NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 【リモートリハビリ】自宅でできる新しい在宅リハビリの選択肢とは?動画・オンラインサービスを徹底解説

【リモートリハビリ】自宅でできる新しい在宅リハビリの選択肢とは?動画・オンラインサービスを徹底解説

【リモートリハビリ】自宅でできる新しい在宅リハビリの選択肢とは?動画・オンラインサービスを徹底解説

2020年以降、退院後のリハビリテーション情勢は大きく様変わりしました。その一端には新型コロナウイルスの感染拡大による施設使用不可、または施設の相次ぐ閉鎖が背景にあります。

訪問・通所ともに苦境に立たされていると同時に、リハビリをできない利用者側も症状の進行が懸念されています。

そんな中、自宅でできるリハビリテーションとして新たに「リモートリハビリ」という選択肢が生まれました。

そこで今回は、新たな在宅リハビリの手段となる「在宅運動プログラム」や「オンライン遠隔リハビリサービス」について解説します。

コロナ禍によって自宅で利用可能なリハビリ需要が増加傾向に

画像

新型コロナウイルスの感染拡大により、リハビリ施設が相次いで閉鎖を余儀なくされています。また、自宅への訪問リハビリも難しい状況です。

ここでは、改めてコロナ禍においてリハビリ状況がどうなったのかを解説します。

リハビリテーション施設の閉鎖が増加傾向

2021年頃、ほとんどの通所系施設が休業による閉鎖を余儀なくされました。その理由は利用者の感染リスクの高さと、職員の感染によるものです。

職員が感染してしまうと、利用者側にも感染のリスクが高まります。しかし、施設を利用している方のほとんどは感染リスクの高い高齢者です。

また、職員が1人でも感染して勤務できなくなると運営が難しくなる施設も。利用者1人に対して2~3人でのサポートをする施設の場合だと、自宅待機や休職が出た場合に正常な運営が難しくなります。

訪問リハビリも一時期縮小傾向に

通所系リハビリ施設の閉鎖・休業により、代わりに訪問リハビリをという利用者も増えました。しかし、訪問リハビリの人員は足りていないのが現状です。

また、通所系リハビリ施設と共に訪問リハビリ事業所でも職員の感染が起こると、運営が難しくなる場合があります。

休業中のデイサービスやショートステイの職員が利用者の自宅に訪問するなどのケアを行う場合もありますが、リハビリテーションを行えないためにADL(日常生活動作)の低下傾向がみられています。

新しい自宅リハビリの鍵は「リモート」にもあり

訪問リハビリを行えない利用者の方がどうやってリハビリを行うか。これがコロナ禍での課題となりました。そこで注目されたのが「リモート」です。

PCやスマートフォン・タブレットなどで動画を見ながら自宅でできる運動をしたり、機器を通じてリモートでセラピーを行ったり、自宅にいながらにしてリハビリを可能にできるよう運用開始されました。

これらのリモートリハビリによって、これから感染リスクを抑えつつもADLの低下を防ぐことが期待されています。

自宅でもできるリハビリを動画で!『在宅運動プログラム』

画像

「在宅運動プログラム」はリモートリハビリの1つです。自宅でできるリハビリとして、大学や関係機関が企画・制作を行いました。

効率的なリハビリ運動が動画で確認できる

順天堂大学保健医療学部理学療法学科が企画・制作した「自宅でできる運動プログラム」は、自宅にいながらにしてリハビリ運動を確認・実践できるプログラムです。

PC・スマートフォン・タブレットがあれば、効果的で効率的なリハビリ運動を動画で確認できます。

一般的な運動動画と違うのは、理学療法士が作っていることです。実演しているのは全員が順天堂大学の教員のため、理学療法のプロフェッショナルが教えるリハビリ運動を学ぶことができます。

障害の内容ごとに分かれたプログラム

このプログラムが通常の動画と大きく違うのは、障害や疾患の内容に応じたものにできること。動画プログラムは、症状・疾患ごとに選べるように分けられています。

まずは全ての疾患に共通した「体調チェック動画」を見てから自分の症状・疾患を選択します。すると、選択した症状・疾患に合わせた動画が表示される仕組みです。

利用者1人1人の体調や疾患に合わせ、適切な動画を見ることができるという点は、他の動画にない「リモートならでは」のリハビリといえるでしょう。

家族のサポートも容易に

専門的な知識に基づいた運動を学べるという点では、介助者・ご家族のサポートも容易になります。

介助者が利用者と一緒に動画を見れば、適切な動きができているのかを第三者の視点からも見ることができるのです。

また1人でできる運動が多いため、介助者の負担を減らす効果も期待できます。利用者・介助者共にメリットの大きいプログラムです。

参考:順天堂大学GOODHEALTHJOURNAL「ステイホームでも本格的なリハビリを!オール順天堂が実現させた在宅運動プログラム」

自宅でセラピーも可能な『オンライン遠隔リハビリサービス』

画像

「オンライン遠隔リハビリサービス」は、動画ではなくオンラインで直接セラピストとやり取りできるサービスです。自宅からセラピーを受けるだけでなく、リハビリの指導を受けることもできます。

ネットを介してセラピーを行う新しいリハビリ

動画プログラムは、利用者が動画を見るだけの一方向性しかありません。しかしこのサービスはセラピストとやり取りを行うことが可能なため、コミュニケーションによるリハビリ効果も期待できます。

まずは、セラピスト側が利用者に合わせた目標を設定し、立てた目標に応じた動画プログラムを選定・送信します。

利用者は動画を見ながらリハビリを行いますが、その際の様子はアプリが動画撮影を行い、セラピストに送信します。これによって、正しい動作をセラピスト自身が確認できるのです。

設備を整えればいつでもサポート可能に

動画を見るだけのプログラムでは、1人暮らしの利用者の場合第三者による動きの確認もできません。しかし、この遠隔リハビリサービスの場合は正しい動きをできているか確認してもらうことが可能です。

セラピストが設定した動画だけでは動きがわからなくても、直接テレビ電話機能で聞くことができます。双方向性のあるコミュニケーションにより、効率的なリハビリが可能なのです。

Wi-Fi環境やタブレットなどの設備を整えさえすれば、いつでもリハビリのサポートが可能になります。

将来的には包括的なサポートも

現状、サービス自体は動画プログラムを中心としたリハビリ指導が主ですが、将来的には包括的なサポートが可能になるように開発を進めていくとのことです。

現在はリハビリの動画指導が主ですが、特定の疾患を対象とした栄養サポートや介助者の介助指導プランなど、様々なプログラムも可能になるかもしれません。

訪問リハビリを受けることが難しくても、環境さえサポートできれば自宅にいながらしてリハビリが可能になります。今後、在宅リハビリの分野はさらなる発展を遂げていくことでしょう。

リモートリハビリ・在宅リハビリに関するFAQ

画像

Q1. リモートリハビリは、訪問リハビリと比べて効果に違いはありますか?

A1. リモートリハビリは、直接的な接触がないため、細かな動作介助や徒手的な治療はできません。しかし、専門家が監修・指導するプログラム(動画やオンライン指導)により、自宅で安全かつ効果的な自主訓練を継続できるメリットがあります。特に継続性や利便性において優れており、ADLの低下を防ぐ上で重要な役割を果たします。訪問リハビリと組み合わせて利用することで、相乗効果も期待できます。

Q2. オンライン遠隔リハビリサービスを利用する上で、どのような設備が必要ですか?

A2. 主にインターネット環境(Wi-Fi推奨)と、PC、スマートフォン、またはタブレットが必要です。動画プログラムの閲覧だけでなく、セラピストとのテレビ電話でのやり取りや、自分のリハビリ中の動作を動画で撮影・送信する機能を利用するためです。詳しい動作環境は、利用を検討しているサービス提供事業者にご確認ください。

Q3. リモートリハビリは、介護保険や医療保険の適用対象になりますか?

A3. 現在、ここで解説されているような「在宅運動プログラム」や「オンライン遠隔リハビリサービス」の多くは、保険外の自費サービスとして提供されています。介護保険や医療保険の適用となる訪問リハビリとは制度上の位置づけが異なります。ただし、保険適用となる訪問リハビリの「指導」の一環として、一部リモートを活用するケースは存在します。

Q4. 在宅運動プログラムは、高齢者やPC操作が苦手な人でも利用できますか?

A4. 多くの在宅運動プログラムは、家族や介助者のサポートを前提としており、動画で視覚的にわかりやすいように作られています。PCやタブレットの基本操作(動画の再生や一時停止など)ができれば利用可能です。また、介助者が一緒に動画を見ながらサポートすることで、運動の正確性や安全性を高めることができます。

Q5. 遠隔リハビリは、訪問リハビリの人手不足解消に繋がるのでしょうか?

A5. 遠隔リハビリが普及することで、軽度な利用者や自主訓練が中心の利用者に対して、セラピストが対面せずに指導・サポートできる範囲が広がります。これにより、セラピストの時間的・地理的な負担が軽減され、本当に集中的な対面ケアが必要な利用者へ、訪問リハビリの資源を集中させることが可能になるため、人手不足解消の一助となることが期待されています。

まとめ:リモートリハビリが拓く在宅ケアの未来と課題

画像

コロナ禍という困難な状況は、リハビリテーションの現場にも大きな影を落としました。通所施設の休業や閉鎖が相次ぎ、リハビリを受けたくても受けられない利用者様のADL(日常生活動作)が低下してしまうという、非常に心苦しい問題も発生しています。

しかし、こうした逆境の中でこそ、新しい道は開けます。自宅で質の高い訓練を続けられるリモートリハビリの登場です。専門家による個別プログラムや、双方向のリモート指導は、感染リスクを気にせずADLの維持・向上を目指せる心強い選択肢となりました。

今後は、リハビリ指導だけでなく、栄養サポートやご家族への介助指導までカバーする、もっと包括的なサービスへと進化していくはずです。これは、訪問リハビリの現場が抱える人手不足の解消にも繋がるかもしれません。在宅リハビリの未来は、間違いなく明るいと言えるでしょう。

  • facebookでシェア
  • Xでシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご相談・お問い合わせ

初めてでも大丈夫です。
改善の一歩は無料体験から始まります。

お電話はこちらから

03-6869-0323

[受付時間]9:00~18:00(土日祝を除く)

×

体験プログラム 0

改善の一歩は無料体験から始まります

×

受付中

あなたの症状、お悩みをお聞かせください

[受付時間]平日9:00~18:00