NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 〈右視床出血の後遺症〉効果的なリハビリや対処法とは?右視床出血と左視床出血の違いも解説

〈右視床出血の後遺症〉効果的なリハビリや対処法とは?右視床出血と左視床出血の違いも解説

〈右視床出血の後遺症〉効果的なリハビリや対処法とは?右視床出血と左視床出血の違いも解説

視床出血(ししょうしゅっけつ)は、脳出血全体の2〜3割程度を占めるとされており、その多くが高血圧を原因としています。

脳梗塞になると体の麻痺や高次脳機能障害など日常生活に大きな影響を与えます。特に脳梗塞の左麻痺の場合は、性格の変化がみられる患者さんもおり、ご本人やご家族が疲れ切ってしまう場合があるのです。

麻痺や性格の変化に対して適切な介入を行うと、ご本人の自尊心が向上したりご家族の負担が軽減したりする可能性があります。この記事では、脳梗塞で左麻痺になった場合に性格変化が起こる原因やリハビリ内容をご紹介します。

性格変化を受け入れられない場合の対処法を知って、ご本人も周囲の方も心地よく過ごしましょう。

脳梗塞で左麻痺になったら性格が変わる?原因やその他の症状とは

画像

脳梗塞で左麻痺になると動作がしにくくなり、悩んでしまうでしょう。加えて、性格が変わるとご自分だけでなく、周囲も困惑してしまいます。性格が悪くなったのではないかとご自分を責めてしまう前に、原因やその他にも起こりうる症状をおさえておきましょう。

右脳の損傷によって起こる

右脳は左側の運動や感覚を担うのに加えて、体や空間を認識する機能も備わっています。そのため、右脳が障害されると左側に麻痺が起こったりうまくものを避けられなかったりする可能性もでてくるのです。

右脳の障害ではほかにも半側空間無視・運動無視・遂行機能障害・せん妄の症状がみられる場合もあります。

左麻痺で起こる性格変容の症状

誰でも物事にイライラしたり、驚き・不安などの感情があります。しかし、大人になるとイライラや不安などを露わにするのは少なく、抑えている場合が多いです。これは右脳が感情をコントロールしているからです。脳に障害を受けた場合、感情が制御ができなくなり、次のような症状がみられる可能性があります。

  • 怒りっぽくなる
  • 興奮しやすくなる
  • 判断力が低下する

少しのきっかけでも怒りっぽくなったり興奮したりするので、子供っぽくなったと感じる人もいらっしゃいます。

障害受容が難しいのも原因の1つ

脳梗塞による左麻痺がある人に性格の変化があるのは、脳の障害によるものだけではありません。体が動かなくなったイライラを感じていたり、介護を受けている自分を責めてしまっているのが原因の場合があります。日常生活動作や仕事ができないと自尊心が低下するとも報告されています。

現状のイライラや今後の不安で性格が変わったように焦っていたり、少しのことでも怒りっぽくなっている可能性もあるのです。

脳梗塞による左麻痺や性格変化は治る?リハビリの方法を紹介

画像

脳梗塞による左麻痺にはリハビリが有効ですが、性格変化は治るのでしょうか。リハビリによってできることが増えるのは感情に良い影響を与えます。症状の回復は人により異なりますが、おおよその今後の見通しをおさえて、少しでも安心して過ごせるようにしましょう。

左半身の麻痺に対するリハビリ

できることを増やすために、左半身の動きにくさに対しての次のようなリハビリが必要です。

  • 筋力強化訓練

…身体は使わないと筋力が低下するため、日常生活動作に必要な筋力訓練が行われます。

  • 関節可動域訓練

…麻痺がある腕や脚は、関節が動かしにくくなる可能性が高いです。関節拘縮を予防する訓練が行われるでしょう。

  • バランストレーニング

…姿勢を保ったり、歩いたりするさいの転倒リスクを軽減するためのバランストレーニングが行われます。

  • 感覚トレーニング

…感覚の鈍さや感じにくさがある場合は運動麻痺の訓練と同時に感覚トレーニングが行われます。

発症6ヶ月までは動作と役割の再獲得を

脳梗塞による左麻痺と同時に性格変化がある場合、発症から6ヶ月までは動作と役割の再獲得が重要です。運動麻痺に対するリハビリや、日常生活動作に対する訓練を通して、できる動作を増やしていきます。

役割とは、夫・妻・父親・母親・上司・部下・友人など家庭や仕事、地域の中での患者さんの立場のことです。

脳梗塞によって左麻痺や性格の変化があると役割が失われやすいといわれています。患者さんが価値を置いている役割を再獲得できるように、次のようなリハビリが実施されるでしょう。

  • 職業リハビリ

…職場に復帰するために必要な身体の機能や動作を再獲得するのが目的です。

  • コミュニケーション訓練

…性格変化があっても、円滑な人間関係が保てるよう対人スキルトレーニングや代替コミュニケーションの獲得訓練が行われます。

発症6ヶ月以降は情緒的なサポートも行う

脳梗塞の発症から6ヶ月が経過した場合、情緒的なサポートも必要です。自分を高く評価してくれる人がいると、自尊心が高まるとの報告があります。

脳梗塞発症後の回復過程や後遺症、以前との変化を患者さんとその家族が受け入れられるようにするのが大切です。そのために学習会などで知識を得たり、カウンセリングなどを勧められるかもしれません。

参考:脳梗塞患者における発症後の自尊感情の経時的変化と関連要因

脳梗塞の左麻痺や性格変化を受け入れられない…3つの対処法

画像

ご自身やご家族が脳梗塞により左麻痺になったり、性格が変化してしまうとどうしても受け入れられない場合があるでしょう。突然の変化なので、受け入れられない感情は多くの方が体験します。左麻痺や性格変化とうまく付き合っていく3つの対策法をみていきましょう。

①体の麻痺はリハビリを継続する

麻痺の回復は、発症から何年経ってもリハビリで改善可能です。できる動作や社会的活動を増やすためにも、麻痺に対するリハビリは継続しましょう。

脳梗塞発症から6ヶ月以降は医療保険を利用してリハビリを継続するのが難しくなります。要介護認定を受けて介護保険を利用したり、自費リハビリを頼んでご患者さんに合ったリハビリをしたりするのが良いでしょう。

②以前の性格を考えてみる

急に怒りっぽくなったりすると、性格が悪くなったと感じますが、怒る原因は以前の性格と大きく変わらない場合があります。

以前から嫌だったことを避けると、怒りが収まらない状況を回避できるかもしれません。感情がコントロールできなくなる原因がわからない場合は、カウンセリングを受けるのも1つの方法です。

③できたことに焦点を当てる

脳梗塞発症後はできないことに悩み、自尊心が低下する場合があります。自分を高く評価してくれる人がいると自尊心が高まるとの報告があるので、ご家族でできたことを共有するのも良いでしょう。

さらに、ノートに書くようにすると、自信につながり、できない動作への焦りなどが軽減します。

参考:日本作業療法士協会「性格の変わった父を受け入れられない」

まとめ|脳梗塞による左麻痺や性格変化に疲れたら…

画像

今回は、脳梗塞によって右側の脳がダメージを受け、その結果として身体の左麻痺が起こり、同時に性格変化が見られる原因を整理しました。右側の脳には感情や行動をコントロールする大切な部分があり、ここに障害が生じると、怒りっぽくなったり落ち込みやすくなったりすることがあります。こうした原因を理解したうえでリハビリの内容を知ると、患者さんへのサポートもしやすくなります。

たとえば、脳梗塞の影響で思うように身体を動かせなくなったり、言葉がうまく出なかったりすると、今までできていたこととの違いに強いショックを受ける人もいます。そのため、患者さん本人が自分の状況を「受け入れられない」と感じるだけでなく、ご家族が「左麻痺性格変化をどう理解し、どう受け止めればいいのだろう」と悩むことも少なくありません。

しかし、患者さんができなくなったことばかりに注目するのではなく、「今できること」「少しずつ練習すればできるようになりそうなこと」を見つけてあげることが大切です。たとえば、生活期リハビリでは、洋服の着替えや調理など日常生活で必要な動作の練習を行います。うまくいかなかったときには、周囲が励ます言葉をかけたり、手伝い方を工夫したりして、患者さんの自尊心を守りながらサポートしましょう。

このように、周囲のサポート自尊心を高めるための声かけがとても大事です。小さなことでも「前より上達したね」「少しだけ手伝えばできるようになったね」と声をかけるだけで、患者さんの気持ちは前向きになります。結果として、リハビリに取り組む意欲が上がり、日々の生活を改善していく大きな力につながっていきます。


まとめると、脳梗塞による左麻痺性格変化を正しく理解し、患者さんが今どのような状態にあるのか、そしてどんなサポートが必要なのかを知ることが大切です。辛い気持ちを一人で抱え込むのではなく、リハビリの専門家や医療スタッフ、ご家族みんなで力を合わせて取り組むことで、患者さんの生活の質を高めることができます。

  • facebookでシェア
  • Xでシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご相談・お問い合わせ

初めてでも大丈夫です。
改善の一歩は無料体験から始まります。

お電話はこちらから

03-6869-0323

[受付時間]9:00~18:00(土日祝を除く)

×

体験プログラム 0

改善の一歩は無料体験から始まります

×

受付中

あなたの症状、お悩みをお聞かせください

[受付時間]平日9:00~18:00