NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳内出血:データに基づく回復率と再発率!自宅でできる回復率向上方法も紹介

脳内出血:データに基づく回復率と再発率!自宅でできる回復率向上方法も紹介

脳内出血:データに基づく回復率と再発率!自宅でできる回復率向上方法も紹介

脳内出血や脳梗塞は、再発率の高い病気と言われていて、一度脳出血を起こしてしまうと、10年以内の再発率は5割を超えるとされています。

脳内出血で出血した血液が血腫となり、脳細胞を圧迫すると壊死して重篤な後遺症が残ります。後遺症次第では、仕事に支障をきたしたり介護が必要になってしまうため、再発させないように対策していくことが重要です。

今回は、脳内出血の回復率を上げるためにすべきことや脳内出血の特徴についてご紹介します。

前兆がない場合も!脳内出血の回復率は?特徴や原因を紹介

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脳卒中の種類である脳内出血は、一度発症すると再発率の高い病気です。脳出血の原因などを知ることが脳出血の予防のために重要です。

脳内出血は脳卒中の一種

脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳に血液が流れなくなり、脳の神経細胞が壊死する病気全般を示す言葉です。脳内出血(脳出血)は、脳卒中の種類の一つで、脳の血管が破れて脳内で出血することで細胞が障害される病気です。

脳卒中の種類には、脳卒中、脳梗塞、くも膜下出血がありますが、2022年の脳卒中データバンクによると、脳出血の頻度は約18%と多くを占めており、約13%の人が入院中に亡くなっているため、リハビリなどを取り入れながら脳内出血の回復率を上げていくことが重要です。

最大の危険因子は高血圧

脳内出血は、脳の血管が破れて出血することで、頭痛や吐き気、手足の麻痺などの症状が出る病気ですが、最大の危険因子は高血圧であるとされています。

高血圧は、多くの人がかかる病気で、日本には、高血圧患者が約4300万人いると推定されています。高血圧自体の症状は無いので、放置してしまう人も多く、前兆がない状態で脳出血を発症してしまう可能性もあります。

高血圧は、脳出血全体の原因の約6〜8割を占めていて発症した部位や出血量で症状が異なりますが、脳梗塞と症状が似ていることなども含めて、迅速で早めの対応が脳内出血の回復率を上げやすくします。異常を感じたら早期に医療機関を受診しましょう。

脳内出血の生存率や再発率

脳内出血発症後10年以内の再発率は55.5%という高い再発率となっています。脳内出血を1度発症した人のベースには、脳内出血を引き起こしやすい食生活や生活習慣があると考えられているため、再発率が高いとされています。

脳内出血発症5年後の生存率は24%で、年代が高くなるほど生存率が低くなる傾向にあるため、血圧管理を十分に行い高血圧を改善して脳内出血の回復率を上げる必要があります。

参考:日本脳卒中データバンク「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握報告書2022年」

脳内出血は脳の細胞がダメージを負ってしまう|少なくない後遺症

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脳内出血は、発症後治療しても、後遺症が残ってしまうことも少なくありません。後遺症によっては日常生活に影響をきたすこともあるので、脳内出血を発症したら後遺症まで知っておくことが大切です。

下肢または上肢が動かない!運動麻痺

脳内出血の回復率を上げるためにも知っておきたい後遺症の一つである運動麻痺は、損傷した脳と反対側の体が動かしにくくなります。

一般的に麻痺は、下肢よりも上肢に強いことが多いですが、脳内出血が生じた部位によっては下肢に強い場合もあります。手指の細かい動きや足首が動かなくなることもあり、その影響で歩行能力の低下など日常生活動作に影響を及ぼします。

感覚障害や目に関する障害

麻痺によって触れている・動いているなどの感覚が分からなくなったり、温度や痛みが分からなくなる感覚障害も脳内出血の回復率に影響する後遺症です。触覚や感覚が鈍くなったり逆に過敏になりしびれを感じることもあります。

また、脳内出血の後遺症として目に障害が残ることもあります。視野が狭くなったり、物が二つに見える「複視」、視野の半分が見えなくなってしまう「半盲」といった障害もあり、発症後長期にわたって障害が残る場合もあります。

構音障害と嚥下障害

脳内出血の回復率に関係する後遺症として、構音障害があります。構音障害は、言葉を理解して伝えたい言葉ははっきりしているのですが、発音がうまくできないという障害です。

いわゆる呂律が回りにくくなる状態で、構音障害があると話の内容が相手に伝わりにくいなどコミュニケーションに支障がでてしまいます。

嚥下障害は、上手く食べられない、飲み込めない状態になる障害です。脳内出血が生じた部位が大脳の片側に限られていれば回復も見込めます。

さまざまな症状が…高次脳機能障害

脳の損傷により運動障害や感覚麻痺などだけでなく、さまざまな症状が現れる高次脳機能障害も脳内出血の回復率に影響する後遺症です。

例えば、物の置き場所を忘れたり昨日あったことを覚えていない記憶障害、注意散漫で集中できない注意障害、自分で計画を立てて実行できない遂行機能障害などがあります。

脳内出血の回復率を上げるために…日常生活を見直して再発予防!

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脳内出血の治療の基本は、生活習慣の改善とお薬の内服です。生活習慣の改善方法についてご紹介します。

血圧を管理する

高血圧は脳内出血を再発させる要因にもなるため、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上(140/90mmHg以上)にならないように管理することが脳内出血の回復率を上げるためにも重要です。

日本高血圧学会による高血圧治療ガイドラインにも定められていますが、130/80mmHg未満を目標とすることが推奨されています。

食生活を見直す

脳内出血の回復率を上げるために、高血圧の要因になる塩分や脂肪を含む食品を摂りすぎないなど食生活を見直す必要があります。

塩分を控えめにするためには、調味料やだしを活用するのがおすすめです。また、魚などに含まれる「不飽和脂肪酸」と野菜や海藻に含まれる「ミネラルや食物繊維」は血圧を下げる働きもあるため、意識して摂取を心がけましょう。

適度に運動する

日常生活に適度な運動を取り入れるのも脳内出血の回復率を上げるのに効果的です。週に2〜3回程度、20分〜30分程度のウォーキングやサイクリング、水泳など有酸素運動を取り入れましょう。

激しすぎる運動は血圧上昇につながるので逆効果ですが、少し汗ばむ程度の運動を実践することで血圧や血糖値の低下に期待できます。

生活習慣を改善する

喫煙や過度な飲酒を控えるなど生活習慣を改善することも脳内出血の回復率を上昇させるために重要です。

タバコのニコチンは、血管の収縮を促す作用があるため、喫煙は血圧を上昇させます。また、ビール中びん1本や日本酒1合程度の適度な飲酒は、一時的に血圧を下げる効果があるとされていますが、適量を超えた過度な飲酒は血圧を上昇させます。

参考:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」

まとめ

脳内出血の特徴や後遺症、脳内出血の手術後の回復率の上げ方についてご紹介しました。

脳卒中に含まれる脳内出血は再発率の高い病気ですが、早期治療や生活習慣の改善により、職場復帰したり趣味のスポーツを再開するなど以前と同じような生活に戻ることも十分可能です。

そして食生活を見直したり禁煙して生活習慣を改善すれば、生活の質を上げていくこともできるでしょう。脳の病気を改善して自分の身体と向き合いながら、今まで以上に人生を楽しんでみませんか。

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