
足のリハビリと筋トレが筋力低下を防ぐ!部位別のアプローチ方法と注意点
2025.07.21

足の筋力は加齢とともに低下していき、上肢に比べると筋力が低下しやすいのが特徴です。そのため、動かずにいると日常生活に支障をきたす可能性があります。
筋力低下を防ぐためには、日頃から足を動かすことを意識し、必要に応じてリハビリや筋トレを取り入れることが大切です。ただし、間違った方法で行うと逆効果になる可能性があるため、取り組む際には注意が必要です。
この記事では、足のリハビリと筋トレ方法を部位別に紹介します。正しく行うためにも、注意点も一緒に確認しておきましょう。
目次
足のリハビリに筋トレは必要?筋力低下の原因と身体に与える影響

足の筋力は、加齢によって低下していき、動かさずにいると筋力低下が急速に進行する可能性があります。そのため、足のリハビリや筋トレを取り入れ、筋力低下を防ぐことが重要です。まずは、筋力低下の原因と身体に与える影響を理解しておきましょう。
筋力低下の2つの原因
足の筋力低下には大きくわけて2つの原因があります。
- 加齢:20歳頃の筋肉量を基準にすると、70歳ぐらいには男女ともに30%程度の筋肉量の低下がみられる
- 不活動:身体を動かさずに筋肉を使わないと筋力量が低下する。寝たきりになると、1日あたり2〜3%の筋力低下を起こすというデータもある
高齢者になると、体力が低下することで外出機会が減少する方は少なくありません。また、病気やケガによって身体機能が低下していると、引きこもりがちになる傾向があります。その結果、足の筋力低下を急速に進行させてしまうことになるのです。
足の筋力低下はQOLの低下に直結!?
足の筋力低下が低下すると、立ち座りやトイレ、入浴などの日常生活動作が困難になります。そのため、自立した生活ができず、生活の質の低下につながる可能性があるのです。
特に、足の筋力は上肢に比べると低下しやすい傾向があるため、日頃から意識して動かす必要があります。高齢者の足の筋力は、一度低下すると回復に時間がかかるため、リハビリや運動などによる総合的なアプローチが必要です。
強化しておきたい6つの筋肉
足の筋力が低下すると、転倒しやすくなり、ケガのリスクが高まります。以下の6つの筋肉を意識して鍛え、転倒を予防しましょう。
- 腸腰筋(股関節屈曲):歩幅の拡大や重心の後方移動など
- 中臀筋(股関節外転):腰や膝の安定性や重心の側方移動制御など
- 大腿四頭筋(膝伸展):膝関節の負担軽減や膝の病気の予防など
- 前脛骨筋(足関節背屈):つま先を足の甲側に上げる動作、安全なかかとの接地に必要
- 下腿三頭筋(足首底屈):つま先を地面に向けた状態、重心が前へ傾きすぎるのを防ぐ
- 足指屈筋(足指屈曲):重心の前方移動を制御する
いざ取り組もうとしても、適切な方法がわからないから始められない、という方は少なくありません。まずは自宅でできる簡単なトレーニングから始め、より効率的に筋力アップを目指したい方は、リハビリの専門家のもとで行うのがおすすめです。
【足のリハビリ】自宅でできる簡単筋トレで筋力低下をストップ!

足のリハビリ効果を上げるためには、自宅でも筋トレを行うのがおすすめです。ここでは、自宅でも簡単にできる筋トレ方法を、部位別に紹介します。筋トレを行う際は、痛みや違和感がある場合は無理に行わず、できる範囲で取り組むようにしましょう。
太ももの筋トレ
太ももの筋トレ方法を2種類紹介します。
<太ももの筋トレ(大腿四頭筋)>
- 姿勢を真っ直ぐにして椅子に座る
- 片足の膝を真っ直ぐ伸ばす(膝下だけを動かす)
- ゆっくりと元に戻す
- 左右それぞれ20回×2〜3セット
<太ももの筋トレ(腸腰筋)>
- 姿勢を真っ直ぐにして椅子に座る
- 足踏みをする(交互に太ももを上げる)
20回×2〜3セット
お尻の筋トレ
お尻の筋トレ方法を紹介します。
<お尻の筋トレ(中臀筋)>
- 椅子に座り両膝にセラバンドを巻く(無ければ両手で抵抗をかける)
- ゆっくりと膝を開く(両かかとはつけたまま)
- ゆっくりと元に戻す
20回×2〜3セット
左右均等に広げることを意識して行いましょう。
足指・足首の筋トレ
足指・足首の筋トレ方法を紹介します。
<足指・足首の筋トレ(前脛骨筋)>
- 椅子に浅く座って片方の膝を伸ばす
- 伸ばしているほうの足の指をグーにした状態で足首を上に曲げる
- 足首を元に戻す
10回×2〜3セット
足指を曲げるのが難しい方は、伸ばした状態で行いましょう。
効果的な足のリハビリ方法と注意点|筋トレ以外も取り入れることが大切

足のリハビリは、筋トレだけ行っておけばよいというものではありません。ストレッチで柔軟性の低下を防いだり、装具を活用したりしてリハビリ効果を上げることが大切です。ここでは、効果的なリハビリ方法と注意点を解説します。
柔軟性の低下を防ぐストレッチ
足のリハビリでは、筋トレとあわせてストレッチを行い、柔軟性の低下を防ぐことも大切です。柔軟性が低下すると、歩行バランスが崩れ転倒のリスクが高まります。
壁に手をついてふくらはぎを伸ばす、タオルを使用してアキレス腱を伸ばす、などの方法がおすすめです。ただし、無理に伸ばすと逆効果になるため、落ち着いた呼吸でゆっくりと行いましょう。
必要に応じて装具も活用
足のリハビリでは、必要に応じて装具を使用するのもおすすめです。装具を使用して足の動きをサポートすることで、歩行時の不安定感が軽減されます。
足の動きをサポートする装具の種類はさまざまです。正しく着用できていないと十分な効果が得られない可能性があるため、医師や療法士の指示に従って活用するようにしましょう。
自己判断で進めない
自宅でも行える足のリハビリや筋トレですが、自己判断で行うのは危険です。自己判断で進めると、ケガや症状の悪化などにつながる可能性があります。リハビリや筋トレの内容は、主治医やリハビリの専門家と相談しながら進めるようにしましょう。
正しい方法で行えば、リハビリや筋トレに対する十分な効果に期待ができるでしょう。
まとめ|足のリハビリには筋トレが重要!効率よく行うなら専門家に相談も

年をとると、体のあちこちの筋肉が弱くなっていきます。とくに足の筋力は早くから落ちやすく、そのままにしておくと、歩く・立つ・座るといった日常の動きがだんだんと難しくなってしまうことがあります。そうなると、家の中でも誰かの助けが必要になるかもしれません。
こうしたことを防ぐために大切なのが、足の筋力を保つことです。日ごろから足のリハビリや筋トレを行うことで、筋力の低下を防ぐことができます。
足のトレーニングでは、体の一部分だけでなく、太もも・おしり・ふくらはぎ・足首など、いろいろな場所をバランスよく動かすことがポイントです。それぞれの筋肉が協力して、スムーズに歩いたり立ったりできるようになっています。
また、筋トレだけをがんばるのではなく、ストレッチを取り入れて体をやわらかくすることもとても大事です。体がかたくなると、転びやすくなったり、関節に負担がかかったりするからです。
ただし、自己流でむりに運動すると、かえって体を痛めてしまうこともあります。安全にリハビリやトレーニングを進めるためには、医師や理学療法士に相談して、自分に合った方法で行うのが安心です。
はじめは小さな運動でもかまいません。毎日コツコツ続けることで、元気に歩ける足を保つことができます。