脳出血は後遺症が残る可能性が高い?予後を左右する早期治療とリハビリ
2024.02.08
脳出血は脳の中の動脈が破れることで発症する脳卒中の1つです。脳出血は治療ができたとしても後遺症が起こる可能性のある疾患です。
脳出血を発症した部位によって後遺症の症状も様々ですが、中には治療後も日常生活に影響がでることもあります。しかし脳出血の後遺症は、発症後すぐに適切な治療を行い積極的にリハビリを行うことで症状の改善が期待できます。
ご家族が脳出血になったら脳出血の症状だけでなく、後遺症についても知っておきましょう。再発防止のための退院後の過ごし方や自費リハビリについてもご紹介します。
目次
脳出血はある日突然に…?症状や後遺症について詳しく解説
脳出血の前兆症状は基本的になく、ある日突然発症します。脳出血の細かな症状は出血が部位によって異なりますが、半身麻痺や感覚障害などを伴う可能性が高い疾患です。また、脳出血の症状がそのまま後遺症として残る傾向があります。
脳出血は前触れがない?
脳出血は脳の血管が破れて出血した血液が、固まり血種となり脳細胞を圧迫することで様々な症状を引き起こします。
脳出血の多くは高血圧が原因です。高血圧状態が続いた血管は少しずつ傷つけられて、通常よりも破れたり裂けたりしやすい状態となります。
このような状態が続くと、ある日当然血管が破れてしまい脳出血を引き起こすのです。何の予兆もなく突然発症し、出血の程度によっては発症直後から重度の意識障害を伴うこともあります。
脳出血の症状が後遺症に
脳出血の後遺症は様々です。基本的には発症時に出た症状がそのまま後遺症になると考えられています。例えば半身麻痺で発症したら、同じように半身麻痺が後遺症として残る可能性が高いです。
脳出血は大脳の「被殻(ひかく)」と呼ばれる場所に起こる被殻出血が最も多いと言われています。被殻に出血が起こると、頭痛や麻痺の症状が見られます。結果的に脳出血の後遺症は半身麻痺の割合が大きくなります。
脳出血の後遺症の種類
脳出血は半身麻痺以外にも多種多様な後遺症があります。主な後遺症は以下の通りです。
・運動麻痺…片側の手足が動きづらい、半身麻痺
・感覚障害…感覚や痛覚が鈍い、逆に過敏でなり痺れを感じる
・構音障害…呂律が回らない
・失語症…言葉がでない、理解できない
・目の障害…視野が狭くなる、物が二重に見える
・嚥下障害…食べ物を飲み込みにくくなる
・高次脳機能障害…記憶障害、感情障害など
【脳出血】後遺症なしの確率は?早期治療やリハビリの重要性
脳出血は、発症時の出血量や発症部位によって後遺症の種類や軽度が変わってきます。後遺症の改善には早期治療と早期リハビリが重要になります。
また、脳出血を起こした場合、後遺症が残る可能性はどのくらいなのでしょうか?
脳出血の後遺症が残る可能性
脳出血を含む脳卒中は、発症すると約7割の人が何らかの後遺症が残ると言われています。また、脳卒中は寝たきりになる原因の第一位でもあります。
脳出血により一度壊死した脳細胞は元には戻ることはなく、後遺症が残りやすく発症前の生活が難しくなります。脳出血は一度発症すると完全に回復するのは難しいですが、リハビリ次第で症状を軽くすることは可能です。なるべく早い段階でリハビリを行うことが望ましいです。
後遺症を残さない!早期治療が重要
脳出血は出血範囲が広がるほど、多くの神経細胞が圧迫され重症化します。しかし、早期発見ができれば血のかたまりである血腫を取り除いたり、血圧をコントロールして血腫が大きくなることを防ぐ治療が可能なので、後遺症が軽度ですむ可能性が高まります。
今まで感じたことのないような激しい頭痛は脳出血が発症した時の特徴です。強い後遺症を残さないためにも、少しでも疑いがある症状があれば、速やかに病院を受診しましょう。
後遺症を改善するにはリハビリが有効
脳出血の後遺症はリハビリ次第で軽くできる可能性が高く、積極的に行うことが推奨されています。
早期のリハビリを行うことで、廃用症候群の予防にも繋がります。廃用症候群とは、病気の治療のため安静にしすぎた結果身体機能が低下してしまう状態です。
筋肉が衰えると、病気が治っても起き上がれなくなることもあります。まずは筋肉や関節を刺激するリハビリを行い、脳出血の症状が安定したら自立した生活を取り戻すためのリハビリを開始します。
脳出血後の過ごし方|後遺症の回復率をあげるためにリハビリを
脳出血は一度発症してしまうと再発する可能性が高い疾患です。再発防止のためにも、退院後の過ごし方に注意しましょう。
また、一度回復した機能も退院後に何もせずにいると再び機能低下が進みます。退院後もリハビリを続けることがとても重要です。
【再発防止】退院後に気を付けるべきこと
脳出血の主な原因は高血圧です。高血圧の治療の基本はお薬と生活習慣の改善です。減塩を心がけた健康的な食生活や適度の運動、お酒の適量摂取を心がけましょう。また、喫煙は脳出血のリスクを高めるので禁煙することが望ましいです。
一度脳出血も発症してしまった人は再発するリスクが高くなるので、より厳しく血圧を管理する必要があります。血圧が高いことを指摘されたら、生活習慣の見直しと医師による適切な治療を受けましょう。
回復率をあげる自費リハビリという選択
自費リハビリは保険適用されずに自費でリハビリを行うことをいいます。自費リハビリは日数などの制限がなく、より個々の要望に合わせたリハビリを行えます。
退院後も外来リハビリなど保険適用のリハビリを受ける事もできますが、利用できる条件や回数が決められています。それにより生活の維持が目的となってしまい、改善を期待していた方には物足りなく感じてしまうことも。
自費リハビリは金銭面の負担が増えるのがデメリットではありますが、退院後も生活の改善を目指したい方は選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
まとめ|脳出血の後遺症を知ろう
脳出血は突然発症し、後遺症が残る可能性の高い病気です。脳出血を発症した部位や出血量によって障害の重さや後遺症のリスクは変わりますが、早期治療することが後遺症を残さないためにも重要です。
脳出血の後遺症を軽くするにはリハビリがとても有効な手段です。なるべく早い段階でリハビリを始めることで予後の回復率が大きく変わります。退院後もリハビリを継続することが生活を維持するために必要です。生活をもっとよくしたい方は自費リハビリも検討してみてください。