筋肉が「こわばる」のは体が発しているサイン。ただの疲れで済ませないための見極め方と、現場で伝える解消のコツ
2025.01.15
「朝、起きた瞬間に体が板のように固まっている」「指先がこわばってボタンがうまく留められない」……。 そんなとき、私たちはつい「トシのせいかな」「昨日疲れたからかな」と自分を納得させてしまいがちです。
しかし、訪問リハビリの現場で多くの「こわばり」を見てきた経験から言うと、その違和感は体が助けを求めている重要なサインかもしれません。
今回は、筋肉のこわばりを感じている方が「まず自分の体で何を確かめるべきか」、そして「今日から自宅でどう向き合うべきか」を、教科書通りではないリハビリの視点で整理しました。
こわばりが筋肉に起きる原因と対処法、病気が隠れているサインをご紹介します。
目次
何故こわばりが筋肉に起こるのか?病気の可能性があるかを解説

こわばりは身体の異変のサインですが、必ずしも病気が隠れているとは限りません。こわばりの原因がわかれば、慌てずに対処できます。こわばりの起こる原因と病気の可能性について解説します。
筋肉がこわばる原因
筋肉のこわばりは筋肉の緊張状態が続き、リラックスできないまま固まってしまっていることが原因です。
運動後のケア不足や、デスクワーク、スマートフォンの使用などで長時間同じ姿勢を続けると、筋肉がリラックスできない状態が続きます。
そのほかにも、ストレスや不安などの心理的な緊張や、寒さも筋肉が緊張する原因の1つです。
日常的な負担が続いたことによって、筋肉が硬くなっていることが多くあります。こわばりが起きただけでは、病気が原因だとは断定できません。
筋肉がこわばるメカニズム
筋肉は縮んだり緩んだりしながら、緊張状態と弛緩(しかん)状態を繰り返しています。こわばりは緊張し続けた結果、筋肉が硬くなったままで戻れなくなった状態です。この状態になると、本人は『体が板のように固まって動かしにくい』と感じたり、無理に動かそうとすると『突っ張るような痛み』を覚えたりします。
緊張状態になるのは、運動しているときだけではありません。同じ姿勢を続けるデスクワークは筋肉がこわばりやすくなります。ストレスによって交感神経が刺激されている状態も、筋肉が収縮し続ける原因の1つです。
筋肉がこわばる原因には、日常生活の習慣や心の状態も影響しています。こわばりが病気によるものとは限りません。
こわばりが起こる病気
こわばりが起こる病気は、病院での診察が必要なものばかりです。日常生活に大きな影響が出る病気が多く、症状の見極めが重要です。
筋肉にこわばりを感じる症状は、以下の病名が例に挙げられます。
- 関節リウマチ
- リウマチ性多発筋痛症
- 線維筋痛症
- パーキンソン病
こわばり以外の症状が出たり、強い痛みを感じたりした場合は、病気のサインかもしれません。自己判断はしないで、早期の診察を受けましょう。
【状況別】こわばりが筋肉にみられたら…何をすると改善する?

こわばりの原因が推測できれば、適切な対処をとれば症状の改善が見込めます。症状に応じた改善方法をご紹介します。
同じ姿勢が続く時
同じ姿勢が続くと、筋肉が硬くなった状態が続き血行不良になります。血行不良の改善がこわばりを解消するきっかけになる可能性があります。
身体の緊張をほぐすには、ストレッチが効果的です。ウォーキングやヨガなどを、日常の習慣に取り入れるのもいいでしょう。
立ち仕事やデスクワークの方は、勤務中でも取り組みやすいストレッチをYouTubeや書籍で探してみるのもおすすめです。スマートフォンも同じ姿勢を続ける原因なので、長時間の操作を止めるのもこわばり解消に効果的です。
筋肉が疲労した時
筋肉を使いすぎると体にたまった疲労物質で、痛みやこわばりを感じることがあります。3日〜1週間程度で痛みが和らぐことが多いですが、症状が長く続く場合は通院が必要です。
運動や肉体労働のあと、お風呂上りで筋肉が温まっているときのストレッチが筋肉疲労の軽減に効果的です。十分な睡眠をとり、身体をしっかり休めることも忘れてはいけません。
普段からストレッチで筋肉を休ませる習慣をつけましょう。身体の疲れを取るだけでなく、ケガの予防にもつながります。
ストレスを抱えている時
ストレスを抱えているときは、交感神経が活発になります。こわばりの改善には、自律神経を整えなければいけません。
運動や十分な睡眠、入浴、趣味へ没頭することで、ストレス発散への効果が期待できます。短時間のストレス解消には、筋弛緩法のストレッチがこわばりの対処法におすすめです。深呼吸や甘い物を食べることでもリラックスできます。
ストレスは身体にさまざまな悪影響を与えます。こわばりを感じたときは、悪化する前にストレス発散に取り組んでください。
こわばりが筋肉に起き続ける時は病院へ!受診タイミングと診療科

筋肉のこわばりが続くときは、病気が隠れているサインかもしれません。早期に病気が発見できれば、症状を緩和できる可能性があります。受診が必要なタイミングと診療科をご紹介します。
受診するべきタイミング
こわばりが筋肉に起き続けたり強い痛みを感じたりしたときは、迷わずに通院し診察を受けてください。
起床時にこわばりを感じることが多く、痛みやしびれを感じたときは要注意です。発熱や倦怠感などを伴った症状が続く場合も受診するべきタイミングといえます。
こわばりが原因で日常生活に支障が出ることもあります。症状が治まらないときは、専門医に相談してみましょう。
症状別の受診先
症状別の受診先をご紹介します。
| 症状 | 病名 | 受診先 | リハビリでの対応(現場の知恵) |
| 関節にこわばりや腫れ、痛み、朝の周囲の関節がこわばる | 関節リウマチ | リウマチ科・膠原病科 | 関節の保護と、負担の少ない動かし方の指導 |
| 全身の動きが悪くなり、けいれん・頭痛・眠れなくなる | 線維筋痛症 | 内科・心療内科・リウマチ科 | 全身の緊張を解くリラクゼーションと軽い運動 |
| 指がこわばる・曲がったままで伸ばせなくなる | ばね指 | 整形外科 | 指のストレッチと、再発を防ぐ手の使い方の工夫 |
| なにもしていないときほど、ふるえ・動きが遅くなる・転びやすくなる | パーキンソン病 | 脳神経内科・神経内科 | 固まった動きをほぐすためのリズム運動や歩行訓練 |
| 肩、首周辺、太ももなどのこわばり・動かした際に強い痛みを感じる | リウマチ性多発筋痛症 | リウマチ科 | 痛みに配慮した範囲での可動域訓練と生活動作の工夫 |
上記はあくまで一例です。同じ症状でも、違う病気が原因かもしれません。近くに受診できる病院がないときは、かかりつけ医に電話で受診先を相談してみましょう。
参考:関節リウマチ(rheumatoidarthritis:RA)
参考:線維筋痛症
「体が重い、動かしにくい」を感じたときに知っておきたいQ&A

Q. こわばりは何科に行けばいいですか?
A. 朝の指先のこわばりなら整形外科やリウマチ科、手足が勝手に突っ張る・震えるなどの症状なら脳神経内科へ相談してみてください。
Q. こわばりに効く食べ物はありますか?
A. 即効性のあるものはありませんが、血行を助けるビタミンEや、筋肉の働きをサポートするマグネシウムを意識して摂る、そして何より『十分な水分補給』が重要です。
まとめ|こわばりが筋肉に起きるのは病気?

こわばりとは、筋肉がかたく感じたり、動かしにくくなることをいいます。多くの人は、これを「疲労」や「ストレス」、「同じ姿勢を続けている」ことが原因だと思いがちです。しかし、筋肉にこわばりを感じたときには、下のような病気が関係している可能性もあります。
- 関節リウマチ
- リウマチ性多発筋痛症
- 線維筋痛症
- パーキンソン病
など。
また、ほかの病気の後遺症が原因である場合もあります。もしこわばりが強く出たり、筋肉に違和感があるときは、専門医に診てもらうことが大切です。ここにあげた診断先はあくまで一例なので、ほかの先生にも意見をきくセカンドオピニオンを考えるのもおすすめです。






