NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ | やってはいけない禁忌の運動療法

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ | やってはいけない禁忌の運動療法

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ | やってはいけない禁忌の運動療法

腰椎を始めとした脊椎系に影響する椎間板部分のヘルニアには、リハビリが欠かせません。中でも腰椎椎間板ヘルニアは、特に下半身の動きに関わります。リハビリをしないでいると歩くのも困難になってしまいます。

椎間板ヘルニアのリハビリは、ストレッチや作業療法などの運動療法が一般的です。しかし、実は椎間板ヘルニアが起きている部位によって、やってはいけないことがあるのです。

この記事では、腰椎椎間板ヘルニアの禁忌にスポットを当てて解説します。腰椎椎間板ヘルニアに対して効果が出やすいリハビリについても解説します。

腰椎に椎間板のヘルニアが…症状とリハビリ内容は何が違う?

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腰椎・脊椎・胸椎といった脊椎系に影響を及ぼす椎間板のヘルニアは、リハビリが必要な疾患です。まずは椎間板ヘルニアの違いについて解説します。

椎間板ヘルニアは頚椎・胸椎・腰椎の3種類

椎間板ヘルニアには頚椎・胸椎・腰椎の3種類があります。影響が出る部位と症状が違うため、比較的見分けやすい疾患です。

部位影響を及ぼす場所症状
頚椎(首)首・肩・両腕もしくは片腕痛み・しびれ・手の細かい作業ができなくなる
胸椎(胸)体幹・下肢知覚鈍麻・筋力低下・排尿障害
腰椎(腰)腰・臀部・背骨・下肢下肢・腰のしびれ・痛み、背骨が横に曲がる

腰椎椎間板ヘルニアの症状

腰椎椎間板ヘルニアは、下半身に関わる疾患です。

腰椎は脊椎(背骨)の中でも骨盤につながる5つの椎体と、それぞれの椎体をつなぐ椎間板で構成されています。

椎間板ヘルニアは椎体のクッションとなる椎間板がなんらかの理由で変形し、椎体を圧迫することで発生する疾患です。腰椎の椎体には足などの下半身に関係する神経が集中しているため、椎間板ヘルニアが発生すると下半身に関わる症状が発生してしまうのです。

また、腰椎椎間板ヘルニアの症状には、慢性型と急性型があります。

 原因症状
急性型重いものを持ち上げた時、くしゃみをした時など腰の痛みや左右どちらかの足の痛み
慢性型急性型から進行する上記に加えて、しびれ・力が入らない・膀胱直腸障害

他の椎間板ヘルニアとリハビリ内容は違う?

腰椎椎間板ヘルニアの症状は、他の椎間板ヘルニアとは違う症状を引き起こします。それに伴い、リハビリ内容も変わってきます。

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリは、姿勢改善・下半身の筋トレが多いです。腰椎を支える筋肉をつけることで、腰椎を正しい姿勢で支えやすくします。

頚椎の場合は手にしびれなどが起きることが多いため、手の作業ができるようにするリハビリが多いです。また胸椎の場合、下肢の知覚鈍麻の症状が多いため、知覚を取り戻すマッサージが行われます。

同じ椎間板ヘルニアという病名がついていますが、部位によって症状が違います。そのため、椎間板ヘルニアだからといって同じリハビリ内容にならないことが多いです。

禁忌はある?腰椎椎間板ヘルニアのやってはいけないリハビリ

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ここでは、腰椎に椎間板ヘルニアが起きた場合に、やってはいけないリハビリについて解説します。

禁忌1:安静期間を4日以上

腰椎椎間板ヘルニアは、横になっていると症状が和らぎます。しかし、ずっと寝ていても改善には至りません。むしろ安静期間を4日以上続けると、合併症を引き起こす可能性があります。

横になって安静にし続けていると、段々と筋肉が落ちていきます。下肢だけでなく上半身の筋肉も落ちるため、起きるのがもっと億劫に感じられるでしょう。結果として、将来的な寝たきり=廃用性症候群のリスクが高まります。

寝たきりリスクを軽減するためには、ずっと安静にしているのを避けなければいけません。起き上がるのがつらいのであれば3つの対策を試してみましょう。

  • コルセットをつける
  • 痛み止めを服用する
  • 寝ながらでもできるストレッチをする

禁忌2:中腰姿勢の運動

腰椎椎間板ヘルニアの中で最も禁忌とされているのは「中腰姿勢」です。背中を丸めたり前かがみになったりすると、強い痛みを感じます。

日常でも物を持ち上げる際、中腰にならないようにしましょう。膝を折ってしゃがんで、脚で持ち上げるようにします。

スポーツでも、医師の指示がない限りは中腰の姿勢になるスポーツはやってはいけません。症状の度合いによっては、スポーツ復帰が難しくなることもあります。

リハビリ以外の禁忌:喫煙は絶対NG

喫煙は絶対にしてはいけません。椎間板ヘルニア患者は必ず禁煙を命じられます。そもそも喫煙は、あらゆる腰痛を引き起こす疾患のリスクを高めるという研究結果があるのです。

タバコに含まれるニコチンには、毛細血管を収縮する効果があります。椎間板周囲の毛細血管も例外ではありません。椎間板の毛細血管が収縮すると、栄養が行き渡らなくなります。すると椎間板から水分と共に弾力性が失われて変性し、ヘルニアになってしまうのです。

腰椎椎間板以外の箇所でもヘルニアが起きる可能性があるため、基本的には禁煙するように命じられます。

【参考:日本禁煙推進医師歯科医師連盟「整形外科疾患に対する喫煙の影響」

効果が出やすい腰椎椎間板ヘルニアのリハビリ・運動療法とは

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腰椎部分で椎間板のヘルニアが起きた場合、どんなリハビリや治療法が一般的なのでしょうか?ここでは腰椎椎間板ヘルニアのリハビリや治療法について解説します。

痛みが弱い場合:マッケンジー体操

腰椎椎間板ヘルニアの痛みが弱い場合「マッケンジー体操(マッケンジー法)」という運動療法が取られることが多いです。

  1. 床やマットの上でうつ伏せになる。
  2. 肘を床につけて上半身を起き上がらせる
  3. 手をついてより腰をそらせる

このとき、勢いよく起き上がらずゆっくり行うのがポイントです。またお腹をつけたまま行います。

マッケンジー法は腰椎の構造的異常を矯正するために行います。しかし、腰に痛みが出たら中止するようにしましょう。基本は理学療法士がつきながら行います。

痛みが強いならコルセットの着用も

もし痛みがあり、日常生活が送りづらいならコルセットの着用も視野に入れましょう。

ただし、コルセットの長時間着用は禁物です。コルセットの着用は、腰部分を固定することと同じ。安静とほぼ変わりないため、腰回りの筋肉が落ちてしまう可能性があります。

コルセットは症状・痛みが強い時だけつけるのがおすすめです。症状が和らぎ、楽になってきたら外しましょう。

排尿・排便障害など…症状悪化のサインを知っておこう

腰椎椎間板ヘルニアは保存治療になる場合が多いです。しかし、症状が悪化することも。手術が必要な症状を知っておきましょう。

  • 排尿・排便障害…頻尿や残尿、排便がしづらいなどの症状
  • 下肢の脱力…脚に力が入らない、膝がガクッとなってしまう

腰椎の神経が障ると排尿・排便に関わる神経にも障害が出てしまいます。また、下肢に力が入らなくなることもあります。この2つの症状は、腰椎椎間板ヘルニアにおいて手術が必要な症状です。

まとめ:日常で腰椎に負担をかけないように椎間板ヘルニアのリハビリを

脊椎の中でも腰椎部分に起きてしまう椎間板ヘルニアでは、中腰にならないように気をつけてリハビリを行わなければいけません。仕事でも気をつけるようにしましょう。

大事なのは「腰椎に負担をかけないこと」です。前かがみや中腰は腰椎に負担がかかる動作なので、腰椎椎間板ヘルニアでない方も普段から気をつけるようにしましょう。

楽だからといって4日以上安静にするのも禁物です。また、喫煙はあらゆる腰痛・椎間板ヘルニアのリスクを高めます。普段から喫煙量が多い方は、禁煙すると腰痛のリスクが軽減するかもしれません。

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