高齢者が筋肉をつけると健康寿命が伸びる!?具体的な方法と続けるコツ
2024.11.25
「健康のために運動をしましょう」といわれる高齢の方は多いのではないでしょうか。しかし、体調が安定しなかったり、具体的に何をすれば良いのか悩んだりする方も多いです。運動には、有酸素運動・筋力トレーニング・ストレッチなどさまざまな方法があります。
この記事では、高齢者が筋肉をつける最適な方法をご紹介します。運動習慣がない方や、運動を億劫に思う方でも取り組める方法を解説するので、健康に過ごすために取り組んでみましょう。
高齢者の場合は、ゆっくりと長く続けるのが大切です。継続するコツや運動の負荷・頻度もご説明します。
目次
なぜ高齢者が筋肉をつける必要があるのか?運動以外の方法も
筋肉をつけるというと、若い方が行うイメージが強い方もいらっしゃるでしょう。しかし、高齢者が筋肉をつけると健康で長生きできる可能性が高まるのです。高齢者が筋肉をつける必要性や運動以外に心がけられる方法をご紹介します。
生活の質を高められる
高齢になると、活動量の減少とともに、筋肉量が減ります。さらに、病気や怪我などをすると日常生活の中での運動量も減ってしまうのです。筋肉量の低下は、基礎代謝を下げるため、食欲がなくなって低栄養となるかもしれません。
また、特に脚の筋肉量が減ると転倒のリスクが高まります。転倒により、骨折などの怪我をすると、さらに活動量が減ったり、最悪の場合は寝たきりになってしまう可能性もあるのです。
高齢者が筋肉をつける適切な方法を知ると、生活の質を高めて健康寿命を伸ばせる可能性が高まります。
病気の予防になる
高齢者は次のような病気のリスクが高まります。
- 脳卒中や脳梗塞
- 認知症
- 糖尿病
- 心臓や循環器系の病気
- 感染症
高齢者が筋肉をつけると、血流がよくなって、内臓の働きが活発化します。食欲が維持・向上できるため、免疫力が上がり、病気が予防できるのです。さらに、心肺機能が向上し、身体活動量が上がります。これにより、生活習慣病の予防ができます。運動を行うのは認知症予防にも効果があるといわれており、筋力をつけるために体を動かすのは重要といえるでしょう。
運動と併せて食事が大事
筋力をつけるというと、運動を思い浮かべる方が多いです。しかし、高齢者が筋肉をつけるためには、食事も大切です。肉類や大豆などのタンパク質を摂取するように心がけましょう。
タンパク質をたくさん食べられない方は、プロテインを飲むのもオススメです。最近のプロテインは、タンパク質のほか、栄養素が豊富に入っている商品もあるので、栄養補給にも良いでしょう。
参考:特定非営利活動法人日本介護予防協会「高齢者にぴったりの運動やレクリエーション」
高齢者が筋肉をつける具体的な方法と安全に行うための注意点
高齢者が筋肉をつけるには、適切な運動内容と頻度で行うのが大切です。運動が久しぶりの方や苦手な方でも、取り組める運動をご紹介するので、できることから始めてみましょう。しかし、運動のしすぎには注意が必要です。オススメの頻度や負荷について、正しい知識を知っておきましょう。
日常生活の中でできる運動
まずは、日常生活の中でできる家事などを積極的に行いましょう。家事は運動ではないと思われがちですが、立って行う動作が多いので、とてもゆっくりな歩行と同じくらいの運動量があります。
日常生活で動くことに慣れてきたら、次のような運動を取り入れてみましょう。
- ウォーキング、散歩
- ラジオ体操
- ストレッチ
最初は自重を使った筋トレがオススメ
運動に取り組み始めの頃は、道具などは必要ありません。人間の体には重力がかかっており、それに抵抗するだけでも筋力トレーニングとなるのです。
- かかと上げ
…足を肩幅くらいに開いて立ちます。膝を伸ばした状態で、背伸びをするように踵を上げ下げしましょう。ゆっくりと行うと、トレーニング効果が高まります。壁に手をつけて行うと安全です。
- 座った状態で太ももあげ
…椅子の背もたれにもたれかからずに座ります。お腹に力を入れ、片方の太ももを上げてみましょう。最初はあまり持ち上げなくても大丈夫です。徐々に座面から太ももが離れるように取り組みます。
- 過負荷に注意
年齢により疲れやすくなっている方が多いため、過度な運動は避けましょう。運動をしていた方もしていない方も、プラス10分ほど体を動かせれば十分です。過度な運動は、怪我を招いたり、疲労しすぎて続けられなくなったりする原因となります。
高齢者が筋力をつけるには、どのような方法であっても、「非常に軽い〜やや重い」程度の負荷にしましょう。
高齢者が筋肉をつけるには継続が重要!続ける3つの方法とは
高齢者が筋肉をつけるには、方法も大事ですが、続けることで効果がでます。年齢を重ねると、筋力トレーニングや運動による即時的な効果が出にくいからです。筋力をつけて健康寿命が伸ばせるように、ご自宅でのセルフトレーニングを続けられる3つの方法をご紹介します。
週に2〜3回を目標にする
筋力トレーニングを行うと、筋肉はダメージを受けます。トレーニング後に回復する過程で、筋肉が修復・強化されるのです。そのため、間隔を開けながら週に2〜3日で筋トレを行うのが理想的といわれています。
毎日行うと決めると精神的にも辛くなってしまい、継続できなくなるかもしれません。まずはご自身の無理のない範囲で、始めてみましょう。
サークルに参加する
地域の高齢者サークルや健康講座などに参加するのも、運動を長く続けるきっかけになります。行き帰りが億劫かもしれませんが、移動も体を動かす機会となります。講師や他の参加者と一緒に行うと、モチベーションを維持したり、コミュニケーションをとる機会にもなるでしょう。
専門家と一緒に行う
高齢者が筋肉をつけるトレーニングを始めても、方法や頻度が自分に合っているか心配になる方もいらっしゃいます。その場合は、専門家に相談しながら運動をするのがオススメです。
パーソナルジムに通ったり自費リハビリを利用したりして、マンツーマンのトレーニングを行う方法もあります。最近ではオンラインでトレーニングを相談できるサービスを行っている事業所もあるので、家から出ずに専門家のアドバイスを受けたい方は、利用してみましょう。
まとめ|高齢者が筋肉をつける方法
高齢者の方が筋肉をつける方法はたくさんあります。たとえば、ウォーキングや簡単な体操、軽い筋力トレーニングなどです。筋肉をつけると、さまざまなメリットがあります。
- 生活の質を高められる:筋肉が増えると、日常の動作が楽になり、自分でできることが増えます。たとえば、階段の上り下りがスムーズになったり、買い物袋を持つのが楽になったりします。
- 病気の予防になる:筋肉をつけることで、体のバランスが良くなり、転びにくくなります。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を防ぐ効果もあります。
年をとると、病気になったり、怪我をしやすくなったりします。だから、筋肉をつけることはとても重要です。
でも、無理をすると怪我につながることもあります。最初は週に2回から3回くらいのペースで始めてみましょう。また、運動のやり方がわからないときは、トレーナーや医師などの専門家のサポートを受けると安心です。
筋肉をつけることで、元気に毎日を過ごすことができます。無理のない範囲で、楽しく運動を始めてみてはいかがでしょうか。