中心性頚髄損傷とは?特徴や症状及び治療内容とリハビリの重要性について解説
2023.12.15
手指など上半身に痺れや不具合を感じる場合は、中心性脊髄損傷(ちゅうしんせいせきずいそんしょう)になっている可能性があります。中心性脊髄損傷は、自然治癒するケースも多いとされていますが、場合によっては重症化する可能性もあります。
中心性脊髄損傷になった場合は、適切な治療を受けるのが良いでしょう。予後の症状改善を図るため、正しいリハビリを実践することも重要です。
今回は、中心性脊髄損傷とはどのような病気であるか紹介をします。また、早期発見の重要性や治療の内容、及び適切なリハビリの方法などについても解説します。中心性脊髄損傷についての知識を持ち、ご自身に当てはまっていないか確認すると良いでしょう。
目次
中心性脊髄損傷とはどのような病気?発症する症状や完治の可能性とは?
中心性脊髄損傷とは、どのような病気でしょうか。誰にでも起こりうる病気であるため、その特徴や症状について理解すると良いでしょう。中心性脊髄損傷について、完治の可能性も含め紹介します。
中心性脊髄損傷の特徴
中心性脊髄損傷とは、身体の中心部に近い箇所の脊髄に損傷が起こることにより各種症状が発症する病気です。体幹や上肢にしびれや稼動のしづらさを感じるのが一般的です。
脊髄は、脳から発せられた命令を各器官に伝える役割を持ちます。その脊髄に損傷が起こった場合、損傷レベルが一定以上に達した脊髄の箇所につながる器官にしびれや麻痺が生じることになります。中心性脊髄損傷は、脊髄の中心部の損傷が起因となっているため、中心部に近い上肢や体幹に支障をきたすケースが多いです。
中心性脊髄損傷における症状
中心性頚髄損傷になると、主に上半身のしびれや感覚障害及び麻痺が発生します。箸を使ったりボタンの付けはずしなどの細かい動作に苦労するケースが増えるでしょう。
下半身にも症状が及ぶ場合もありますが、軽症で終わり自然治癒する事例も多いです。しかし、高齢者の場合は症状により長期間筋肉を使わないことによる筋委縮が発生して歩行が困難になるケースもあり得ます。
中心性頚髄損傷は治る?
中心性頚髄損傷は、自然治癒するケースが多い病気です。特に40歳以下の若い年代の方の場合においては、重症化するケースは非常に少ないでしょう。
しかし、逆に高齢者が中心性頚髄損傷になると重症化するリスクが高いため注意する必要があります。特に脊椎の病気をすでに患っている場合には危険性が高いです。治療後に後遺症が見られる場合には、かかりつけの医師に相談をして状況を速やかに確認する必要があるでしょう。
中心性頚髄損傷の治療方法について知る!早期発見とリハビリの実施が不可欠
中心性頚髄損傷は、対応の方法により完治が十分可能な病気です。しかし、年齢や状況によっては重い後遺症を患う危険もあります。正しい治療及びリハビリについての理解を深めましょう。
中心性頚髄損傷の早期発見の重要性
中心性頚髄損傷の治療においては、早期発見及び初動時点の管理が非常に重要になります。まずは症状の程度や内容を確認し、状態の管理を行います。意識の有無・瞳孔の対光反射・脊椎の痛みの有無・身体の運動機能及び感覚の状態を確認します。
特に首の痛みを覚える場合には、慎重に対応する必要があります。首を不用意に動かすことにより、神経損傷を悪化させてしまうため、慎重な取扱いをしないといけません。
中心性頚髄損傷の内科的・外科的治療
中心性頚髄損傷の治療は、内科的・外科的両面から実施します。まず内科的治療としては、血圧管理を重視します。損傷を受けている神経への血流が低下することを防がないといけません。
外科的治療としては、脊髄減圧術の実施が適していると考える意見もあるものの、まだ確立していないのが現状です。慎重を期する病気であるため、手術などの外科的治療は専門医の見解のもとタイミングを図って実施するのが肝要と考えられています。
治療後のリハビリが不可欠
中心性頚髄損傷の治療を行った後は、予後の状況改善のためにリハビリを行うのが一般的です。特に上半身の不具合は、放置しているとさらに悪化してしまう恐れがあるため、作業療法を中心としたリハビリを実践すると良いでしょう。
日常生活を快適に過ごすために、指や手の動きをスムーズに行うためのリハビリを行うケースが多いです。決して無理をせず、可能な範囲で継続して実践することが重要です。症状を確認しながら、上半身だけでなく全身のリハビリを実施すべき状況になる場合もあるでしょう。
中心性頚髄損傷の症状改善にリハビリを実施!自己判断をせずプロの指導が必須
中心性頚髄損傷の症状を改善するためには、リハビリが欠かせません。継続して正しいリハビリを実施するためには、自己判断ではなく専門家の指導に従って実施することが重要です。
中心性頚髄損傷のリハビリは症状に合わせた適切な内容で実施
中心性頚髄損傷は、自然治癒のケースが多い病気とはいえ、対応を誤ると重大な後遺症が残る可能性もあります。症状の進行度合いに合った適切なリハビリを実践することが肝要です。
主に上半身の不具合が発生するケースが多いとはいえ、身体のどの箇所にも異常が発生する可能性があります。身体の各箇所に適したリハビリメニューを実施することにより、効率よく身体能力の改善が図れるでしょう。
リハビリの専門家の指導の元で実施しよう
中心性頚髄損傷のリハビリは症状を確認しながら適切な内容で実施する必要があるため、必ずかかりつけ医師など専門家の指導を受けながら実施しましょう。近年はリハビリに関する情報を入手できる機会が増えたとはいえ、自己判断で誤った内容のリハビリを行うとかえって病状を悪化させてしまいかねません。
近年は、リハビリ専門のクリニックなども増えているため、積極的に専門家の意見を聞き、適切な内容のリハビリを根気強く継続しましょう。
まとめ:中心性頚髄損傷の治療後は正しいリハビリを実施
中心性頚髄損傷は、主に上半身にしびれや麻痺が発生する病気です。若年層の場合は自然治癒するケースが多い反面、高齢者の場合は歩行困難などの不具合を被ってしまうリスクが高くなってしまいます。
治療後は、正しいリハビリを症状を見ながら継続して実施する必要があります。自己判断でリハビリを行うのではなく、必ず専門家の指導を聞きながら状況に合った内容のリハビリを根気強く継続して実施しましょう。