NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 姿勢制御のメカニズムを知り効果的なリハビリを!バランス能力向上の具体策

姿勢制御のメカニズムを知り効果的なリハビリを!バランス能力向上の具体策

姿勢制御のメカニズムを知り効果的なリハビリを!バランス能力向上の具体策

「年を重ねて転びやすくなった」「姿勢制御を改善するリハビリ方法が知りたい」このような疑問を抱える方もいるでしょう。加齢や病気によってバランス能力が低下すると、姿勢を保つのが難しくなり、転倒しやすくなる方が増加します。

高齢になって転倒すると、骨折の原因となり、怪我をきっかけに寝たきりになる方もいるため注意が必要です。姿勢制御はさまざまな感覚や筋力が必要で、改善には専門的なリハビリが欠かせません。

今回は、バランス能力を向上させるリハビリの具体的な内容や、治療効果を高める注意点を解説します。姿勢保持に必要な基本的知識を理解し、将来の要介護状態を予防しましょう。

姿勢制御のシステムを理解する!リハビリに必要なバランスの知識

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姿勢制御のリハビリを行う前に、バランスを保つ人間の仕組みを理解する必要があります。姿勢を保つために必要な感覚や筋力、神経系が働く複雑な仕組みを知るために、姿勢制御のシステムを理解しておきましょう。

姿勢制御の主な要素とは?

2本足で立つ人間の姿勢は非常に不安定で、バランスを保つためにさまざまな機能が働きます。姿勢制御は筋肉だけで行うものではなく、感覚や心理的な要素も絡みます。主な要素は以下のとおりです。

<姿勢制御に必要な要素>

  • 感覚系
  • 筋骨格系
  • 中枢神経系(脳や脊髄)
  • 心理的要因

このように、姿勢制御にはさまざまな要素から成り立つ複雑な仕組みがあります。

姿勢制御に関わる感覚情報を解説

姿勢制御では、主に3つの感覚が働きバランスを保っています。身体の位置や動きを正確に感知して微調整を行い、絶妙に姿勢を保っているのです。

<姿勢制御に必要な感覚>

  • 視覚:自信の動きや周りの環境を把握する
  • 前庭感覚:頭の動きや重力方向を認知する
  • 体性感覚:足底の感覚や関節の位置感覚などを感知する

私たちは上述した感覚情報を統合して姿勢制御を行います。怪我や病気によって感覚が衰えたり障害されたりすると、姿勢を保つのが難しくなるのです。


参考:J-stage「中枢神経系障害の姿勢制御機構に対するアプローチ」

運動をスムーズに行う予測的姿勢制御

姿勢制御には、意識的に行う運動の他に、無意識化で行われる「予測的姿勢制御」と呼ばれる働きがあります。予測的姿勢制御とは、身体が動く前に姿勢を安定させて、スムーズな運動を実現する仕組みです。

例えば、右手を素早く上げる動作を行う際は、手を動かす前に体幹の筋肉が収縮してバランスを保とうとする動きが起こります。立つ、歩くなどの基本動作を行う際も予測的姿勢制御が働き、安定した動きが可能になるのです。

姿勢制御を改善するリハビリ方法とは?転倒を予防し安全な生活を

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姿勢制御を改善するリハビリ方法はさまざまあり、自分に適した内容を選択するのが大切です。例えば、バランス練習や筋力強化、柔軟体操などが挙げられます。

それぞれにメリットがあるため、特徴を理解して自分にあった方法を選択できるようにしましょう。ここでは、自分でできる姿勢制御のリハビリ内容を解説します。

多様なバランス練習を行い転倒を防ぐ

バランス能力を向上させるには、さまざまなリハビリを行う必要があります。姿勢制御は「静的バランス」と「動的バランス」の2つにわけられ、それぞれの特徴を理解してリハビリを行うことが大切です。

<静的バランス練習>

  • 片足立ち
  • バランスマットやバランスボードに立つ
  • バランスボールに座る

<動的バランス練習>

  • 左右、前後への重心移動練習
  • 四方へのステップ練習
  • 多様な歩行練習

人間が安定して動くには、バランスを保ちながら移動する能力が重要となるため、静的バランス練習・動的バランス練習のどちらもしっかりと行いましょう。

下肢・体幹の筋力強化で安定した動きを獲得

姿勢制御には、体幹を安定させる運動が大切です。身体の軸が安定しなければ、バランスを保つのが難しくなるため、体幹のリハビリを行う必要があります。

<姿勢制御を改善する体幹トレーニング>

  • ブリッジ運動
  • プランク
  • バード・ドッグ(四つ這いで対角の手足を伸ばす)

ポイント:30秒から1分程度姿勢を保つ

効果的に行うにはフォームが重要となるため、過度に背骨が反ったり曲がったりしないように意識しましょう。

柔軟性を向上し姿勢調節を楽にする

姿勢制御を改善するには、筋力強化やバランス練習だけでなく、身体の柔軟性改善も必要です。関節可動域が狭い状態では、筋力の発揮が抑制されたり、関節の位置感覚がブレたりするおそれがあります。

関節可動域を広げるリハビリは、バランス練習や体幹トレーニングの効果を高める効果にも期待できるため、ストレッチやマッサージなども併用して行うとよいでしょう。

参考:J-stage「姿勢制御について」

姿勢制御能力改善に向けての注意点!リハビリ効果を最大限にする

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バランスを向上させるリハビリを行う際は、いくつかの注意点を把握しておきましょう。姿勢制御のリハビリでは、「難易度の調整」や「視覚に頼りすぎない方法の選択」などが大切で、専門家の指導を受けたほうがよいケースもあります。

適切な難易度で安全に行う

姿勢制御のリハビリは、個人の能力にあわせて難易度を調整する必要があります。バランス能力は個人差が大きいため、能力に適したプログラムを行いましょう。

例えば、最初は広い支持面で運動を行い、慣れてきたら狭い支持面で運動を行います。難しすぎると、転倒のリスクが高まったり運動効果が得られなくなったりする可能性があるため、適切な難易度の調整が必要です。

視覚情報の頼りすぎに注意

姿勢を保つリハビリをする際は、視覚情報の頼りすぎに注意しましょう。視覚情報中心でバランスを保とうとすると、他の機能が発達せず、十分なリハビリ効果が得られません。

前庭感覚や体性感覚を元にした姿勢制御も再学習できるよう、運動方法を工夫する必要があります。

専門家の指導で確実なリハビリ効果

姿勢制御能力を向上させるには、療法士の指導を受けると効果的です。自分で行うリハビリも身体に良い影響を与えますが、姿勢の崩れに気づかず、誤った運動になる可能性も少なくありません。

十分なリハビリ効果を得るためにも、専門家の指導を受けながらバランス練習を行いましょう。

まとめ|姿勢制御の仕組みを理解して確実なリハビリ効果を得る

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姿勢制御能力を高めるリハビリは、日常生活での転倒を防ぐだけでなく、将来的な寝たきり予防にも直結する、とても大切な取り組みです。姿勢やバランスを保つ仕組みは、筋力だけでなく、目や耳などの感覚器官や脳・中枢神経の働きによって支えられています。そのため、リハビリを始める前に「なぜ必要なのか」を理解しておくことが効果を高める第一歩となります。

具体的な方法としては、バランス練習・体幹トレーニング・ストレッチなどがあります。これらの運動を続けることで、姿勢が安定し、歩行や立ち上がりがスムーズになっていきます。ただし、無理をすると怪我の原因になるため、自分に合った難易度で行うことが大切です。

不安を感じる場合は、理学療法士などの専門家に相談しましょう。療法士は、正しい練習方法や負荷の調整、注意すべきポイントを具体的に教えてくれます。

姿勢制御能力を高めることは、単なる運動習慣ではなく、将来の生活の質を守る投資です。今から意識的に取り組むことで、要介護状態を避け、「自分の足で動き続ける人生」を目指していきましょう。

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