フレイル症状の特徴や改善方法をご紹介!健康長寿は今からでも遅くない
2024.11.11
年齢を重ねると、誰もが体の衰えを感じるものです。しかし、その衰えはもしかするとフレイルと呼ばれる状態かもしれません。フレイルとは、高齢者に見られる虚弱な状態のことで、そのまま放っておくと、転倒による骨折や感染症から肺炎を引き起こし、最悪の場合は寝たきりになってしまうこともあります。
心配なフレイルですが、正しい生活習慣を続けることで改善できるのが特徴です。そこで今回は、フレイルの症状やその改善方法について詳しく解説します。
目次
フレイル症状とはどんな状態?原因や今後起こりうる状態を解説
フレイルとは、加齢と慢性疾患により、心身が脆く衰えた状態になっている事を言います。
健康な状態と、要介護の状態の狭間にいる事をあらわし、自覚症状がありません。その理由と原因を解説します。
フレイルの症状と特徴
病院で診断されることも少ないので、気づかずに進行してしまう怖れがあるのもフレイルの特徴。
フレイルの症状:体重減少、疲労感、筋力低下など
*単なるだるさなどとは違う
フレイルは、身体的要因、社会的要因、心理的要因の3つが影響しあうという特徴があります。例えば、体力の低下から外出機会が減り、そのことで認知機能の低下や抑うつ状態につながるのもフレイルの特徴です。
なぜフレイル症状が起こるのか
フレイルは、加齢に伴った身体機能の低下により引き起こされます。身体機能が低下すると、外出する気力も減り、こもりがちになることも。
他にも、口腔機能の衰えである「オーラルフレイル」が原因になることも考えられます。
硬い物が食べられなくなると、自然に栄養が偏ってしまうため、栄養不足から体力、筋力が弱くなることも考えられるでしょう。
一概に、「これが原因である」という答えもないため、知らず知らずのうちに進行するのもフレイルの症状と捉えてください。進行自体もさまざまな要因があるため注意しましょう。
フレイル症状を放っておくとどうなる?
フレイルは、正しい対処方法で健康状態に戻れるのが特徴ですが、放っておけば要介護状態になる危険が高まります。
身体機能が衰えれば、転倒や骨折の原因になり、抵抗力が弱い状態だと、インフルエンザなどの感染症が重症化する恐れもあります。将来寝たきりにならないためにも、フレイル状態を改善する努力が必要です。
少しでも疑いを持ったら病院へいくこともおすすめです。
フレイル症状は改善できる?食事・運動・社会参加・治療の必要性
フレイルは、生活習慣を見直すことで改善することができます。自分自身で気を付けたり、家族のサポートで改善する症状もあります。フレイル改善のために4つのポイントを意識しましょう。
①十分なエネルギー量の食事
フレイルを改善するために、食事の質と量に気を付けて生活しましょう。食事の内容が悪いと、筋肉がやせ細ったり、それにより体重が減ってしまう事があります。
特に1人暮らしの高齢者は、食事回数が少なかったり、栄養のバランスが悪くなりやすいことが指摘されています。質の良い食事のために、3食しっかり食べることを意識しましょう。
加えて、朝タンパク質をしっかり補給することでフレイルが予防できるという報告もあります。運動しても食事が足りなければフレイルの症状を改善することができないので、食生活の改善を心がけてください。
②日常生活の中でできる運動
フレイルを改善するために、運動で筋力と体力を向上させる必要があります。この時、難しい運動をする必要はありません。まずは、散歩などの有酸素運動から始めるといいでしょう。
運動に慣れてきたらスクワットなどの筋トレを追加してください。
65歳以上の高齢者は1日40分運動の時間を確保する必要があるとされています。運動だけで40分は大変に感じますが、家事も立派な運動と捉えるといいでしょう。
横になっている時間を極力少なくするようにすることで、今より身体機能を向上させることができます。
③社会参加を積極的にする
フレイルは社会的要因が原因となって発症する人もいます。そこで、地域活動に積極的に参加するなどして、他者とコミュニケーションを取る機会を増やしましょう。
他者とコミュニケーションを取ることで、認知症を予防できたり、抑うつ状態を改善することができます。地域の活動が苦手という人は、家の近くを散歩して、近所の人と世間話をするという形でも大丈夫です。
他にも、家族と買い物に出かけるのもフレイル予防になります。手段や形は問わず、人と関わる機会を作るようにしましょう。
④病気の治療を行う
フレイルを改善するなら、持病の治療が必要不可欠です。なぜなら、心疾患や糖尿病などの病気を患ったままでは、運動や食生活を改善しても、その効果は小さくなります。
逆に病気の治療をしっかり行うことで、フレイルの症状を改善し、健康的な身体を手に入れることができます。要介護状態に陥らないためにも、持病の治療は継続して行うようにしましょう。
フレイル症状を積極的に改善したいなら専門機関へ相談する方法も
フレイルの状態を改善するのに、自分の力だけでは限界があるケースもあります。フレイル症状を積極的に改善したければ、専門家を尋ねるのが1番。専門の病院や、自費のリハビリサービスを利用する手段があります。
高齢者に詳しい病院に相談
フレイルに悩む人に向けて、フレイル外来を設置している病院があります。他にも、老年内科や、老年病科という診療科にフレイルの専門医がいます。まずは、かかりつけ医の下で、現状の悩みを相談してみましょう。
相談する際には、「いつから」「どのような症状が出ているか」「気分の浮き沈みはないか」「症状が生まれる弊害」などを事前に整理しておくことがおすすめです。専門医や主治医に自分の状況を正しく伝えることも大切なことでしょう。
自費の介護・リハビリサービスを利用する
介護保険を利用したデイサービスなどは、リハビリの時間や回数に制限があるため、物足りなさを感じる人がいます。「もっとしっかりリハビリを受けたい!」という人は自費のリハビリサービスを利用しましょう。
中には、自宅に訪問してくれるサービスもあるので、細かいところまで専門家のアドバイスを受けることができます。将来の寝たきりを予防するために、自費のリハビリサービスを検討することもおすすめですよ。
フレイルの症状とは?|まとめ
フレイルという言葉を聞いたことがありますか?これは、他の老化現象や病気とは異なる特徴を持つ、高齢者に見られる「虚弱」状態のことを指します。簡単に言うと、体や心の元気がなくなって、さまざまな機能が低下しやすい状態です。
フレイルの主な症状には、次のようなものがあります。
- 筋力の低下:歩くのが遅くなったり、重い物を持ち上げるのが難しくなったりします。
- 疲労感:少し動いただけで疲れてしまい、休みたくなります。
- 体重減少:食欲がなくなって、体重が減ってしまいます。
- 気力の低下:何事にもやる気が出ず、楽しめなくなります。
- うつ傾向:気持ちが沈んでしまい、悲しい気持ちになることがあります。
これらの症状が出ると、日常生活が大変になります。しかし、フレイルは正しいケアや生活習慣の改善で進行を防ぐことが可能です。
まず、症状をしっかりと病院の先生に伝えることが大切です。先生は適切なアドバイスや治療をしてくれます。そして、日頃の生活での取り組み方を見直すことで、活力のある生活を取り戻すことができます。
たとえば、バランスの良い食事を心がけたり、無理のない範囲での運動を取り入れたり、趣味や友人との交流を増やすことで気分も明るくなります。家族や周りの人と協力して、健康的な生活を続けることが大切です。
フレイルに負けず、元気な毎日を目指しましょう。