NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳梗塞で早期回復するために|知っておくべき症状や時期別リハビリ

脳梗塞で早期回復するために|知っておくべき症状や時期別リハビリ

脳梗塞で早期回復するために|知っておくべき症状や時期別リハビリ

脳梗塞は、脳の血管のつまりにより脳細胞が死んでしまう病気で、後遺症をともなう確率が高いです。代表的な後遺症に麻痺があり、思うように体を動かせなかったり、手足のしびれなどがあらわれます。

このような後遺症を抑えるために、適切な時期に症状にあったリハビリをおこなうことで、自立した生活に少しでも近づくことができます。

今回は、脳梗塞から回復を目指すリハビリで効果を出すポイントや脳梗塞の特徴についてご紹介します。

血管が詰まることによりさまざまな後遺症が…脳梗塞の特徴

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脳梗塞は、脳の血管に異常が起こることで発症しますが、身体の各部位に指示を出す脳に障害が起これば、後遺症がのこる可能性もあります。適切な治療やリハビリをおこない早期回復をめざしましょう。

放置すると悪化も|脳梗塞の症状

脳卒中の一種である脳梗塞は、2017年時点で1年間の死因別死亡総数の上位から3番目という高い死亡率の病気で、脳の血管がつまったり塞がれたりして脳の神経細胞に血流がいかなくことで起こります。多くの場合、加齢に伴って起こりますが、高血圧や糖尿病、喫煙なども脳の血管に血栓ができる要因になるので注意が必要です。

脳梗塞の症状はさまざまで、「手足や顔のしびれ」「呂律が回らない」「足元がふらつく」「視界が悪くなる」「顔の片方が垂れ下がっている」などがあります。

脳梗塞の症状は、長く続いたり一時的におさまったりします。しかし、おさまったからといって回復したわけではありません。症状があるのに放置してしまうと悪化する原因にもなるので、症状に気づいたら早急に医療機関を受診しましょう。

生活に支障をきたす後遺症が残ることもある

脳梗塞は、回復できる人もいますが、約7割の患者は何らかの後遺症がのこるとされています。これは、脳細胞に血流がいかなくなれば神経細胞が壊死するので、再生できなくなるためです。

主な後遺症としては、片方の手足が動かせなくなる運動麻痺、触覚や痛覚などの感覚が鈍くなりすぎたり、過敏になりすぎる感覚障害、言葉の理解が悪くなる言語障害などがあります。

そして、脳の神経細胞に異常がおこれば、記憶障害になったり集中力がなくなる注意障害になるなど高次脳機能障害という後遺症になる可能性もあります。

3つの時期にわけて行われる脳梗塞リハビリ

脳梗塞から運動機能などを回復するためのリハビリは、「急性期(治療後2週間)」「回復期(発症から3ヶ月頃)」、「維持期(発症して3ヶ月から6ヶ月頃)」の3つの時期にわけておこないます。

発症後の期間によって、リハビリの効果や行なうべきリハビリの内容がことなります。それぞれの時期に合ったリハビリを行い、効果を最大限にしましょう。

【参考:日本生活習慣病予防協会「脳梗塞|生活習慣病の調査・統計」

脳梗塞で早期回復を目指すリハビリを時期別に紹介①急性期

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これまでは、脳梗塞を発症してすぐにリハビリを行なうと症状の悪化に繋がるとされていましたが、近年の治療ガイドラインの見なおしにより、発症直後からリハビリが推奨されるようになりました。発症後すぐの急性期のリハビリから見ていきましょう。

発症から48時間以内に開始|急性期

脳梗塞から回復するための急性期のリハビリは、発症してから約48時間以内に開始します。寝たきりの状態がながく続くと、筋肉の萎縮や関節の動きがわるくなり、廃用症候群を引きおこしてしまう可能性もあるため、治療後はベッド上またはベッド周辺でのリハビリを行います。

離床訓練や摂食訓練などを行なう

廃用症候群をふせぐためには、ストレッチや座る・立つ動作など離床訓練から摂食訓練、着替えなど日常生活に必要な動きを可能にするADL訓練などをおこないます。

手足が動かせないなど運動麻痺がある人、うまく話せなくなる「言語障害」がある人などそれぞれの症状にあわせて脳梗塞から回復する訓練が行われます。

脳梗塞で早期回復を目指すリハビリを時期別に紹介②回復期

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脳梗塞の回復期では、退院後の生活に必要な訓練やロボットを活用したリハビリなど症状に合わせて多様なリハビリがおこなわれるので紹介します。

早期退院に向けて行なう|回復期

脳梗塞発症後、回復期(発症3ヶ月〜6ヶ月頃)のリハビリでは、ベッドから車いすに自分一人で移動したり、復職の訓練など生活のうえで必要な機能を高める訓練をおこないます。

脳梗塞になって6ヶ月までは、脳機能が著しく改善することが見込まれるので、早期退院に向けた積極的なリハビリとなります。クオリティの高いリハビリをすることで、退院後の生活に大きな影響をあたえます。

ボツリヌス療法や電気刺激療法などを行なう

脳梗塞を治療した後の回復期では、ボツリヌス菌が生みだすタンパク質を筋肉に注射して筋肉の緊張をゆるめるボツリヌス療法や、電気刺激により手足の神経や筋肉を刺激する方法、脚の動きをサポートするロボットスーツを着用するリハビリなどをおこないます。

回復期になると、読み書きなど言語機能訓練や、記憶や問題解決、判断力など症状に合わせて認知能力を助ける訓練も開始します。

脳梗塞で早期回復を目指すリハビリを時期別に紹介③維持期

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脳梗塞の発症後、退院して自宅でおこなう維持期のリハビリは、自立した生活をするという目的があります。筋力をつけたり身体機能を向上させることも重要ですが、自宅をバリアフリー化するなどの対策も必要です。

自立した生活のために|維持期

生活期リハビリともよばれる発症から6ヶ月以降の維持期リハビリは、主に自宅でおこなわれます。脳梗塞の回復期リハビリによって改善された生活に必要な動作を維持したりさらに向上させる狙いがあります。

身体機能が一度回復したとしても、退院後に何もせず動かないと機能の低下がふたたび進むので、退院した後も外来や自費リハビリなどを活用することが重要です。

在宅プログラムの保険適用範囲は、病院で行なうリハビリの範囲と異なるので、患者さんや家族と話し合って最良の選択肢を選びましょう。

自宅を改装するとスムーズにできる

脳梗塞から回復して退院後に自宅で行なうリハビリは、自宅の段差をなくすなど転倒を予防するバリアフリー化が大切です。

トイレや階段、浴室、通路などに転倒防止策を施したりスロープをつけて自立した生活が送れるようにしましょう。和式トイレから洋式への取替えなど自宅のバリアフリー化は、自治体の助成対象となる場合もあるので、制度の確認が必要です。

まとめ:脳梗塞の特徴や回復のための時期別リハビリ

脳梗塞の症状や後遺症の種類、時期別におこなわれるリハビリについてご紹介しました。脳梗塞から回復するには、発症直後から退院後に自宅でするリハビリも重要です。

脳梗塞の発症後、後遺症がのこる人も多いですが、適切な時期に適したリハビリを行なうことで少しでも後遺症への悩みを軽くすることができるでしょう。

大病である脳梗塞も、医師の指示にもとづいたリハビリを前向きにとりくむことで徐々に症状も回復し、社会復帰できる可能性も高まります。

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