脳梗塞に良い食べ物や飲み物はある?青魚やコーヒーの予防効果を解説!
2024.02.14
脳梗塞を予防する食べ物や飲み物が何かを知りたい方にむけて、生活習慣の基本、青魚やコーヒーの予防効果についてお伝えします。1日に必要なエネルギー量の目安や、野菜類や緑茶などの予防効果についても解説します。
脳梗塞は半身麻痺やしびれ、ろれつ困難などの後遺症が生活に影響する可能性がある病気です。不適切な生活習慣は高血圧や糖尿病などの危険因子を悪化させ、脳梗塞の発症につながります。
脳梗塞を予防する食べ物や飲み物を取り入れて、健康な身体を維持しましょう。
目次
脳梗塞に良い生活習慣は?病気の概要やエネルギー必要量
脳梗塞を予防する生活の基本や、1日に必要なエネルギー量の目安についてお伝えします。必要なエネルギー量や最適な体重が分かれば、脳梗塞予防につながりますよ。
脳梗塞とは|症状や種類
脳梗塞は脳の血管が閉塞して血流が低下し、脳神経細胞の機能障害でさまざまな神経症状が起きる病気です。
脳卒中には脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血があります。脳梗塞は脳卒中のうち7割を占めます。
脳梗塞の主な症状は次のとおりです。
・半身麻痺
・しびれ
・ろれつ困難
・失語
・意識障害
・視野の半分がみえにくい(同名半盲)
・身体のバランスがとれない(運動失調)など
脳梗塞を予防する生活習慣の基本
脳梗塞予防の基本は危険因子の管理、生活習慣の見直し、適度な運動です。
脳梗塞の危険因子は高血圧、高脂血症、糖尿病などの病気が挙げられます。定期健診や通院によって適切に治療しましょう。
食生活は減塩と肥満にならないようバランスの良い食事をとることが重要です。自分に合った適度な運動は体重管理とストレス解消につながります。
入浴はぬるめの温度にして急激な温度差がないようにします。他にも、禁煙してストレスや睡眠不足は避けましょう。
1日に必要なエネルギー量とBMI
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に設定されている、1日の推定エネルギー必要量の目安
年齢/性別 | 【男性】推定エネルギー 必要量(kcal/日) | 【女性】推定エネルギー 必要量(kcal/日) |
18~29歳 | 2,650 | 2,000 |
30~49歳 | 2,700 | 2,050 |
50~64歳 | 2,600 | 1,950 |
65~74歳 | 2,400 | 1,850 |
75歳以上 | 2,100 | 1,650 |
上記は身体活動レベルが「ふつう」の人が対象です。「ふつう」は日本人の半数程度があてはまるとされています。座り仕事が中心で、一部立っての接客や作業、通勤や家事をする人が対象です。
また、BMIが22の時は標準体重で、もっとも高血圧や糖尿病などになりにくい状態と言われます。BMIは肥満度を表す指標で、「体重(kg)」÷「身長(m)の2乗」で求められます。BMI18.5未満は「低体重(やせ)」、18.5以上25未満は「普通体重」、25以上は「肥満」です。
脳梗塞に良い食べ物や飲み物は?青魚や野菜類の効果を解説
脳梗塞の予防につながる食べ物についてお伝えします。食べ物に含まれる効果を知り、バランスよく食べることが重要です。
青魚|EPAやDHAが豊富
EPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸は血栓をできにくくし、LDLコレステロールを下げる働きがあります。青魚(イワシ、本マグロ、サバなど)はEPAやDHAが豊富です。
多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸で、体内で作れないことが特徴です。食事から摂取するようにします。
多価不飽和脂肪酸は調理法によって含まれる量が変わり、生食がもっとも多く含まれます。加熱する場合は、薄味で少ない水の煮魚にして煮汁ごと飲む、小麦粉をまぶして焼き魚にするなどがコツです。
野菜・果物・海藻類…食物繊維の効果
野菜や果物、海藻、豆類に多く含まれる食物繊維は、腸内でコレステロールや中性脂肪を吸着して便として排泄する働きがあります。
野菜や果物に含まれるカリウムの効果は腎臓でのナトリウム再吸収を抑えて、体外に排出して血圧を下げることです。
みかんやりんごなどの果物は抗酸化作用があり、体脂肪の蓄積を抑えます。ただし、果物は血糖値が上がるため、とり過ぎないようにします。
オリーブオイル・菜種油…オレイン酸の作用
オリーブオイルや菜種油に多く含まれるオレイン酸は、血中のLDLコレステロールを下げて動脈硬化を予防する働きがあります。オリーブオイルは酸化しにくいため、炒め油に適しています。ただし、油は大さじ1杯100kcalと高カロリーであり、過剰摂取は肥満につながるため適量にしましょう。
脳梗塞に良い食べ物や飲み物|コーヒーや緑茶が良いって本当?
脳梗塞の予防効果があると言われる飲み物についてお伝えします。コーヒーや緑茶の効果を知って、適量を飲むことが重要です。
コーヒー|適量摂取で死亡リスクが下がる
国立がんセンターの多目的コホート研究で、4杯/日までのコーヒー摂取は脳血管疾患の死亡リスクを下げると報告されています。
コーヒーが死亡リスクを下げる理由として、コーヒーに含まれるクロロゲン酸による血糖値改善、血圧調整、抗炎症作用が挙げられます。カフェインによる血管内皮の機能改善効果も理由のひとつです。
ただし、カフェインの大量摂取は不眠や神経症の原因になるため、適量摂取が重要です。
参考:国立がんセンター「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」
緑茶|カテキンの抗酸化作用
緑茶を1日に2杯以上飲む人は脳梗塞発症のリスクが下がると報告されています。
緑茶に含まれるカテキンの抗酸化作用は、LDLコレステロールの酸化を防ぐ働きがあるためです。
カテキンには体脂肪を減らす効果もあります。カテキンは肝臓の酵素を増やして活性化させます。脂質代謝を上げることでエネルギー消費量が増えて、体脂肪が減るのです。
参考:国立がんセンター「緑茶・コーヒー摂取と脳卒中発症との関連について」
こまめな水分補給で脱水予防
水分補給不足による脱水は血流を低下させるため、脳梗塞のリスクを高めます。こまめな水分補給が重要です。
特に高齢者は喉の渇きに気が付きにくいため、定期的な水分摂取を心がけます。ペットボトルに必要な水分量を入れて目安にしたり、起床時や就寝前、外出前後など時間を決めて飲水すると良いでしょう。
1日に必要な水分量の目安は、体重(kg)×25~35mlで求められます。心不全や腎不全の人は主治医の指示により水分量を決めるようにしましょう。
まとめ|脳梗塞に良いとされる食べ物や飲み物について
今回は脳梗塞を予防する生活習慣や、脳梗塞に良いとされる食べ物や飲み物についてお伝えしました。
食生活は減塩と肥満にならないようバランスの良い食事をとることが重要です。自分に合った適度な運動は体重管理とストレス解消につながります。
脳梗塞予防に良い食べ物や飲み物は次のとおりです。
・青魚
・野菜類、果物、海藻類
・オリーブオイル、菜種油
・コーヒー
・緑茶
・こまめな水分補給
それぞれの食べ物や飲み物の効果や注意点を知り、適量の摂取が重要です。