NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脊髄梗塞の予後や治るのかが心配…実際の症例からリハビリの効果を解説

脊髄梗塞の予後や治るのかが心配…実際の症例からリハビリの効果を解説

脊髄梗塞の予後や治るのかが心配…実際の症例からリハビリの効果を解説

脊髄梗塞は、脊髄にある血管が詰まることが原因で起こります。近年、有名人が罹患したとのニュースもあり、脊髄梗塞になったら治るのかを心配する方が多いでしょう。

この記事では、脊髄梗塞は治るのかについて、予後や治療法と併せてご紹介します。また、脊髄梗塞の治療法としてリハビリが有効だと報告されています。リハビリの効果や治るのかどうかを症例報告も交えて知っていると、治療に向かう第一歩となるでしょう。

前向きに治療やリハビリに取り組めるよう、正しい知識を身につけておくのが大切です。

脊髄梗塞は治るのか…まずは予後や治療法の基礎知識を知ろう

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脊髄梗塞では、体が突然動かなくなるため、診断されたら治るのかを心配する方が多いです。病気や治療の経過・見通しを「予後」といいますが、脊髄梗塞になったらどのように回復するのでしょうか。治療法や後遺症と併せてご紹介します。

脊髄梗塞の予後

現在の医療では、脊髄梗塞を完全に治すのは難しいといわれています。脊髄梗塞の発症率は、人口10万人あたり約1人で、原因不明なケースが多く、明確な治療方針が定められていないからです。

脊髄梗塞の予後は、発生部位や範囲などの障害の程度によって異なるため、回復するかどうかは一概に判断できません。しかし、脊髄梗塞を発症してから早期に改善がみられる場合は、回復が早い傾向があるといわれています。

脊髄梗塞の治療法

脊髄梗塞には、以下の治療法があります。

  • 血栓溶解療法

…血栓を溶かす薬剤を使って、詰まっている部分の改善を行います。詰まっている部分が明確なケースで、発症後すぐに行われるのが一般的です。

  • 血行再建術

…詰まってる血管の部位が特定できた場合、血管を再開通させる手術方法です。

  • 支持療法

…明確な原因が特定できない場合や発症から時間が経っている患者さんに対して行われます。症状や日常生活の制限を緩和し、生活の質を改善するのが目的です。痛みを和らげたり、リハビリをしたりする方法があります。

脊髄梗塞の後遺症

脊髄梗塞を発症すると、次のような後遺症がみられる可能性が高いです。

  • 四肢の運動麻痺
  • 感覚障害
  • 膀胱直腸障害

運動麻痺や感覚障害により、日常生活のしにくさがみられる方が多いです。また、膀胱直腸障害により、排尿・排便に困難がみられるかもしれません。

脊髄梗塞は、明確な治療法がなく後遺症があると不安に思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、ある研究では脊髄梗塞が回復していくという報告があります。その研究では、脊髄梗塞を発症した全患者のうち80.9%が退院時に車椅子が必要だったようです。しかし、半年以内の調査では51%、半年以降の調査では35.2%と、車椅子使用者は減少しています。

脊髄梗塞の症状はリハビリで治るのか?実際の症例から効果を見る

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脊髄梗塞の原因に対する治療が終わったら、リハビリで症状や後遺症を緩和していくのが一般的な治療法です。理学療法によって機能が向上した例をご紹介します。脊髄梗塞が治るのか不安な方は、最近注目されている、再生医療とリハビリを組み合わせた例についても知っておきましょう。

理学療法により機能の向上があった症例

半年ほど理学療法を行った50歳代の男性の例です。発症後、座位は可能ですが、移乗動作や歩行はふらつきがある状態でした。残存能力を使いながら、筋力強化や歩行訓練を実施したところ、退院時は屋内平地での歩行が自立したようです。

予後を予測したうえで、発症早期から積極的な介入を行うと、身体機能・日常生活動作の向上が見込めることがわかります。

再生医療とリハビリを組み合わせた症例

再生医療とは、損傷した神経を修復する機能を持つ幹細胞を障害部位に投与する方法です。神経の再生・新生を促す効果が期待できます。脊髄梗塞においても、再生医療が適用される場合があり、残存している神経細胞と新しい神経細胞のネットワーク構築のためにリハビリが活用されます。

脳梗塞と脊髄梗塞を発症した50代男性に対し、約3ヶ月で幹細胞投与をした報告があります。この男性は約半年間、理学療法や作業療法を継続していました。その結果、身体機能や神経繊維の連続性が改善したとの報告があります。

この症例から、脊髄梗塞に対して再生医療に加えて、神経活動と身体運動をつなげるためにリハビリが効果的なことがわかります。

参考:脊髄梗塞により対麻痺を呈した症例~身体機能・ADL向上の可能性~

参考:J-STAGE「脳梗塞・脊髄梗塞を発症後、再生医療を実施し集中的リハビリテーションを実施した1症例」

脊髄梗塞の回復が遅くても治るのか?リハビリ効果や利用法を解説

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脊髄梗塞は発症直後から治療やリハビリを行うと回復していくことが症例からわかりました。しかし、脊髄梗塞の発症から時間が経ってしまった場合や回復が遅い場合は、治るのかと疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。リハビリの効果や継続する方法をご紹介します。

リハビリで神経再生が促される

神経細胞には、可塑性(かそせい)があります。障害された神経細胞は元に戻りませんが、神経は新しいルートが作られるため、体を動かして刺激を与えると機能が回復すると考えられているのです。

適切な負荷・頻度・内容でリハビリを行うと、神経再生が促されます。神経再生は、発症からすぐの方が早いといわれていますが、発症後時間が経っていても促されるので安心してください。

残存能力で日常生活動作を維持・向上できる

リハビリでは、神経再生だけでなく、残存能力の活用にも力を入れます。後遺症によりできない動作があるかもしれません。しかし、できる動作や今ある身体機能を利用して、日常生活を維持・向上させることが可能です。

残存能力を引き出す方法としては、筋力訓練などに加えて、住宅改修や補助具の活用も入ります。できる動作は、経過とともに変わってくるため、リハビリは継続的に行うのが大切です。

医療保険の限度に達した時の継続方法

脊髄梗塞発症後、医療保険でリハビリを行えるのは150日または180日までです。それ以降は、介護保険や自費リハビリを利用する必要があります。介護保険を利用する場合は、地域包括センターや自治体の福祉課に相談してみましょう。要介護認定を受ければ、介護保険を利用してリハビリが継続できます。

介護保険のリハビリだけでは回数が足りない場合や、要介護認定を受けられない方は自費リハビリを検討しましょう。保険適用外ですが、頻度・回数が自由なため、積極的な機能回復をしたい場合に利用される方法です。

まとめ|脊髄梗塞は治るのか…

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今回は「脊髄梗塞は治るのか」という疑問について、予後や治療法を詳しく解説しました。

脊髄梗塞は、脊髄への血流が途絶えることで起こり、さまざまな症状を引き起こします。その治療法として、リハビリがとても効果的であると報告されています。しかし、リハビリをどのくらい続ければ効果が出るのかや、実際に治るのかどうかといった点については、症例報告を通じて理解する機会はあまり多くありません。リハビリを受けている人にとっては、他の人がどのように回復しているのかを知ることでモチベーションが上がることもあります。

リハビリは、長く地道に続ける必要があり、その中で希望や目的を見つけて取り組むことが大切です。リハビリの途中で諦めず、自分の進捗を確認しながら前向きに取り組むためには、正しい情報を理解しておくことがとても重要です。

さらに、今回は医療保険の適用限度に達した場合の対処法についても説明しました。保険の枠を超えてもリハビリを続けたい場合には、「自費リハビリ」という選択肢があります。これは自己負担でリハビリを続ける方法で、費用がかかるものの、必要に応じて質の高いケアを受けられることがあります。自分の体と向き合い、自分に合ったリハビリ方法を見つけて、無理のない範囲で取り組んでいきましょう。

自分に合った選択をすることで、リハビリをより効果的なものにして、少しでも回復への希望を見出しましょう。

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