NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 筋緊張を落とす方法として有効なリハビリは?筋緊張亢進に対するリハビリ

筋緊張を落とす方法として有効なリハビリは?筋緊張亢進に対するリハビリ

筋緊張を落とす方法として有効なリハビリは?筋緊張亢進に対するリハビリ

脳性麻痺や脳卒中を発症した多くの方は、筋緊張の問題を抱えています。筋緊張が高まると筋肉が固まり、思うように動かせなくなり、日常生活にも大きな支障をきたします。

筋緊張を和らげる方法として、リハビリテーションは非常に有効です。今回は、筋緊張を緩和する方法を知るために、リハビリの具体的な方法だけでなく、筋緊張が発生する原因やメカニズムについても詳しく解説します。

また、筋緊張を緩和するだけでなく、リハビリを効率的に行うための注意点も紹介します。筋緊張の問題を抱えている方やそのご家族にとっても、ぜひ知っておいてほしい内容です。

筋緊張はなぜ起こる?落とす方法やリハビリを効率的に行うために

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筋緊張を落とす方法やリハビリを効率よく行うためにも、まずは筋緊張のメカニズムや緊張が高まる原因について理解を深めましょう。

筋緊張とは

筋は姿勢保持や体温調整にも深い関わりを持っており、筋が持続的に収縮することでさまざまな身体活動への準備を行っています。この筋が収縮することで運動の準備や調整をおこなっている状態が「筋緊張」です。

一般的に筋緊張は正常範囲内で調整されるものですが、脳血管障害などが起こると筋緊張の正常範囲を超えて高くなったり、低くなったりします。この現象を「異常筋緊張」といいます。

異常筋緊張になると筋肉の正常なコントロールができなくなってしまい、痛みをともなう、手足の筋肉が固まって動かしにくいといった症状があらわれます。

異常筋緊張が起こる原因

異常筋緊張が起こる原因として上位運動ニューロンが障害されることがあげられます。上位運動ニューロンとは脳(大脳皮質)から脊髄に指示を伝える運動神経のことです。

上位ニューロン障害が起こる病気として次のものがあります。

  • 脳性麻痺
  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • 頭部外傷
  • 多発性硬化症

通常、脊髄の反射回路は上位運動ニューロンにより制御されていますが、上記のような病変が生じると、制御バランスが崩れ異常筋緊張が発症するのです。

参考:J-stage「筋緊張異常とリハビリテーション」

筋緊張が高まるとどうなるのか

筋緊張が高まり、筋緊張亢進となると痙縮・固縮といった状態になります。1つずつ症状を確認しましょう。

  • <痙縮>

痙縮とは、筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくくなったり、勝手に動いてしまったりする状態のことです。具体的には「手指が握ったままで開きにくい」「肘が曲がる」「足先が足の裏側の方に曲がる」などの症状がみられます。

  • <固縮>

固縮とは、自覚症状はほとんどなく、無意識のうちに筋肉がこわばり、スムーズな動きができなくなる状態です。無理に動かすと、歯車現象とよばれるカクカクした動きになります。

「前屈気味の姿勢になる」「転倒しやすくなる」などの症状がみられます。

参考:J-stage「筋緊張のコントロール」

筋緊張の落とし方|筋緊張亢進に対するリハビリテーション

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異常に高まった筋緊張はさらなる疾患へと繋がるので、リハビリなどの適切な治療を受ける必要があります。筋緊張亢進に対するリハビリがどのようなものがあるか見ていきましょう。

リラクセーションと図る

筋緊張が高まっているということは、言い換えると筋肉が緊張しすぎているということです。筋肉が緊張している状態でストレッチや筋トレで無理に動かしたりすると、さらに筋肉が緊張して逆効果になることも。

まずはリラックスした状態を作り、筋肉を緩みやすくする必要があります。そのために振動刺激や呼吸法などを取り入れます。実際に振動刺激が筋緊張の抑制に効果があるという報告もされています。

マッサージ機器を使った振動刺激や深呼吸などの呼吸法はセルフケアにもおすすめなので日々のケアに取り入れてみましょう。

参考:J-stage「振動刺激が筋緊張に及ぼす影響」

筋肉の柔軟性や可動域の確保

筋肉や関節は動かさない時間が増えると、ますます動かしにくくなるという悪循環に陥ります。筋緊張亢進を予防するためにも定期的な関節可動域訓練を行う必要があります。

また、筋力低下の防止や、異常筋緊張のパターンをコントロールするために筋力トレーニングも行います。患者さんの筋緊張の状態によって必要なトレーニングは変わってくるので、症状にあったリハビリを行ってくれる施設や理学療法士を選びましょう。

ポジショニングと運動パターンの取得

異常筋緊張状態が続くと、体のバランスが悪くなり、正しい姿勢をとるのが困難になります。痙縮や固縮の症状を進ませないようにするためにもポジショニングはとても大切です。正しいポジショニングをとることで、緊張の緩和だけでなく、疲労や痛みの軽減効果も得られます。

さらに伸張反射や原始反射を誘発させないために、動作指導や装具療法を組み合わせて、正常な運動パターンの学習も重要となってきます。異常パターンを抑制しながら動きのバリエーションを増やすように努めましょう。

筋緊張の落とし方を間違うとどうなる?リハビリで気をつけること

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筋緊張の落とし方についてさまざまなトレーニングやストレッチが紹介されています。もちろん全て間違いではないのですが、やり方を間違えると効果を感じられないこともあるので、筋緊張緩和のためにリハビリで気を付けてほしいことをお伝えします。

ストレッチのやり過ぎは逆効果

自主トレを行う際に筋緊張の落とし方としてストレッチはよくある手法です。適度なストレッチはリラックス効果をもたらし、筋緊張の緩和を促してくれます。

一方、無理なストレッチややり過ぎは逆効果になるので要注意です。過度なストレッチは筋肉の緊張が抜けにくく、防御性収縮という状態に陥ってしまいます。防御性収縮が優位になると、筋緊張を高める危険性があります。

ストレッチは決して無理をせず、リラックスした状態で行うようにしましょう。

薬物治療や装具療法も取り入れる

筋緊張の落とし方における治療として、リハビリ以外にも薬物治療も一般的です。筋肉の緊張を促す神経の働きを抑えるボツリヌス毒素療法や、筋肉をほぐし痛みを和らげるバクロフェン髄腔内投与などがあります。

また、体のバランスを保ち正しい姿勢をとるために装具療法も効果的です。筋緊張亢進の治療は今もなお研究され続け臨床に応用されています。運動療法だけでなく、さまざまな治療法を併用することでよりリハビリの効果も高まるでしょう。

まとめ|筋緊張を落とす方法とリハビリについて

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脳卒中や脳性麻痺が原因で異常筋緊張を発症し、悩んでいる方は多くいらっしゃいます。異常筋緊張とは、筋肉が過度に緊張してしまう状態で、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。このような状態を改善するためには、適切なリハビリテーションや薬物治療が必要です。

異常筋緊張を緩和する方法として、運動療法を中心としたリハビリは非常に有効です。しかし、注意が必要なのは、過度な運動療法は逆効果となり、筋緊張をさらに高めてしまう可能性があるということです。筋緊張の程度や症状は患者さん一人ひとりで異なるため、それぞれの症状に応じた適切な治療とリハビリが重要です。

そのため、異常筋緊張の治療を進める際には、専門の理学療法士やリハビリ施設を選ぶことが大切です。専門家の指導のもと、自分に合った治療プランを立てることで、効果的に筋緊張を緩和し、日常生活の質を向上させることができます。また、リハビリテーションだけでなく、薬物治療やその他の補助的な療法も組み合わせることで、より総合的なアプローチが可能となります。

異常筋緊張に対する治療は一筋縄ではいかないことが多いですが、専門家と協力して継続的に取り組むことで、確実に改善の道が開けます。自分に合った治療法を見つけ、前向きにリハビリに取り組んでいきましょう。

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