NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム リハビリは痛みに効果がある?痛みの治療方法やリハビリの役割を解説

リハビリは痛みに効果がある?痛みの治療方法やリハビリの役割を解説

リハビリは痛みに効果がある?痛みの治療方法やリハビリの役割を解説

痛みがありリハビリするかを迷っている方にむけて、リハビリが痛みにもたらす効果についてお伝えします。薬物療法や認知行動療法などの治療方法や、理学療法士とリハビリをするメリットも解説します。

とくに慢性痛はいつ治るのかが分からず不安であり、日常生活に影響します。痛みで動かないと、さらに痛みが生じたり気分が落ち込んで悪循環に陥る場合もあります。

リハビリは痛みの改善に有効とされていますが、取り入れ方にはポイントがあります。適切なリハビリを取り入れて、痛みの少ない生活を送りましょう。

リハビリで痛みが起きる理由は?痛みの種類や原因についても解説

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リハビリで痛みが起きる理由や痛みのメカニズムについてお伝えします。痛みの対処は種類によって異なるため、見極めが重要です。

急性痛・慢性痛の定義

痛みは急性痛と慢性痛に分けられます。

急性痛は転んで骨折する、虫垂炎や胃潰瘍などはっきりした原因があります。レントゲンやCTなどの画像検査で原因が特定でき、原因の病気を治療すれば痛みは治るでしょう。

慢性痛は痛みの原因となる病気やケガが治っているにも関わらず、3か月以上痛みが消えない状態です。痛みが持続または頻発するため日常生活に支障をきたします。

参考:横浜市立大学附属市民総合医療センター「慢性痛の基礎知識」

痛みの分類|複数のメカニズムが混在

痛みの主な分類は次の3つです。

➀侵害受容性疼痛:ケガなどで内臓や皮膚などの神経終末である侵害受容器が刺激されて起きる痛み。損傷した組織から作られるさまざまな発痛物質が痛みにつながる。

②神経障害性疼痛:神経が損傷して痛みが起きる。灼けるような、ひりひりとうずく痛みが特徴。痛覚過敏を伴うことがあり、触れると痛みが誘引されやすい。

③心理社会的疼痛:痛みで日常生活が妨げられているものの、痛みの原因といえる心身の病気がない。ケガによる不安や恐怖で過敏になり、痛みにつながるとされている。また、ストレスも痛みの原因と考えられている。

痛みの多くは3つのメカニズムが混在し、徐々にそれぞれの占める割合が変化します。

リハビリで痛みが起きる理由

リハビリの負荷に対して筋肉が適応しようとし、微小な筋繊維が損傷します。修復過程が始まり筋肉の強化や運動耐性が増強しますが、筋緊張や筋肉痛の原因になるのです。

リハビリで普段と異なる動きをしたときに、関節周囲の組織に生じる微小な損傷によって関節痛が起きます。過度な強度の動作でも関節痛が起こるため、見極めが重要です。

ケガや弱化で身体が適切に動いていないと他の部位が過度に動いて、痛みにつながる可能性があります。

リハビリが痛みにもたらす効果は?痛みに対する治療方法を解説

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痛みに対する運動療法の効果や、薬物療法と認知行動療法についてお伝えします。治療方法の特徴を押さえれば、治療の方向性が選びやすくなります。

薬物療法|副作用を考慮して使用

痛みに対する薬物療法は、効果と副作用のバランスを考えて使用します。薬だけで痛みを減らそうとすると、複数・大量投与になってしまいます。過剰な服薬は患者さんの身体の動きや生活の質を落とすため、痛みが緩和される最小量の投与が望ましいです

薬物療法に使われる薬は次のとおりです。

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

・抗不安薬、抗うつ薬

・抗けいれん薬

・NMDA受容体拮抗薬

・漢方薬

・オピオイド鎮痛薬など

参考:厚生労働省「医療用麻薬による慢性疼痛の治療方針」

運動療法|慢性痛の改善に有効

急性痛の不必要な安静は慢性痛につながる可能性があります。早期に低負荷から中等度負荷の運動が推奨されています。社会復帰や社会参加を促進するためです。

慢性痛と身体機能障害の改善に運動療法が有効とされています。慢性腰痛は有酸素運動、筋力増強運動、ストレッチが有効です。変形性膝関節症の痛みは筋力増強運動、有酸素運動が有効です。慢性頸部痛は関節可動域訓練や筋力増強運動が推奨されます。

脊椎の安定性向上を目的として体幹の筋肉を向上させる、モーターコントロールエクササイズも慢性痛に有効です。

参考:慢性疼痛治療ガイドライン

認知行動療法|リハビリの効果が向上

慢性痛は認知行動療法(CBT)を導入すると、リハビリ効果の向上が期待できます。痛みや鎮痛への執着を避けて、歩行や生活動作などの行動に注目します。思考や認知の歪みを修正し、患者さんが生活面のメリットを感じられるように支援するのです。

患者さんの自己分析による運動学習が基本で、活動量や状況に即して数週間単位でリハビリの運動内容や目標を変更します。

また、アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)も有効です。痛み自体や痛みに対する不快な思考と感情を取り除くために、時間や気力を費やさないようにします。不快な痛みや感情の存在は人間にとって正常な状態だと気付き、患者さんの人生を支援する心理療法です。

痛みのリハビリ…理学療法士が果たす役割や相談するメリットは?

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リハビリの役割や理学療法士と痛みのリハビリをするメリットについてお伝えします。理学療法士に相談しながらリハビリをすれば、効果的に痛みのリハビリができます。

リハビリの役割|障害の予防

リハビリの重要な役割は「障害の予防」です。痛みによって身体を動かさないと、手足の筋肉が落ちる、関節が硬くなる、体力が落ちるなどのリスクがあります。適切なリハビリによって、2次的な障害の予防が可能です。

患者さんやご家族の要望を中心に、単に痛みの治療にとどまらず生活の再建や社会参加、心の問題への対応を含めてアプローチします。

理学療法士だけでなく、さまざまな職種やご家族の支えが重要です。

痛みのリハビリは理学療法士に相談

理学療法士の専門家に相談し、患者さんの状態に合わせてリハビリの内容を決めていけば、安全にリハビリができます。

自己判断で無理なリハビリをすると他の部位に負荷がかかったり、痛みの増強につながる可能性があります。また、痛みがあるからといってリハビリを中断すると、かえって治りが悪くなることも。

理学療法士は痛みの状況を評価し、長期と短期に分けてゴール設定をします。運動や活動内容のプログラムを立てて実践につなげます。またセルフエクササイズ方法の提案も可能です。あらゆる状態の再評価をし目標やプログラムの修正をしてリハビリを行います。

まとめ|リハビリに生じる痛み

今回はリハビリで痛みが起きる理由、痛みに対する運動療法の効果や治療方法についてお伝えしました。

リハビリで痛みが起きる主な理由は筋肉痛と関節痛です。リハビリで筋肉や関節を動かすと微小な血管が損傷し、修復する過程で痛みが起きるのです。

慢性痛と身体機能障害の改善に運動療法が有効とされています。有酸素運動、筋力増強運動、関節可動域訓練などを痛みの種類に合わせて実施します。

理学療法士の専門家に相談し、患者さんの状態に合わせてリハビリの内容を決めていけば、安全なリハビリが可能です。

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