NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 内反尖足の原因を深堀!日常生活動作に与える悪影響と適切な対処方法を

内反尖足の原因を深堀!日常生活動作に与える悪影響と適切な対処方法を

内反尖足の原因を深堀!日常生活動作に与える悪影響と適切な対処方法を

脳卒中や脳性麻痺などで脳にダメージを負うと、内反尖足の症状が出現します。脳にダメージが加わると、弛緩性麻痺や痙性麻痺といった後遺症が残ってしまいます。

内反尖足は足の筋肉に痙性麻痺の症状が強く表れている状態で、対処しなければ日常生活にさまざまな悪影響を与えることでしょう。

内反尖足を悪化させる原因から具体的なリハビリ方法まで深掘りして解説します。

正しい知識が重要!内反尖足の原因と痙性を悪化させる身体状況

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内反尖足の対処法を知る前に、痙性麻痺が悪化する原因を知る必要があります。原因を理解せずに、装具やリハビリを行っても思うような効果を得ることはできません。内反尖足に対する正しい知識を学んでいきましょう。

脳卒中による痙性麻痺

脳卒中などが原因で脳にダメージが加わると痙性麻痺という症状が表れます。痙性麻痺とは、手足に異常な力が入り、自分の意志で力を抜くことができない状態です。

私たちは動作に必要な分だけ力を入れたり、力を抜くことができますが、脳にダメージを負うと筋肉に正しい信号を送ることができなくなります。痙性麻痺を改善するのは難しいため、リハビリなどを通して上手に付き合う方法を見つけていきます。

不安定な姿勢による筋緊張の増悪

不安定な姿勢は痙性麻痺を悪化させます。私たちも不安定な場所に立てば余計な力が入りますよね?足に余計な力が入ってしまうと内反尖足の状態も悪化してしまいます。例えば、不安定な姿勢とは以下のような状況です。

<痙性麻痺を悪化させる要因>

  • 麻痺の影響で座位姿勢が安定しない
  • 安定した姿勢で立位が保てない
  • 思うように動けず、精神的な不安が大きい

不安定な姿勢は、精神的な不安も大きくするため、内反尖足を悪化させてしまいます。リハビリや環境設定で余計な力が入らない状態を作る事が重要と言えるでしょう。

感覚障害による痙性の悪化

脳にダメージを負うとさまざまな感覚が障害されます。感覚障害も内反尖足を悪化させることを覚えておきましょう。

<感覚障害と内反尖足の関係>

  • 足が地面に着いてる感覚が鈍く、姿勢が安定しない
  • 身体の位置関係(関節位置覚)が分からないので、姿勢が崩れる

表在感覚や深部感覚(関節の位置感覚)が障害されると姿勢が安定しないので、内反尖足を悪化させます。感覚障害を代償する方法を確立し、本人の不安を取り除くと筋緊張が緩和されるでしょう。

内反尖足の放置は危険⁉QOLの低下を防ぐ必要性と対処法

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内反尖足が改善しないからと言って放置するのは危険です。内反尖足を放置すれば歩行困難となったり、認知症を発症する危険もあります。内反尖足とQOL低下の関係性を解説します。

歩行困難と歩行効率低下

内反尖足の状態では、歩くのが不安定となり、歩く効率も悪くなります。私たちの身体は最小限のエネルギーで、効率よく歩ける仕組みになっています。内反尖足が歩行に与える影響は以下の通りです。

<内反尖足が歩行に与える影響>

  • 体重支持が上手くいかず、不安定になる
  • 地面につま先があたるため、ぶん回し歩行になる

内反尖足を呈した状態で歩くのは余計なエネルギーを必要とするため長く歩くのが困難となるのです。

つまづきによる転倒リスクの増悪

内反尖足に対処しなければつまずいて転倒する危険が高くなります。私たちが歩くときは、意識しなくても地面につま先が当たらないようになっていますが、内反尖足の状態では、足元への意識が常に必要です。

疲れてくれば注意も届かなくなり、つまずいて転ぶ危険が高くなるため、怪我予防のために早めに対処しましょう。

歩行障害から引きこもり傾向になる

「歩きづらい」、「歩くとすぐに疲れてしまう」このような状態では、外出頻度も減ってしまい、引きこもり傾向になります。引きこもりがちになると、身体や認知面にさまざまな影響を及ぼします。

<引きこもりが身体、精神に与える影響>

  • 身体機能が低下し、介助量が増える
  • 人と接する機会が減り、認知機能が低下する
  • うつ傾向になるなど心理面が悪化する

生活の質を高めるためにも積極的な外出が必要になります。内反尖足にしっかり対処して、歩きやすい環境を作りましょう。

内反尖足の原因を評価しリハビリを行おう!補助具や痙性の治療も

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内反尖足は完治する病態ではないので、症状を軽くしたり、装具での矯正が必要です。内反尖足を改善して、安定した歩行を獲得するためには、原因を理解し適切な対処を施しましょう。内反尖足に対する具体的な対処方法を解説します。

リハビリ安定した歩行を獲得する

内反尖足を強める原因として、姿勢が安定しないこと、精神的に不安を抱えていることが挙げられます。座位や立位、歩行が安定すれば安全に動ける自信が付いてくるので身体機能に対するアプローチが重要です。

<姿勢を安定させるリハビリ>

  • 正しい座位、立位姿勢の獲得
  • 座位、立位での重心移動練習
  • バランスボール、バランスマットでのバランス練習
  • 体幹トレーニング

安定した歩行を獲得するためには、安定した座位姿勢や立位姿勢を作る必要があります。姿勢を改善させた後に、重心移動の幅を広げたり、道具を使ったバランス練習を行いましょう。

装具や歩行補助具を使用する

立位姿勢を安定させるために、内反尖足を矯正する短下肢装具や、杖を使用しましょう。臨床では装具と杖を併用して、自立歩行している方が多く、それぞれの役割を紹介します。

<装具と杖の役割>

  • 短下肢装具:内反尖足の矯正。安定した歩行の獲得。自然な歩行に近づける補助機能
  • 杖:支持基底面を広げ、姿勢を安定させる。杖からの情報を頼りに感覚障害を代償する

脳卒中では内反尖足に加えて、半身麻痺の後遺症が伴います。装具と杖を利用することで、障害された能力を代償し、安定した歩行が可能になります。

ボトックス注射で筋緊張を緩和する

痙性麻痺を改善する方法の1つにボトックス注射と呼ばれる治療があります。ボトックス注射とは、ボツリヌストキシンという薬を固まった筋肉に注射し緊張を和らげる目的があります。ボトックス注射によって得られる効果は以下の通りです。

<ボトックス注射の効果>

  • リハビリテーションの効果を高める
  • 日常生活が楽になる
  • 関節拘縮を予防する
  • 介護の負担が軽くなる

筋肉の緊張が高い状態では、十分なパフォーマンスが発揮できません。ボツリヌストキシンを使って、痙性麻痺を緩和し、日常生活が楽に過ごせるようにサポートします。

まとめ|内反尖足は何が原因?完治は可能?

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脳卒中などで脳にダメージを受けると、足のつま先が内側を向いて下がってしまう内反尖足という症状が現れることがあります。これは、痙性麻痺による筋肉の異常な緊張が原因で起こり、放っておくと足がうまく地面をとらえられずに転びやすくなったり、生活の質(QOL)が低下するおそれがあります。

内反尖足は、残念ながら完全に治すことが難しい症状です。そのため、症状と上手に付き合いながら、なるべく足を安定させて動かせるように工夫することが大切になります。たとえば、筋肉の緊張を高めないようにするために、リハビリで身体機能を向上させたり、足首や足を支える装具を使ったり、杖を利用して歩行を安定させる方法があります。

さらに、リハビリの効果を高める方法の一つとして、ボツリヌストキシンという薬を足の筋肉に注射し、筋肉の過度な緊張をやわらげる治療もあります。もし内反尖足をそのまま放置してしまうと、足の変形や痛みなど、さまざまな合併症を引き起こすおそれがあるので注意してください。

重要なのは、医師やリハビリの専門家に相談しながら、内反尖足の改善に取り組むことです。自分に合った方法を続けることで、より安全で快適な生活につなげることができます。

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