NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳梗塞になると長生きはできないの?リハビリ・生活習慣に対する必要な3つの意識

脳梗塞になると長生きはできないの?リハビリ・生活習慣に対する必要な3つの意識

脳梗塞になると長生きはできないの?リハビリ・生活習慣に対する必要な3つの意識

脳梗塞になると、障害は回復するのか、長生きはできないのかなど、予後が気になる方が多いでしょう。不安や焦りなどの感情を抱えたままだと、日常生活でストレスになったり、リハビリに前向きに取り組めなくなったりします。

この記事では、脳梗塞になると、長生きができないのか、データを元にご紹介します。日常生活で意識するべきことを知って取り組むと、脳梗塞は長生きができない病気ではありません。

退院後にできる対策を知って、脳梗塞を発症しても、生活の質を維持・向上しながら長生きをする方法を実践しましょう。

脳梗塞とは?長生きができないと言われる理由や原因について

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脳梗塞は年齢とともに発症率が高く、特に60〜70歳代の方の発症が多いです。最近では、年齢を重ねても仕事を続ける方や趣味を楽しむ方が増えているので、脳梗塞を発症したら、長生きができないのかどうかを心配する方もいらっしゃるでしょう。不安を軽減するために、まずは脳梗塞についての基礎知識をご紹介します。

脳梗塞とはそもそもどんな病気?

脳梗塞とは、脳の血管が詰まる病気です。血管が詰まって、血流が流れない部分が障害されます。障害を受けた部位により、次のような症状がみられます。

  • 体の麻痺
  • 感覚障害
  • 高次脳機能障害
  • 言語や飲み込みの障害

症状は障害部位や範囲、血流が滞っていた時間により異なります。一般的には、脳梗塞発症からすぐに症状の回復がみられる場合は、その後の回復過程も良好です。

なぜ脳梗塞後は長生きができないと言われる?

血栓や動脈硬化が、脳梗塞の根本の原因である場合が多いです。これらの原因が解消されていない場合は、脳梗塞が再発するリスクがあり、脳梗塞後は長生きができないといわれています。

また、合併症のリスクがあります。食べ物を飲み込む機能が麻痺している場合、食事がうまくできなかったり、誤嚥のリスクが高まったりします。高齢者の誤嚥は肺炎につながりやすく、死亡原因となるのです。

脳梗塞は死亡率が高い病気?

脳梗塞の死亡率は、全体の患者さんの15%前後です。高齢になるに従い、死亡率はやや高くなります。日本人の死因は、1位ががん、2位が心疾患、3位が老衰となっているため、脳梗塞が原因で死亡するのは少ないといえるでしょう。

MRIや手術方法など、医療の発達に伴い、早期診断・治療が可能になっており、脳梗塞が直接の原因で死亡する患者さんは減っています。

参考:令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況

発症後の平均生存率|脳梗塞を発症した年齢が生存率に影響する?

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脳梗塞を発症した後の死亡率は高くありませんが、発症年齢によって生存率が変わります。今後、どう生きていくかを考えるにあたり、どのくらい生きられるかを年齢や後遺症程度別に知っておくと、次への行動がしやすくなるでしょう。

脳梗塞発症後の平均生存率について

脳梗塞直後に死亡する方は、前述のとおり、15%程度です。しかし、合併症や全身状態により、5年後に生存しているかを表す、5年平均生存率は年齢によって異なります。

  • 65歳未満…86.3%
  • 75歳以上…46.1%

発症年齢の影響や変化はあるのか?

脳の血管は年齢とともに脆くなり、体力も低下します。そのため、再発するかどうか、障害から回復するかどうかは、年齢によって異なるのです。年代別の平均余命は、次の通りです。

【50代で脳梗塞を発症した場合】

  • 重度の障害で寝たきりの場合…9年
  • 軽度の障害で自分の身の回りの動作はできる…22〜25年

【60代で脳梗塞を発症した場合】

  • 重度の障害で寝たきりの場合…7年
  • 軽度の障害で自分の身の回りの動作はできる…15年

【70代で脳梗塞を発症した場合】

  • 重度の障害で寝たきりの場合…5年
  • 軽度の障害で自分の身の回りの動作はできる…11年

【80代で脳梗塞を発症した場合】

  • 重度の障害で寝たきりの場合…3年
  • 軽度の障害で自分の身の回りの動作はできる…6年

どの年代でも、脳梗塞を発症した方は、そうではない方に比べて平均余命が短くなるといわれています。

【3つの意識】脳梗塞は長生きができない病気ではない!退院後が重要

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脳梗塞が直接の死因とはならなくても、発症後は合併症や障害に対して取り組んだり、生活習慣を見直して根本の原因を解決するのが大切です。脳梗塞を発症しても長生きができないわけではないため、退院後に適切な対策をしましょう。次の3つを意識すると、身体機能を維持・向上をして、長生きできる可能性が高まります。

①後遺症と向き合い継続的なリハビリを

脳梗塞後は、障害の程度により、体の麻痺・高次脳機能障害・飲み込み障害などが起こります。これらの後遺症は、リハビリを行うと発症から何年経っていても回復する可能性があるのです。

入院中はリハビリを積極的に活用し、退院後も自宅でできるリハビリ・運動を続けましょう。退院後にご自分でリハビリの継続が難しい場合は、次のような方法を利用できます。

  • 介護保険を利用してリハビリを受ける
  • 地域のサークルや当事者の会に参加する
  • 自費リハビリで専門スタッフの指導を受ける

②生活習慣を見直し再発リスクを下げる

脳梗塞の根本原因は、生活習慣から引き起こされる場合が多いです。脳梗塞の再発リスクを下げ、長生きができない状態から脱するために、次のような方法で生活習慣を改善しましょう。

  • 塩分を控えた食事をする
  • 野菜や果物を積極的に摂取する
  • 1日20分程度の運動を週に2〜3回に行う
  • ストレスを貯めずに、趣味活動などでリフレッシュする
  • タバコを控える

③定期的な診断と家族・周囲のサポートをしっかり受ける

脳梗塞後は、定期的に医療機関を受診しましょう。脳梗塞の再発のリスクを事前に発見できるほか、違う病気を未然に防げるかもしれません。

また、リハビリの状況や手伝って欲しい動作は、ご家族と共有するのが大切です。「迷惑をかけたくない」と抱え込む方が多いですが、ストレスを貯めないようにすると生活の質を維持できます。

ご家族のほか、地域の保健師や地域包括医療センターにも日常生活の悩みや今後のことを相談すると、現在使える制度や別の対策方法が見つかるでしょう。

まとめ|脳梗塞は長生きできないの?

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今回は、「脳梗塞(のうこうそく)になると長生きできないのか?」という疑問について、わかりやすく解説しました。

脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血液が流れなくなる病気です。その結果、脳の一部がダメージを受け、体の動きや言葉に影響が出ることがあります。でも、だからといって長生きできない病気ではないことがデータからわかっています。多くの人が治療やリハビリを受けて、元気に生活を続けています。

大切なのは、退院した後にどんな対策を知っていて、それを実際に行えているかです。例えば、食事に気をつけたり、適度な運動をしたり、薬をきちんと飲んだりすることで、健康を保つことができます。

脳梗塞を経験しても、生活の質(QOL)を維持・向上させながら長生きする方法を実践しましょう。そのためには、日々の生活でできることをコツコツと続けることが大切です。

また、退院後は定期的な診察や検査を受けることも必要です。体の変化に早く気づくことで、さらに健康的な生活を送ることができます。困ったときは、病院や地域の頼れる機関に相談して、一人で悩まずにサポートを受けましょう。

脳梗塞になったからといって、長生きできないわけではありません。正しい知識と行動で、これからも元気に過ごしていきましょう。

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