NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳卒中の予後予測が不安…リハビリの目的や効果的な取り組み方法をご紹介

脳卒中の予後予測が不安…リハビリの目的や効果的な取り組み方法をご紹介

脳卒中の予後予測が不安…リハビリの目的や効果的な取り組み方法をご紹介

脳卒中になったら、「元の生活に戻れるのか」「将来望む生活が送れるのか」と心配になる方が多いでしょう。

医療現場で使われる「予後」とは、病気や治療の経過を示すもので、医師から予後予測が悪いと言われると、不安に感じるのも無理はありません。特に、運動機能の予後は生活に直結するため、心配が増すことが多いです。

しかし、脳卒中発症後にリハビリを行うことで、運動機能の予後予測が良くなる可能性があります。ここでは、脳卒中の予後予測に関するデータとともに、運動機能回復のためのリハビリの重要性や効果的な取り組み方を解説します。ぜひ参考にしてください。

脳卒中の予後はどう判断される?運動機能の予後予測データも

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脳卒中の予後予測には個人差がありますが、脳卒中患者さんの生活場所や障害の程度をデータとして知っておくと安心できます。予後予測を左右する要因は主に4つです。

運動機能回復には発症からの時間とできる動作によって予後予測が変わるというデータがあるので、そちらも併せてご紹介します。

脳卒中の予後予測のデータを紹介

以前、脳卒中は日本人の死因の第1位で、予後は大変悪いものでした。現在は医療技術の発展により、日本人の死因としては第4位と死に直結する病気ではなくなったのです。

発症3ヶ月後に自宅で生活できる18〜65歳の脳卒中患者さんの割合は64%といわれています。全体の69%の患者さんが、全く症候がない状態から軽度の障害を持ちながら生活をしているのが現状です。

しかし、なかには中等度から重度の障害を抱えながら生活する方がいらっしゃいます。

参考:厚生労働省「図表1-2-6脳卒中患者(18-65歳)の予後」

脳卒中の予後予測を左右する要因

脳卒中の予後予測を左右する主な要因は以下の4つです。

  1. 脳卒中の種類(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
  2. 年齢(一般的に高齢の方ほど予後が悪い)
  3. 健康状態や既往歴
  4. 発症からの時間

脳卒中による運動機能回復の予後予測は個人差が大きいですが、脳の障害が軽ければ回復が良いといわれています。脳卒中発症後の運動機能の予後予測について、以下の基準が報告されているので参考にしてください。

  • 発症後2日以内に指を動かすことができ、腕を横に上げられる場合、2ヶ月以内に手の器用さが改善する確率は98%
  • 発症後72時間以内に座り、麻痺がある側の筋肉が収縮できる場合、6ヶ月以内に1人で歩行できる確率は98%

参考:JHOSPITAISTnetwork「脳卒中の予後予測」

脳卒中の予後予測は変わる?リハビリはいつ・どこで受けるのか

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脳卒中発症後、医師から予後予測を聞いて「より良くなったらいいのに」「予後予測は変わらないの?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

脳卒中後の運動機能回復にはリハビリが有効と報告されています。脳卒中は発症からの時期によって、リハビリが受けられる場所や目的が異なるので、併せてご紹介します。

脳は回復する?リハビリを受ける意義

脳には可塑性(かそせい)といって、脳への刺激によって脳細胞の神経回路が回復される仕組みがあります。そのため、脳卒中発症初期からのリハビリが予後予測を良い方向へ変える可能性があるのです。

参考:理学療法学「脳の機能回復と神経可塑性」

【時期別】リハビリを受けられる場所と内容

脳卒中発症後の時期別にリハビリが行われる場所や内容をご紹介します。

・急性期(発症〜約1ヶ月)

脳卒中発症後、48時間以内に救急搬送された病院でリハビリが開始されます。ベッドサイドで寝返りや起き上がりなどの動作の回復が目的です。

・回復期(発症後約1〜6ヶ月)

回復期病棟やリハビリ専門病院に転院してリハビリを受ける時期です。起き上がりや歩行などの基本動作に加え、家事や買い物など日常生活に戻るためのリハビリが実施されます。特に運動機能は発症後3〜6ヶ月の間に顕著に回復するといわれています。

・生活期(発症約6ヶ月〜)

通所や通院をして、社会参加のために運動療法・自主訓練をする時期です。機能の維持やより豊かな生活が送れるようにリハビリが実施されます。

参考:厚生労働省「事業場における治療と職業生活の両立支援脳卒中に関する留意事項」

診断から180日が過ぎた場合の対処法

脳卒中の診断から180日が経過すると医療保険でリハビリを受けられなくなるので注意しましょう。リハビリを継続する方法は2つあります。

  1. 介護認定を受ける
  2. 自費で民間会社のリハビリを利用する

発症後180日以降もリハビリを継続したい場合は、脳卒中診断直後の予後予測に変更があるかどうかを医師に確認すると安心です。

脳卒中の予後予測を良くしたい…効果的なリハビリの受け方3つ

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脳卒中による運動機能障害には予後予測に関わらずリハビリが有効ですが、長期間リハビリが続くと焦りや不安を抱える方が多いです。

リハビリは患者さん自ら能動的に取り組み、活動量を確保すると効果が出やすいと報告されています。そのため、前向きかつ継続的にリハビリに参加するのが重要です。

脳卒中患者さんのリハビリをより効果的に行う方法が3つあります。

参考:作業療法「脳卒中患者のリハビリテーションへのモチベーションに関するシステマティックレビュー」

今日できたことを喜ぶ

リハビリを毎日受けていても、思った通りの効果が出ずに焦ってしまうかもしれません。しかし、リハビリは続けることに効果があります。毎日体を動かし続けると、筋力低下や関節拘縮を予防できるからです。

リハビリの効果が出ていないと感じたら、できた喜びを1つ1つ積み上げていきましょう。今日できたことを客観視するために紙やノートに書き出す方法がオススメです。

リハビリを行う目標を立てる

リハビリを前向きに行うためには、目標が必要です。今後豊かな生活を送るために、やりたいこと・再開したいことを思い浮かべてみましょう。仕事や趣味などでも良いですし、自宅での理想の過ごし方でも構いません。

不明な点はスタッフに相談する

リハビリ内容に不明点や不安がある場合は、スタッフに相談してみましょう。

  • ご自身の目標にリハビリの内容が合っているかどうか
  • 医師の予後予測やスタッフの目指すゴールが一致しているか

このような点を明確にしておくと、リハビリ内容に信頼が持て、前向きに取り組めます。

脳卒中後の予後予測とは?リハビリを効果的に受ける方法|まとめ

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データを基に脳卒中の予後予測についてご紹介しました。医療の発展により、脳卒中での死亡率は減る一方で、運動機能に障害が残る患者さんがいらっしゃいます。

脳卒中による運動機能の回復には、リハビリが有効です。特に発症後3〜6ヶ月は運動回復が見込めるため、積極的にリハビリを行うことが推奨されています。

しかし、長く続くリハビリに苦痛を感じる方もいらっしゃるでしょう。その場合は、1つ1つできたことを積み重ね、今後の目標を立てることが大切です。

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