NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 転倒予防の新常識!二重課題リハビリの脳への驚きの効果と実践方法

転倒予防の新常識!二重課題リハビリの脳への驚きの効果と実践方法

転倒予防の新常識!二重課題リハビリの脳への驚きの効果と実践方法

運動・認知機能を向上させて日常生活をより豊かにしたいと思ったら、リハビリやトレーニング方法を検索・検討する方が多いでしょう。リハビリのトレーニングは様々な方法があり、二重課題トレーニングはそのうちの1つです。

二重課題をリハビリに取り入れると転倒予防になるという情報を見た方もいらっしゃるかもしれません。しかし、なぜ二重課題が転倒予防になるのでしょうか。脳の機能の観点から二重課題トレーニングが転倒予防につながる理由があります。

この記事では、二重課題トレーニングの効果・リハビリの例・1人でも取り組めるのかについてご紹介します。

二重課題トレーニングをリハビリに入れる効果や対象になる方とは

画像

二重課題トレーニングは2つの異なる課題を同時に行うリハビリ方法で、転倒予防になるといわれています。転倒予防や歩行能力の改善の方法はほかにもありますが、なぜ二重課題トレーニングが良いとされるのでしょうか。脳への効果や二重トレーニングを行うのがオススメな対象の方についても紹介します。

二重課題が転倒予防になる理由

人間が歩く時には、歩く動作をしながら周囲に危険がないかを確認・判断しています。しかし、高齢になると動作と思考が繋がりくくなり、段差や障害物を避けられずに転倒してしまうのです。65歳以上の高齢者の4人に1人は年1回以上の転倒経験があると報告されています。

二重課題トレーニングをリハビリで行う場合、1つは運動に関するもの、もう1つは認知機能に関するものを実施します。運動と認知を同時に鍛えることができ、転倒予防効果があるといわれているのです。

また、「〜しながら〜する」動作は歩行だけではありません。家事や外出などの日常生活の中にも動きながら考える機会はたくさんあります。二重課題トレーニングは日常生活での複雑な動作や状況に対応するための能力を向上させるのも目的です。

二重課題トレーニングの脳への効果

脳の前頭前野は集中力を高めて作業に専念させる・精神の制御・状況に合わない思考や行動の抑制を担っています。そのため、高齢になったり病気になったりすると、前頭前野の認知機能が低下して判断が遅くなるのです。

二重課題トレーニングを行うと前頭前野が活性化する効果が報告されています。認知機能が低下すると歩行速度が低下する報告もあるため、運動機能と同時に認知機能を維持するのも大切だといえるでしょう。

二重課題トレーニングが必要な方は?

二重課題トレーニングをリハビリで行うと効果があると報告されているのは、以下のような方です。

  • 高齢者
  • 脳卒中患者
  • パーキンソン病
  • 認知症

運動機能低下により歩行が難しくなると認知機能が低下し、転倒リスクが増えたり、転倒して寝たきりになってしまうかもしれません。寝たきりなど運動が制限された状態になると、認知機能がさらに低下する悪循環が起こる可能性もあるのです。このような悪循環を防ぐために、二重課題トレーニングが検討される場合があります。

参考:東邦大学「ストレスと脳」

参考:二重課題干渉に着目した転倒予防への取り組み

二重課題は具体的にどんなことをするのか…リハビリ例を3つ紹介

画像

二重課題トレーニングはリハビリスタッフによって行う内容が変わります。基本的には運動課題と認知課題が組み合わされますが、実施内容の例を知っておくと安心できるでしょう。二重課題トレーニングがリハビリ場面で行われる例を3つ紹介します。リハビリの内容について「どのような効果があるのか」と疑問に思った場合は、すぐにスタッフに確認しましょう。

①歩きながら考える課題

歩行や転倒予防を目的とする方は、歩きながら考える課題が取り入れられます。例えば、以下のような課題です。

  • 歩きながら100から逆に数字を数える
  • 足踏みしながら食べ物の名前を言う

認知課題は考えようとすることが重要です。そのため、すぐに回答できなくても焦る必要はありません。考えようとするだけでも脳の血流が向上したり、脳の使われていない部分が活性化されたりします。

②運動しながら会話をする

運動をしながら会話をするのも二重課題トレーニングとなります。例えば、筋力トレーニングをしながら特定のテーマについて話すことです。運動中にただ会話するだけでも二重課題の効果はありますが、特定のテーマについて考えて話すことがポイントです。

料理をする方であれば、運動課題を行いながら昨日の夕食の作り方を紹介したり、昨日あった楽しかったことを話したりするとさらに効果が期待できます。

③日常生活動作をしながら認知活動をする

日常生活動作はそれ自体、運動機能と認知機能のどちらも使っています。そのため、日常生活動作を二重課題トレーニングに取り入れるリハビリは、上級編といえるでしょう。

例えば、掃除をしながら計算問題をしたり、料理をしながらしりとりをするトレーニングが行われます。

二重課題トレーニングは1人でできる?リハビリを行う重要性とは

画像

二重課題トレーニングの内容を知ると「日常生活の中でもできるのでは?」と感じる方がいらっしゃるでしょう。簡単な課題は日常生活の中で行うのが大切です。しかし、二重課題トレーニングをリハビリとして行う必要性があります。より豊かな日常生活を送るためにリハビリの重要性も知っておきましょう。

簡単な課題は日常生活に取り入れる

二重課題トレーニングはリハビリの時間だけではなく、日常生活の中で継続するのが大切です。脳は使えば使うほど活性化される仕組みがあるためです。以下に日常生活で二重課題トレーニングを取り入れる例をご紹介します。

  • 家の中で歩きながら1から100まで数える
  • 体操をしながら昨日や一昨日食べたものを思い出す
  • 椅子に座ったまま足踏みをして、五十音を逆から言う

専門家の指導があるとより安心

負荷がかかる運動課題やバランスをとる必要がある動作は運動機能をチェックしてもらった後で進めましょう。二重課題に慣れないうちに無理な運動を行うと、怪我や転倒のリスクとなってしまうためです。

専門家の指導があると自分に合った二重課題トレーニングが実施可能です。また、1人で二重課題トレーニングを行うと会話などの課題ができません。そのため、二重課題をリハビリとしてスタッフと行うと、ゲーム感覚のように続けられますよ。

二重課題トレーニングとリハビリ|まとめ

画像

二重課題をリハビリに取り入れるメリットを知っていますか?今回は脳の機能の観点から二重課題トレーニングが転倒予防につながる理由をご紹介しました。

二重課題トレーニングがリハビリの現場で行われている内容や例をご紹介しましたが、リハビリスタッフによって行う内容が変わります。

とはいえ、基本的には運動課題と認知課題が組み合わされますので、基本部分や実施方法を知っておくと安心して取り組めるでしょう。

  • facebookでシェア
  • Xでシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご相談・お問い合わせ

初めてでも大丈夫です。
改善の一歩は無料体験から始まります。

お電話はこちらから

03-6869-0323

[受付時間]9:00~18:00(土日祝を除く)

×

体験プログラム 0

改善の一歩は無料体験から始まります

×

受付中

あなたの症状、お悩みをお聞かせください

[受付時間]平日9:00~18:00