NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム ベル麻痺の完治を目指す!自宅で出来るリハビリ方法と病院での治療法

ベル麻痺の完治を目指す!自宅で出来るリハビリ方法と病院での治療法

ベル麻痺の完治を目指す!自宅で出来るリハビリ方法と病院での治療法

ベル麻痺のリハビリ方法には、顔面筋のマッサージやミラーバイオフィードバック療法などがあります。ベル麻痺のリハビリは症状を悪化させないために、医師や専門家の指導のもと適切な実践が重要です。

ベル麻痺は顔が動かしにくくなり、見た目やコミュニケーションに支障がでてつらいです。

今回は、ベル麻痺の症状にお悩みの方やリハビリをご検討の方にむけて、治療法・後遺症・リハビリ方法についてお伝えします。ベル麻痺の正しいリハビリ方法を知って、症状の改善につなげましょう。

【ベル麻痺とリハビリ】顔が動きづらくなる症状や治療法を解説

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ベル麻痺が起きる原因・症状・治療法についてお伝えします。ベル麻痺の原因や治療法を知れば、病気への理解が深まり適切な治療法の選択につながりますよ。

ベル麻痺とは|ウイルス感染が原因

ウイルス感染が原因で顔面神経が腫れると、頭蓋骨の細い通路の壁に押し付けられます。押し付けられた圧迫による顔面神経の麻痺をベル麻痺と呼びます。

ベル麻痺は単純ヘルペスウイルス感染が主な原因です。ストレスや睡眠不足などで免疫力が低下したときに、顔面神経の奥深くにひそんでいるヘルペスウイルスが再び活性化して発症します。

ベル麻痺の多くは半年以内に回復。一方で、患者さんの13%は症状が残り、10%で再発がみられます。

ベル麻痺の予後が不良になる因子は、高齢・高血圧・顔面神経の完全麻痺などです。

参考:日本神経治療学会『標準的治療:Bell麻痺』

ベル麻痺の症状|顔の動きが低下

最初、ベル麻痺は耳の後ろに痛みを感じることがあります。顔の筋力が数時間以内に低下して、48~72時間後にもっとも悪化。麻痺は顔の片側だけに起こります。麻痺の程度は軽度から完全麻痺までさまざまです。

ベル麻痺の症状は以下のとおりです。

  • 顔が平坦になり表情がなくなる
  • 顔がねじれたように感じる
  • 顔のしびれや重さを感じる
  • 眼が閉じられない・上下のまぶたが下がる・眉が下がる
  • 唾液や涙の量が減る
  • 味が感じられなくなる
  • 麻痺側の耳で音が大きく感じる
  • 話しにくい、など

検査と治療|ステロイド内服が優先

ベル麻痺の主な検査は、頭部MRI検査・聴力検査・眼振検査などです。誘発筋電位検査(ENoG)が行われる場合もあります。

基本は外来通院で、ステロイドや抗ウイルス薬の内服治療です。高度な麻痺や糖尿病を合併している患者さんは、入院治療する場合があります。

治療の開始が早いほど後遺症は少ない傾向にあるため、早期の受診が重要です。

麻痺が高度で筋電位検査の結果が不良なとき、顔面神経減荷術をされる患者さんもいます。手術によって骨に囲まれた顔面神経を開放し栄養血管を復活させて、顔面神経の上にステロイドを直接投与することで回復が期待できるのです。

ベル麻痺はウイルスの活性化による腫れで、顔面神経を栄養している血管の閉塞が起きます。栄養がこなくなった顔面神経は損傷し完全回復は期待できないため、顔面神経減荷術によって防ぐことが目的です。

参考:東京大学大学院『顔面神経麻痺とは?原因、症状、経過について』

ベル麻痺のリハビリ方法は?後遺症や日常生活の工夫も解説

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ベル麻痺の後遺症と、顔面筋マッサージやミラーバイオフィードバック療法などのリハビリ方法についてお伝えします。ベル麻痺のリハビリは力加減が難しいため、医師や専門家の指導のもと適切な実践が重要です。

ベル麻痺の後遺症|病的共同運動と顔面拘縮

ベル麻痺で高度の神経障害が起きると、顔面神経の回復過程で後遺症がでる場合があります。よくみられる後遺症は、病的共同運動と顔面拘縮です。

病的共同運動は「口を動かしたときに眼が閉じる」「眼を動かしたときに口角が上がる」など、意図せず異常な顔面運動が起きます。後遺症のうち高頻度で不快な症状です。

顔面神経が回復する過程で、もともと支配していた表情筋と違う筋肉に顔面神経が入り込んで発症します。

治療はボツリヌス毒素の投与とリハビリです。ボツリヌス毒素は筋肉の収縮を抑える作用があります。

顔面拘縮は顔の筋肉がつねに緊張した状態になり、顔がひきつれる後遺症です。ベル麻痺によって表情筋が硬くなることで起こります。「いつも締め付けられている感じがする」「眼や口まわりのこわばりを感じる」と表現する患者さんもいます。

急性期のリハビリは必要?

ベル麻痺の程度が軽く1か月程度で麻痺が改善する場合、積極的なリハビリは不要です。一方、麻痺の回復を目的にリハビリすることで患者さんの不安が軽減されるため、温熱療法や顔面筋のマッサージが実施されます。

温熱療法は血流やこわばりの改善を目的とし、マッサージや運動の前に顔を蒸しタオルで温めます。

ウイルスによる炎症が強いときに局所を温めると、悪化の可能性があることが注意点です。

顔面筋のマッサージは筋肉のこわばりや痛みの軽減が目的です。

参考:栢森良二『顔面神経麻痺のリハビリテーション』

顔のマッサージとストレッチ

ベル麻痺のリハビリは、医師やリハビリ専門家の指導下で実施しましょう。

表情筋マッサージの目的は、病的共同運動と顔面拘縮の予防(急性期)、顔面拘縮の憎悪予防(慢性期)です。

表情筋ストレッチとマッサージの方法は以下のとおりです。

➀頬のマッサージをする

顔に力を入れずリラックスして行う。麻痺側の頬に指をそえて「縦・縦」「横・横」「丸を描くように」優しくほぐす。強い力をかけないことがポイント。

②目のまわりをマッサージする

眼の上、眼の下、眼の横などをぐるりとマッサージする。

③口のまわりをマッサージする

指で口のまわりをマッサージする。

④頬のストレッチをする

片手で口元を押さえ、もう片方の手で顔の筋肉を頬の下側から頬骨から目尻の方向に引っ張る要領で伸ばす。10回位実施する。

⑤首のマッサージをする

顎の下から耳の方向にむかって指で軽く押さえる。


顔のマッサージ、頬のストレッチ、首のマッサージは合計10分間程度、2~3回/日実施します。

ミラーバイオフィードバック療法

ミラーバイオフィードバック療法の目的は、口を動かしたときに眼が閉じてしまう病的共同運動の予防です。

口を動かす練習ではなく「眼を閉じない」を優先し、常に鏡で確認しながら実施するリハビリです。

「ウー」と口をとがらせる運動、「イー」と歯をみせる運動、「ブー」と頬を膨らませる運動をゆっくりと繰り返して練習します。

自宅で毎日、朝15分、夕15分の計30分程度練習します。

ベル麻痺|日常生活の工夫

ベル麻痺の場合、強く大きな顔面運動・低周波マッサージ・針治療は避けます。顔面神経が回復する時期に、電気刺激や筋肉が強く収縮する運動をすると、病的共同運動につながる可能性があるためです。

口腔ケアで清潔を保ちましょう。ベル麻痺側は頬の粘膜を噛みやすく、傷ついたり不潔になったりしやすいためです。

眼が閉じにくく乾燥するときは、人口涙液やヒアルロン酸の点眼を活用しましょう。

まとめ|ベル麻痺の原因やリハビリについて

今回は、ベル麻痺の原因・治療法・リハビリ方法などについてお伝えしました。

ベル麻痺は単純ヘルペスウイルス感染が主な原因です。「顔が平坦になり表情がなくなる」「眼が閉じられない」などの症状が出現します。

ベル麻痺はステロイドや抗ウイルス薬の内服治療が基本です。治療の開始が早いほど後遺症は少ない傾向にあるため、早期の受診が重要です。

ベル麻痺は顔面筋マッサージやミラーバイオフィードバック療法などのリハビリが実施されます。ベル麻痺を悪化させないために、リハビリは医師や専門家の指導のもと適切な実践が重要です。

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