NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム ギランバレー症候群の基礎知識 |後遺症の可能性とリハビリの注意点を解説

ギランバレー症候群の基礎知識 |後遺症の可能性とリハビリの注意点を解説

ギランバレー症候群の基礎知識 |後遺症の可能性とリハビリの注意点を解説

ギランバレー症候群はあまり聞きなれない病気なので「どのような病気か」「後遺症はあるのか」「リハビリは必要なのか」と不安になってしまいます。

ギランバレー症候群は末梢神経の障害によって、急に手足のしびれを感じたり、力が入らなくなる病気です。ギランバレー症候群はほとんどの場合回復しますが、重症化した場合は後遺症が残りリハビリが必要になったり、死亡したりすることもあります。

今回はギランバレー症候群の症状や原因、また後遺症になった場合のリハビリの注意点についても解説します。

ギランバレー症候群って?後遺症が残る確率は?リハビリは必要?

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ギランバレー症候群の日本国内の発症率は年間10万人に1人~2人なので、さほど情報も多くなくどのような病気かわからない人も多いのではないでしょうか?

ここではギランバレー症候群の概要についてお伝えします。

ギランバレー症候群の原因

ギランバレー症候群はウイルスや細菌が原因の感染症が引き金となり、免疫機構が活発になり、自分自身の末梢神経を攻撃してしまうことで発症します。

小児から高齢者まで誰でも発症する可能性があり、ギランバレー症候群が発症する前、約1か月以内に風邪や下痢などの感染症症状がみられるのが特徴です。一般的に症状は1~2週間かけて発症し、4週間以内にピークに達して、その後回復して元の状態に戻っていきます。

ギランバレー症候群の症状

ギランバレー症候群の症状は数日にわたって悪化する特徴があります。

<主な症状>

・手足の力が入らない

・手足の感覚異常、痛み

・顔の筋肉の麻痺

・目を動かす筋肉の麻痺

・発声や飲み込みの筋肉の麻痺

さらに重症化した場合は呼吸に関する筋肉の麻痺や自律神経の障害により不整脈や発汗異常、排尿障害などが起こることもあります。

ギランバレー症候群の治療やリハビリ

ギランバレー症候群の治療には免疫を調整するために以下の2つが行われます。

・免疫グロブリン大量療法:免疫グロブリンという血液製剤を5日間連続で点滴する

・血液浄化療法:血液中の病気に関する物質を取り除き、体内に戻す治療

症状のピーク時には人工呼吸器が必要となる場合もあり、感染や血栓症などについても予防や対応を行います。また、ピークを過ぎたあとは手足を中心とした弱った筋肉に対するリハビリを行うことも重要です。

参考:慶應義塾大学病院医療健康情報サイト・ギラン・バレー症候群

ギランバレー症候群は後遺症が起こることも…再発の可能性は?

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ギランバレー症候群は症状の進行が落ち着いたあとは、良好な経過をたどることが多いです。しかし、重症化し後遺症が残ることも少なくありません。

ここではギランバレー症候群の後遺症やリハビリ、再発についてみていきましょう。

主な後遺症は運動機能に残る

ギランバレー症候群は運動機能に後遺症を残すことが多いので、リハビリによる機能回復の改善を行います。重症化するほど回復スピードも遅くなるので、長期的なリハビリを行うことが必要です。

ギランバレー症候群のリハビリは、症状の重症度や回復に合わせて実施します。筋力回復を目指す理学療法や、発声や食べ物を飲み込む訓練など症状によってリハビリ内容は一人ひとり異なります。

また、麻痺が進行している急性期にリハビリを行うことで、合併症を予防することも重要です。

後遺症が残りやすいケース

ギランバレー症候群の予後は回復するケースが多いですが、発症から1年たっても、約2割の人が歩行補助が必要な後遺症が残る場合があります。

ギランバレー症候群の後遺症が残りやすいケースとして、以下の理由があげられます。

・発症のピーク時に手足の麻痺た筋力低下が重症である

・発症年齢が50歳以上

・カンピロバクター菌感染後の発症

また、発症から症状が急激に悪化した場合、特に呼吸筋の麻痺により人工呼吸器が必要になると、予後の回復が良くないという報告もあります。

参考:日本神経学会「ギランバレー症候群ガイドライン」

参考:東京顕微鏡院「カンピロバクター食中毒の実態とギランバレー症候群」

完治や再発の可能性は?

ギランバレー症候群は一度治癒すると薬の服用もなく、元通りの生活を送る人が多いです。重症化しても約8割の人が6~12カ月で完全に回復します。筋力が低下したり、手足のしびれなどの後遺症が残る場合もありますが、日常生活に影響を及ぼさないケースが大半です。

再発率は2~5%、死亡率も2~3%とさほど高くありません。死亡理由は不整脈が最も多く、ギランバレー症候群により自律神経が障害されることにより起こります。

【ギランバレー症候群】後遺症になったら長期的なリハビリを

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ギランバレー症候群はほとんどの場合は回復しますが、後遺症がある場合にはリハビリが必要になります。予後を含めて患者さん一人一人の状況を把握し、病気の進行や回復の程度に合わせたリハビリが重要です。

リハビリのやりすぎも危険

ギランバレー症候群で筋力低下などの後遺症がみられる場合はリハビリが不可欠です。しかし、筋力増強訓練をやりすぎると逆に筋力が落ちてしまう現象も報告されています。

これはギランバレー症候群のような末梢神経障害に見られる現象で、変性した神経線維の支配していた筋線維に向かった他の神経線維が枝をだします。そのため普通の状態でも枝を出している神経がさらに多くの枝をだし、働きすぎの状態になります。

このような神経になると、大した運動でなくても過度の負荷となり神経障害が進んでしまうのです。

専門家のもとで正しいリハビリを

ギランバレー症候群は軽症であっても、一時的に就労や家事、育児などが困難になり社会的制限が生じる場合もあります。患者さんの症状はもちろんのこと、生活環境や就労状況など幅広い視点でリハビリを進めていくことが重要です。

また、リハビリのやりすぎによる過用性筋力低下にならないためにも、理学療法士など専門家のもとで正しくリハビリを行いましょう。

まとめ|ギランバレー症候群の後遺症とそのリハビリについて

ギランバレー症候群は、多くの場合、6ヶ月から1年ほどで回復する病気です。しかし、後遺症が残り、リハビリが必要になることも少なくありません。

ギランバレー症候群の後遺症では、筋力低下などの運動機能障害が残るケースが多くみられます。そのため、機能回復を目的としたリハビリが行われます。ただし、症状の現れ方や回復の過程には個人差があるため、それぞれの患者さんに合わせたリハビリプログラムを組む必要があります。

ギランバレー症候群は、あまり知名度の高い病気ではありませんが、誰にでも発症する可能性があります。この病気の症状や後遺症、そしてリハビリについて正しく理解しておくことが重要です。

ポイントをまとめると、

・ギランバレー症候群は通常6ヶ月から1年で回復するが、後遺症が残ることもある
・後遺症では運動機能障害が多く、機能回復のためのリハビリが必要
・症状や回復経過には個人差があり、患者さんごとに適したリハビリプログラムが必要
・ギランバレー症候群は誰でも発症する可能性があり、正しい知識を持つことが大切

ギランバレー症候群について理解を深め、適切なリハビリを行うことで、後遺症を最小限に抑え、スムーズな回復につなげましょう。

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