NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 手首の骨折(橈骨遠位端骨折)|80代が一人で買い物できるまでの話

手首の骨折(橈骨遠位端骨折)|80代が一人で買い物できるまでの話

手首の骨折(橈骨遠位端骨折)|80代が一人で買い物できるまでの話

「手首を動かすだけで痛い。このまま動かなくなってしまうんじゃないか…」

転んで手をついた時に、手首を骨折してしまった80代の彼女。骨粗鬆症もあって、ちょっと転んだだけなのに骨が折れてしまいました。

ギプスで固定されて、手首はほとんど動かせない。痛みであまり動かせないから、筋力もどんどん落ちていく。家事などを満足にこなせない夫との二人暮らしで、病院に行くことも困難でした。

でも、自宅でリハビリを受けられることを知って、少しずつ回復していきました。今ではちょっとした買い物程度なら一人で行けるまでになったんです。

この事例では、高齢者に多い手首の骨折(橈骨遠位端骨折)について、なぜ起こるのか、放置するとどうなるのか、そしてリハビリで何ができるのかを、実際の改善事例とともに解説します。

橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)って何?

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橈骨遠位端骨折。難しい名前ですが、簡単に言うと「手首の骨折」です。

橈骨遠位端骨折とは、手首の親指側にある骨(橈骨)が折れることを指します。高齢者に多く、特に骨粗鬆症の方に多発する骨折です。

どうやって骨折するのか

ほとんどの場合、転んで手をついた時に起こります。

若い人なら手をついても骨は折れないことが多いですが、骨粗鬆症で骨がもろくなっている高齢者は、ちょっと転んで手をついただけで骨折してしまうんです。

骨折するとどうなるか

骨折すると、以下のような症状が現れます。

  • 手首に強い痛みが出る
  • 手首が腫れる
  • フォークを伏せて置いたような変形が見られる場合もある

手首が変形して見えるのは、骨がずれてしまっているからです。見た目にも分かるほどの変形が起こることもあります。

放置すると骨が変形して固まる|早期の治療とリハビリが大切

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橈骨遠位端骨折と診断されたら、適切な治療が必要です。

診断と治療の流れ

まず、レントゲン写真やCTで診断します。骨折が確認されたら、麻酔で痛みをとってから整復操作を行います。

整復操作とは、手首を引っ張ってずれた骨片を元に戻す処置のこと。手で骨の位置を戻すんですね。

整復操作で対応できない場合は、ギプスで固定したり手術が必要になります。

放置すると起こる危険なこと

骨折を放置すると、大変なことになります。

  • 骨が変形した状態で固まってしまう
  • 痛みが治まらない
  • 腫れが続く
  • 正中神経麻痺など合併症を引き起こす可能性がある

骨が変形したまま固まってしまうと、手首の動きが制限されて、日常生活に大きな支障が出ます。

正中神経麻痺というのは、手のしびれや感覚が鈍くなる症状です。これが起こると、手の細かい作業がさらに困難になります。

だから、早期に診断・治療し、リハビリに進めていくことが大切なんです。

リハビリの内容|ギプス固定中から始める

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橈骨遠位端骨折のリハビリは、ギプス固定中から始まります。

ギプスが固定されている時(術後早期)

ギプスで固定されている状態でも、できることはあります。

  • マッサージ
  • 前腕や手指など関節可動域訓練

ギプスで固定されていても、手の指は動かせます。指を曲げたり伸ばしたりする訓練を行います。

前腕(肘から手首までの部分)も、ギプスで完全に固定されていない部分は動かせるので、できる範囲で動かしていきます。

これによって、筋力の低下を最小限に抑えることができます。

ギプスを外した後(術後回復期)

ギプスを除去した後は、本格的なリハビリが始まります。

  • 手首関節や手根骨など徐々に範囲を広げた可動域訓練
  • リハビリ終了後の炎症を抑える寒冷療法(クーリング)

最初は手首をゆっくり動かすところから。痛みが出ない範囲で、少しずつ動かす範囲を広げていきます。

手根骨というのは、手首にある小さな骨のこと。これらの骨も動かすことで、手首全体の動きを取り戻していきます。

リハビリ後は炎症が起こりやすいので、冷やすことで炎症を抑えます。これが寒冷療法(クーリング)です。

「手首だけ治ってもまた転んでは意味がない」80代女性の気づき

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骨折してから、手首を動かすだけで痛い毎日が続いていました。痛みであまり動かせないことによる筋力の低下も気になりだしていた彼女。

家事などを満足にこなせない夫との二人暮らしのため、病院に行くことも困難です。夫も高齢で車の運転ができず、タクシーを使うのも大変。

自宅でリハビリができることを知った

そんなとき、自宅でできる「自費リハビリ」の存在をチラシで知りました。

「来てもらってリハビリできるなら、それにこしたことはない」

そう思って問い合わせたそうです。

手のリハビリだけじゃなかった

実際にリハビリが始まると、手のリハビリだけかと思っていたら、転びにくくするための動きやスムーズに体を動かす方法まで教えてもらったとのこと。

理学療法士から言われたのは、こんなことでした。

「手首の骨折は治りますが、また転んでしまったら同じことの繰り返しです。転ばないための体づくりも一緒にやりましょう」

その言葉を聞いて、彼女はハッとしました。

「手首だけ治ってもまた転んでしまっては意味がない…」

それから、転ばないようにするために毎日の生活で意識し始めました。

気持ちが前向きに変わった

歩く時の姿勢、階段の上り下り、椅子から立ち上がる時の動作。色々なことを教えてもらって、次第に気持ちが前向きになっていったそうです。

リハビリが辛いときもありました。手首を動かすと痛いし、思うように動かない。でも、少しずつできることが増えていくのが嬉しかった。

そして、回復が早まり、今ではちょっとした買い物程度なら一人で行けるまでになりました。

「どうしたら安全に過ごせるのか」を考えるきっかけになったそうです。

病院に行かずにできる|自費リハビリの3つのメリット

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彼女が受けたのは、自費訪問リハビリです。保険適用のリハビリとは何が違うのでしょうか。

メリット1:日数や時間の制限がない

保険適用のリハビリは、疾患ごとに入院日数の上限が決められています。上限日数に達すれば、たとえ車椅子のままでも自宅や施設に戻らないといけません。

一方、自費訪問リハビリは、保険適用内の制限がありません。上限日数や時間を気にすることなく、自分の好きなだけリハビリを行えます。

メリット2:自宅でリラックスした状態で受けられる

病院やリハビリ施設に通うのは、高齢者にとって大きな負担です。特に骨折直後は、移動自体が困難なことも多いです。

自費訪問リハビリなら、自宅でリラックスした状態でリハビリを受けられます。通院の負担がないので、体力的にも楽です。

メリット3:手のリハビリ以外も受けられる

彼女のケースでは、手のリハビリだけでなく、転びにくくするためのリハビリも受けることができました。

上限を気にしないで、必要なリハビリを全て受けられる。これが自費リハビリの大きなメリットです。

日常生活で意識し始めてから気持ちの面でもポジティブになることに成功しました。

自宅での過ごし方のアドバイスももらえる

手が使えないというのは、想像以上に過酷なものです。食事やお風呂など自分一人では大変です。

リハビリスタッフに自宅での過ごし方のアドバイスもしてもらえます。

「お風呂に入る時はこうすれば安全」「料理をする時はこんな工夫をすると楽」など、具体的なアドバイスがもらえるのは助かりますよね。

手首の骨折後に起こりうる2次障害

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橈骨遠位端骨折は、骨折が癒合しても手の機能を回復させるためのリハビリを行うことが重要です。

手の機能は多様で複雑

手の機能には、握る・つまむ・支えるなど多くの機能があります。

箸を使う、ペンを持つ、コップを持つ、ドアノブを回す。日常生活のあらゆる場面で、手の細かい動きが必要です。

だから、リハビリで可動域や筋力など細やかな確認を行う必要があるんです。

放置すると起こる2次障害

放置すると、以下のような2次障害を起こしてしまう可能性があります。

  • 骨の変形

骨が変形したまま固まってしまうと、手首の動きが制限されます。手を開く、手を閉じる、手首を回す。こうした動作ができなくなります。

  • 肘・肩の痛み

手の動きを肘や肩でかばうことによる肘・肩の痛みが出ることもあります。

手首が動かないから、肘や肩を無理に動かして補おうとする。その結果、肘や肩に負担がかかって痛みが出るんです。

だから、早期から適切な処置やリハビリを行わなければなりません。

骨粗鬆症の高齢者は特に注意|転倒予防が大切

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橈骨遠位端骨折は、骨粗鬆症の高齢者に多発します。

骨粗鬆症で骨がもろくなっていると、ちょっとした転倒でも骨折してしまいます。

転倒予防のためにできること

彼女のように、自費訪問リハビリで自宅で自分のペースに合わせたリハビリを行い、骨折しないための根本解決に取り組む方法が有効です。

具体的には、以下のようなことを意識しましょう。

  • 歩く時の姿勢を正す
  • 階段は手すりをしっかり持つ
  • 段差につまずかないように足を上げて歩く
  • 滑りやすい場所では特に注意する
  • 筋力をつけて転びにくい体を作る

手首の骨折を治すだけでなく、また転ばないための体づくりをすることが大切です。

よくある質問

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Q:橈骨遠位端骨折はどれくらいで治る?

一般的に、骨が癒合するまでに6〜8週間程度かかります。ただし、骨がくっついても手の機能が完全に回復するわけではないので、リハビリが必要です。

Q:ギプスはどれくらいつけるの?

通常、4〜6週間程度ギプスで固定します。骨折の程度によって期間は変わります。

Q:手術が必要な場合もある?

はい、骨のずれが大きい場合や、整復操作で元に戻らない場合は手術が必要になることもあります。

Q:高齢者は骨がつきにくい?

骨粗鬆症があると、骨がつくのに時間がかかることがあります。また、骨がついても強度が弱いこともあるので、リハビリで筋力をつけることが大切です。

Q:リハビリをしないとどうなる?

手首が固まって動かなくなったり、筋力が落ちて日常生活に支障が出たりします。また、肘や肩で手の動きをかばうことで、肘や肩の痛みが出ることもあります。

Q:自宅でできるリハビリはある?

ギプスを外した後なら、手首をゆっくり動かす、手の指を開いたり閉じたりする、といった簡単な運動ができます。ただし、痛みが出ない範囲で行うことが大切です。

最後に

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転んで手をついた時に手首を骨折してしまった80代の彼女。

痛みで手首を動かせず、筋力も落ちて、日常生活に大きな支障が出ていました。夫との二人暮らしで、病院に行くことも困難でした。

でも、自宅でリハビリを受けられることを知って、少しずつ回復していきました。

手のリハビリだけでなく、転びにくくするための動きやスムーズに体を動かす方法まで教えてもらって、次第に気持ちが前向きに。

「手首だけ治ってもまた転んでしまっては意味がない」

そう気づいてから、転ばないようにするために毎日の生活で意識し始めました。その結果、回復が早まり、今ではちょっとした買い物程度なら一人で行けるまでになったんです。

橈骨遠位端骨折は、高齢者に多い骨折です。特に骨粗鬆症の方は、ちょっと転んだだけで骨折してしまうことがあります。

もし骨折してしまったら、早期に診断・治療し、リハビリに取り組むことが大切です。放置すると、骨が変形したまま固まったり、手の機能が回復しなかったりします。

そして、骨折を治すだけでなく、また転ばないための体づくりをすることも忘れずに。

手首の骨折は治ります。でも、また転んでしまったら同じことの繰り返し。転倒予防に取り組んで、安全に過ごせる体を作りましょう。

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