
脊柱管狭窄症ストレッチ|高齢者に必要な予防と運動療法について
2025.03.14

脊柱管狭窄症の多くは、加齢による骨や靱帯の変性・変形が原因で、高齢者に多くみられることが特徴です。主に下半身の痛みや痺れの症状があり、症状が悪化すると日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
脊柱管狭窄症の症状が疑われる場合は、すぐに病院を受診し、早期治療が重要です。軽症であればリハビリやストレッチも有効とされているため、この記事で解説している脊柱管狭窄症の症状緩和に有効なストレッチも参考になるでしょう。ただし、ストレッチを行う際は、専門家の指導のもと行うことがおすすめです。
目次
自然治癒に至りづらい?脊柱管狭窄症の原因と加齢との関係性

さまざまな原因がある脊柱管狭窄症ですが、そのほとんどが加齢による変化といわれており、高齢者に多くみられることが特徴です。そのため、自然治癒にはあまり期待ができません。放置していると精神面に影響が出る可能性もあるため、早期治療が大切です。
そもそも脊柱管狭窄症とは?
脊柱管は、背骨の中央にあるトンネルのような構造をした管で、その中を脊髄神経が通っています。脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されている状態が脊柱管狭窄症です。脊柱管が狭くなる要因としては、靱帯の肥厚・椎間板の変性・骨が変形突出するなどがあげられます。
脊柱管狭窄症は頚椎または腰椎に発症することが多く、頚椎では手足の痺れや運動障害・腰椎では坐骨神経痛や間欠声性跛行などの症状が現れます。間欠声性跛行は、歩いていると痛みや痺れが出て歩けなくなるが休むと楽になり歩けるようになる、という状態を繰り返すことです。
脊柱管狭窄症の原因と加齢の影響
脊柱管狭窄症の原因はさまざまですが、加齢に伴う骨や靱帯の変性・変形が多いとされており、症状がみられるのは高齢者がほとんどです。
そのほかにも、頻繁に腰を使う作業をしている方や肥満などで、腰への負担が大きい人が発症しやすいといわれています。また、喫煙・糖尿病・ストレス・激しいスポーツなどの関与も報告されているようです。
なぜ自然治癒しづらいとされているのか
脊柱管狭窄症は加齢による変化が原因のことが多いため、自然治癒にはあまり期待ができません。高齢になるにつれて筋力が低下していくこともあり、徐々に悪化していくことがほとんどです。
薬やブロック注射、リハビリなどの保存療法で治療を行い、症状の改善がみられない場合は手術療法が行われます。
脊柱管狭窄症ストレッチ|高齢者は運動療法で早期治療が必要

脊柱管狭窄症は、放置していると症状が悪化していく可能性があります。早期に治療を開始し、症状を緩和していくことが大切です。また、脊柱管狭窄症に対してストレッチも有効とされています。ただし、無理なストレッチは症状の悪化につながるため、専門家の指導のもと適切な方法で行うことがおすすめです。
重症の場合に考えられるリスク
自然治癒には期待ができない脊柱管狭窄症は、放置していると症状が悪化し、肛門や会陰部の痺れによる排尿や排便の障害が出てくる可能性があります。また、歩行が困難になることで外出が億劫になり、引きこもりや寝たきりになってしまう方も少なくありません。筋力の低下や症状の悪化だけでなく、精神面にも影響が出てうつ状態となることもあります。
神経への障害は、放置していると機能が回復しづらくなるため、気になる症状がみられる場合は早期診断・治療を行いましょう。
脊柱管狭窄症にはストレッチが高齢者の予防に最適
ストレッチは、脊柱管狭窄症による痛みや痺れなどの症状を緩和するために有効とされています。ただし、腰を反らせると症状を悪化させる可能性があるため注意しましょう。
- 仰向けになり両膝を抱え、太ももをお腹に近づける
- 仰向けになり片方の太ももの裏を支え、膝を伸ばした状態で身体に引きつける(太ももの裏を伸ばす)
- 四つん這いになり、背中を丸めないようにお尻を後に移動させる
適切で効果的なストレッチを行うためにも、専門家のアドバイスを聞きながら行いましょう。
参考:松田整形外科記念病院「腰部脊柱管狭窄症に対するリハビリテーション」
参考:はちや整形外科病院「腰部脊柱管狭窄症の治療にストレッチは有効?注意点とおすすめの方法を紹介」
脊柱管狭窄症ストレッチだけでなく高齢者は日常生活の注意点も

脊柱管狭窄症は、ストレッチのときだけでなく、日常生活の動作でも注意が必要です。特に痛みが強い場合などに無理な動きをすると、症状を悪化させてしまうかもしれません。できるだけ腰の負担が少ない動きを心がけましょう。
脊柱管狭窄症の予防/リハビリ中における日常生活の注意点
脊柱管狭窄症は、神経を圧迫していることが原因のため、その状態を助長するような動きに注意しましょう。
- 腰を大きく反らす
- 腰をひねる
特に痛みが強い場合などは、なるべく腰に負担の少ない動きを意識することが重要です。
ストレッチだけでなく下肢筋力トレーニングも
歩行する頻度の減少・加齢による筋力の低下なども症状の悪化につながる可能性があります。そのため、ストレッチとあわせて下肢筋力トレーニングを行うこともおすすめです。
- 1,腰に浅く腰かけて肩幅くらいに足を開く
- 腹筋い力を入れてゆっくり立ち上がる
- 股関節膝をしっかり曲げて座る
立ち上がった際は、腰を反らさないように注意しましょう。
参考:松田整形外科記念病院「腰部脊柱管狭窄症に対するリハビリテーション」
専門家の判断や正しい動かし方を大切にしよう
脊柱管狭窄症の症状が疑われる場合は、まず病院を受診することが大切です。早期発見することができれば、症状が悪化しないうちに治療を開始でき、悪化を防ぐことができます。
保存療法の場合はリハビリも有効ですが、それぞれの症状によって適切な方法は異なるため、専門家の指導のもと行うようにしましょう。外出が難しい方や近くにリハビリ施設がない方は、オンライン診断や自費訪問リハビリ、オンラインリハビリの利用もおすすめです。
まとめ|脊柱管狭窄症のストレッチ|高齢者はどうすべきか

脊柱管狭窄症とは、背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、そこを通る神経が圧迫されている状態のことをいいます。特に高齢者に多く見られる病気で、腰や足に痛みやしびれが出たり、長い時間歩いたり、まっすぐ立ち続けたりすることがつらくなるのが特徴です。
この病気は、放置していると悪化してしまうことがほとんどですが、薬を使った治療やボックス注射(神経ブロック注射)、リハビリなどを取り入れることで、症状を軽くすることが期待できます。また、脊柱管狭窄症にはストレッチも効果的だと考えられています。ただし、ストレッチを行う際は自己判断で行わず、専門家の指導のもと、正しいやり方で行うことが大切です。自己流で無理に体をひねったり反らしたりすると、かえって状態が悪くなる可能性があります。
近隣にリハビリ施設がなかったり、通院が難しい場合は、オンライン診断や自費訪問リハビリを利用する方法もあります。住んでいる地域や健康保険の制度などを調べて、自分に合ったリハビリの方法を見つけましょう。
症状をあきらめず、医師やリハビリスタッフなどの専門家と相談しながら治療を続けることで、日常生活がより楽になり、痛みやしびれの負担を減らすことができます。早めに対処して、脊柱管狭窄症とうまく付き合っていきましょう。