痙性対麻痺とはどのような病気?特徴や症状及び治療におけるリハビリの重要性を解説
2023.12.22
痙性対麻痺(けいせいたいまひ)とは、脳や脊髄の異常が原因で、身体の自由が損なわれてしまう病気です。関連する病気にかかった場合に発症するケースが多い他、遺伝の影響もあると考えられています。
痙性対麻痺の主な治療方法は、リハビリの実施です。正しいリハビリをして効果的に症状の改善を図れるよう、あらかじめ病気についての理解を深めていると安心できるでしょう。
今回は、痙性対麻痺とはどのような病気であるのか解説をします。また、痙性対麻痺の治療に効果があるとされているリハビリの内容や注意点などについても紹介します。痙性対麻痺の知識を深め、症状が表れた時に備えておきましょう。
目次
痙性対麻痺とは?病気の特徴や症状及び影響の及ぶ器官の多さを知る
そもそも痙性対麻痺とは、どのような病気なのでしょうか。日常生活に支障を来してしまう可能性が高い症状や病気の特徴、影響を受けやすい身体の器官について紹介するのでぜひ参考にしてください。
痙性対麻痺の特徴
痙性対麻痺は、自分で体が動かせないほど麻痺やしびれがひどくなる病気です。脳性麻痺・脊髄損傷・脊髄梗塞などが原因で発症するケースが多いとされていますが、遺伝的な要因も影響すると考えられています。
遺伝による痙性対麻痺は、原因となる遺伝子が非常に多種多様にあることが分かっており、症状も様々な内容が見られます。基本的な治療法としては、リハビリによる対症療法ですが、近年は遺伝子研究が進み新しい治療方法を模索しています。
痙性対麻痺の症状
痙性対麻痺は、主に両足の筋肉が突っ張ったような状態になって運動麻痺を起こし、歩行がしづらくなる症状を発現します。遺伝性の場合は、徐々に運動能力が損なわれていき筋力低下が著しくなっていきます。
痛みが感じられなくなる末端神経の異常や知的障害に加え、難聴や視力低下など、様々な症状が出るのも痙性対麻痺の特徴です。発症の原因となっている箇所によって発現する症状が異なるため、治療を行う際も症状などの状況をしっかりと確認しながら対処する必要があるでしょう。
影響を及ぼす器官が多い病気
痙性対麻痺は、病気の発生に影響を及ぼしている器官が多い病気です。主に、以下の器官の不具合が痙性対麻痺を発症していると考えられています。
- 末梢神経:痛みや温度が感じられず、痺れた状態が続く
- 小脳:手が震えて早く話せなくなりぎこちない動きが続く
- 大脳:知的障害・認知症・てんかんなどが起こる
- 耳・目:難聴や視力低下などの原因になる
特に脳の不具合は、全身の痺れや動作障害の原因になるケースが多いです。症状の表れ方を確認しながら適切な治療を実施するのが大切な病気といえるでしょう。
痙性対麻痺の治療においてリハビリは必須!効果的な実践方法とは?
痙性対麻痺の治療におけるリハビリは、非常に重要な意味を持ちます。日常生活を送れる身体機能を維持するため、歩行をスムーズに行うことは必要最低限のことでしょう。
痙性歩行とは?
痙性対麻痺になると、痙性歩行という状態に陥るケースが多いです。痙性歩行とは、身体の神経組織の障害によって手足の動作に異常が起こることによる歩行障害の総称です。
痙性歩行には、いくつかの種類があります。歩行中に両ひざが交差するような動きを見せるはさみ足歩行や、足をぶん回すように歩く動き、爪先を引きずる歩行などが代表例です。両足の筋肉が痙性対麻痺によって突っ張った状態になってしまうために発生すると考えられています。
痙性対麻痺における歩行の状態確認の重要性
痙性対麻痺を原因にして起こる歩行障害を改善するためには、まずは歩行の状態確認をすることが重要です。症状の進行度合いをしっかりと見極め、適切な治療を施す必要があります。
痙性対麻痺による歩行障害を観察するうえでポイントとなるのは、麻痺の状態・筋力の残存度合い・関節の可動域等が挙げられます。状態をしっかりと観察したうえで、最適なリハビリを実施していくのが一般的な治療方法です。
痙性対麻痺の治療に適したリハビリ
痙性対麻痺の治療に適したリハビリを実施することは、症状の改善を図るうえで非常に重要です。日常生活に最低限必要な動作を満足にできるようにするため、特に基本的な動きをトレーニングする以下のようなリハビリを中心に実施します。
- 座位や立位を安定させるための体幹筋向上を目的としたリハビリ
- 股関節屈筋の緊張を緩和するリハビリ
- 足部の自然なアーチの形状の改善
- 下肢支持筋力の強化
- 麻痺した状態の手足を動かし神経組織の改善を図る
痙性対麻痺に適したリハビリの実施は難しい!必ず専門家の指導を受けながら実施
以上のように、痙性対麻痺の治療を目的にしたリハビリは多岐にわたります。症状を見極め、最適な内容のリハビリを継続して実施する必要があるため、判断が難しい面が特徴です。
症状の進行度を確認しながら実施する
痙性対麻痺を治療するリハビリを行う際は、必ず症状の進行度を確認しながら実施する必要があります。影響を及ぼす器官が多く、症状も多岐にわたるため、適したリハビリ内容は一人一人異なると考えるべきです。
リハビリの方法についての情報は、インターネットなどで手軽に収集できる時代ですが、自己判断で実施をすると逆に身体に悪影響が及んでしまいかねません。自身の症状に合った適切なリハビリ内容を実践するのが非常に重要です。
必ず専門家の意見と指導を参考にする
痙性対麻痺のリハビリを行う際は、必ず専門家の意見と指導を参考にしましょう。自己判断での実施はリスクが非常に大きい行為です。
近年は、リハビリ専門のクリニックなども充実しているため、かかりつけ医と合わせて利用すると良いでしょう。専門的な知識と経験を持つ人の指導に従い、根気強く継続してリハビリを実施することが肝要です。
まとめ:痙性対麻痺の治療に適切なリハビリを実施
痙性対麻痺は、脳や脊髄の損傷などを起因として身体の運動能力が損なわれてしまう病気です。特に歩行障害を引き起こすケースが多く、日常生活に大きな支障をきたしてしまう可能性が高いです。
痙性対麻痺の治療にはリハビリを行うのが一般的です。症状の進行度合いに合ったリハビリを実践する必要があり、判断が難しい面があります。かかりつけの医師やリハビリ専門のクリニックなど、専門家の指導を受けながら正しい処置を継続して行うことを心がけましょう。