
腰のしびれ・痛みは放置NG!腰椎ヘルニアの症状チェックと適切なリハビリ法
2025.03.19

「ヘルニア」と聞くと一般的に「腰痛」や「ぎっくり腰」をイメージすると思います。実際、症状や痛みの発症場所は近くなりますが放っておくと手術が必要になるケースもあります。
だからと言って極度に不安に感じる必要はなく、まずは今の症状を知って適切に対処することが必要になるでしょう。
今回は腰椎のヘルニアはリハビリで負担軽減ができるのか、症状やケースに合わせながら解説します。仕事柄休めない、日常的に腰に負担がかかってしまうという方も多いでしょう。重症化する前に対応が求められます。
目次
腰椎のヘルニアって?「腰椎椎間板ヘルニア」の症状とリスクを抱える人

まず第一に、腰椎のヘルニアとは…という部分を抑え、リハビリがなぜ必要なのか理解していきましょう。
腰椎椎間板ヘルニアの一般的な症状
腰椎のヘルニアは「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ばれます。
そもそも腰椎とは腰部の脊椎骨を指します。各椎骨の間にはクッションのような組織があり、それを椎間板と呼びます。
椎間板の特徴は、外側は堅い円心円状の繊維の環で覆われており、ゲル状の核と呼ばれるものが内部には含まれています。腰椎椎間板ヘルニアは、通常、この環が損傷し、本来中にあるはずの柔らかなゲル状の核(髄がい)が外に漏れ出ることによって以下のような症状が発生します。
- 急激な腰痛
- 坐骨神経症
- 神経が圧迫されることによって生じる感覚異常
- 痛みや神経の刺激によって起こる筋肉の緊張
などが挙げられます。「核(髄がい)が外に漏れ出る」という言葉の通り、漏れ出たものは神経を圧迫するなどするため局部的な痛み以外も発生させます。腰椎椎間板自体が、背骨をスムーズに動かしたり体を上から下まで繋げる役割を持っているため日常生活に影響を及ぼすでしょう。
腰椎のヘルニアにリスクを抱える人々
重労働をしている人、普段から腰部を酷使する人などがなりやすいと感じている人も多いでしょう。しかし、加齢や外部損傷といった要因も1つ存在します。
「ただの腰痛かな…」と見逃しがちな方も多いですが、40代、50代と年齢を重ねていく中で感じる腰部の痛みは注視すべき。
事務作業で普段座りっぱなしの方にも多くのリスクがあり、立ち上がる時の痛み、足や臀部の痺れ、力が入らない…などの症状を感じた場合は、腰椎のヘルニアの可能性も探り、リハビリや休息が必要になるでしょう。
軽い腰椎のヘルニアはリハビリで負担軽減!症状に合わせた対応を

腰椎のヘルニアはリハビリで対応できるの?と不安に思う方も多いでしょう。もちろん症状やご自身の生活スタイルに沿って対応策を考えなければいけません。
腰への軽い痛みはストレッチや筋トレで負担を軽減できる?
軽い腰痛であれば「腰周りを鍛えれば大丈夫」とつい思いがちです。ストレッチなどをして体のハリをとったり、筋力の強化は予防や再発防止には適当です。
しかし腰椎のヘルニアは外に漏れた椎間板の一部が神経根や脊髄に圧迫することによって生じる、痛みや痺れ。そのままにしてしまうと「慢性化」「重症化」というケースに至ります。
いわゆる「急性型」と呼ばれるものは一時的に大きな動作(重い荷物を持ち上げたり下ろしたり)、くしゃみなどからでも生じる場合があります。腰椎のヘルニアはまずは安静。
例えば腰周りを鍛えて負担を軽減しよう、と考える方もいますが背中を伸ばしたり曲げたり、という動作の中で痛みが走るため無理に行う必要はありません。
症状に不安を感じたらすぐに病院へ
普段から腰痛を抱えている方の中にはそのまま放置してしまうケースもあり、悪化してから気づくという場合も。
腰椎のヘルニアの場合は、神経への圧迫などもあり下半身にも痛みが走るため症状さえ知っておけば、普通の腰痛ではないことに対して気づくこともできます。ですが、気になった時にはドクターに正しく診てもらうことが重要です。
確かに身体を休めたりリハビリは必要になるかもしれませんが、手術などに至らないことの方が望ましいでしょう。
【ケース別】腰椎のヘルニアには症状に合わせたリハビリを

腰椎のヘルニアでも生活の中でリハビリは可能です。もちろん腰椎に負荷をかけない動きが求められ、正しい方法・指導のもとで行うことが望ましいでしょう。
動作時に痛みや痺れがあるケースのリハビリ
- 〈日常生活の動きを見直す〉
…基本的に時間の経過によって症状は軽減される腰椎椎間板ヘルニアですが、日常に潜む神経を圧迫するような動きを避ける必要があります。ここで重要なのは腰を折り曲げないということです。なるべく股関節や膝をしっかり使って上下動を行いましょう。
- 〈股関節のストレッチ〉
…前屈・後屈といった動作時に負担をかけないようにするため、股関節の柔軟性を高めることが必須です。症状が無くなった後も再発防止に向けて重要な運動になります。
参考:アレックス脊椎クリニック・腰椎椎間板ヘルニアの症状と運動療法、ストレッチについて
腰椎のヘルニアで手術後のリハビリ
- 〈術後生活レベルに戻るまで〉
…腰椎のヘルニアで手術を受けた後のリハビリは、ストレッチ・筋力強化・バランス訓練などを行い、退院後も通常の生活に戻るには時間を要します。
自宅に戻るまでにも外泊訓練などを行う必要もあり、帰宅後も重たい荷物の持ち運びを避け、継続的なリハビリが求められます。
以降必要になってくるのはストレッチによる柔軟性の向上だけでなく、体幹トレーニングなど。いわゆる運動療法です。腰椎のヘルニアのリハビリとして継続的に正しく行っていきましょう。
腰椎のヘルニアに対するリハビリ・まとめ

「もしかしたら…」と腰椎に異変を感じた場合は、まず腰の前屈や後屈をなるべく避け、安静にすることをおすすめします。横になって背中を伸ばしている状態であれば、痛みが出にくいことが多いからです。しかし、仕事や日常生活の都合でずっと休んでいられない人もいるでしょう。そうしたときは、まず病院で検査を受け、正しい診断をしてもらうことが大切です。そして、股関節の柔軟性を高めたり、普段の動作で腰椎に負担がかからない姿勢や動きを覚えて、実践していきましょう。
また、腰椎のヘルニアのリハビリは、手術後だけでなく、症状が軽いときでも悪化を防ぐためにとても重要です。もし自分で「ちゃんとリハビリを頑張りたい」という気持ちがあるなら、正しくリハビリができる環境を探して、無理なく続けることをおすすめします。適切なリハビリや生活上の工夫を続けることで、痛みや不安を減らして、日常生活をより快適にすることができます。