
後遺症の状態や年齢によって取り組み方は異なりますが、生活リハビリは「日常生活で行う動作そのものをリハビリと考える」という大切な考え方です。この概念をしっかり理解しておくことで、生活の中でリハビリを無理なく続けやすくなります。
例えば、社会復帰を目指している方や、スポーツや特定の動きを再びできるようになりたいという高い目標を持つ方にとってはもちろん重要です。しかし、それだけでなく、「日常生活をできるだけ不自由なく過ごしたい」と考えている方にとっても、「生活動作」を見直し、新しいやり方を習得することはとても大事なステップになります。
具体的には、毎日の生活の中にリハビリのチャンスがあります。たとえば、椅子に座る・立ち上がる、階段を上る、物を持ち上げるといった動作も、筋肉を鍛えたりバランス感覚を向上させたりする良い練習になります。このような動作を意識的に繰り返すことで、少しずつ体の機能を改善していけます。
もちろん、誰かに手伝ってもらうことも大事です。ただし、手伝いに頼りすぎると自分で動く力が育ちにくくなることもあります。ですから、できる部分は自分で試してみることが重要です。たとえば、着替えや食器を片付ける動作など、自分でできそうなことから始めてみましょう。
また、リハビリを進める中では、ケガを防ぐことも大切です。無理をして転倒や怪我をしてしまうと、リハビリが進むどころか後退してしまうことがあります。安全に注意しながら、少しずつチャレンジしていくことが成功への近道です。
このように、生活リハビリは特別な時間や場所がなくても実践できます。小さな動作を積み重ねていくことで、より自立した生活や、目指している目標に近づくことができます。