
訪問リハビリの担当変更ってアリ?合わないときの替え時サインとは
2025.08.08

訪問リハビリを受けるなかで、担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさは、リハビリの成果やモチベーションに大きく影響します。とはいえ、「訪問リハビリの担当変更はできるの?」「失礼に思われないかな…」と悩んでしまい、一歩を踏み出せずにいる方もいるでしょう。
そのような不安を抱える方に、担当者を変更するべきかどうか判断するためのチェックポイントから、変更の仕組みやルールまで解説します。モヤモヤした気持ちをなくし、よりよいリハビリ環境を手に入れるために、ポイントをおさえておきましょう。
目次
違和感を見逃さない|担当変更に悩んだときのチェックポイント

訪問リハビリを受けているなかで、なんとなくあわないなと感じても、担当変更をしていいのかどうか判断に迷う方は少なくありません。
しかし、たとえ小さな違和感でもそのままにしておくと、リハビリのモチベーションや成果に影響を及ぼす可能性があります。担当変更を検討するべきかどうか、チェックポイントを確認しましょう。
よくある悩みや不安
訪問リハビリの担当者に対して、利用者や家族が感じやすい悩みや不安として、以下のようなことが挙げられます。
- コミュニケーション不足
- リハビリでの改善が感じられない
- 利用者本人が嫌がる、拒否的な態度を見せる
- 他のスタッフとのやりとりに一貫性がない
これらは、担当者との関係性にズレや違和感が生まれているサインです。担当者が話を聞いてくれない、リハビリ内容がマンネリ化しているなどの状態が続くと信頼関係が築きにくくなり、利用者の意欲や安心感が損なわれることがあります。
拒否的な態度が見られるようになった場合は、心身にストレスがかかっているサインかもしれません。他スタッフとの連携が取れていないと、ケア全体にも影響が及ぶ恐れがあるため注意が必要です。
担当を変えるべき判断基準
利用者本人の表情や反応が以前より沈みがちだったり、リハビリの成果が感じられず回復の進展が見られなかったりする場合は、環境に問題がある可能性があります。また、担当者に対して不信感や不快感が続いている・相談や会話をするのが難しくなっていると感じるのも、無視できないサインです。
特に、利用者だけでなく家族や周囲の方も同じように違和感を抱いている場合は、担当者を見直すタイミングかもしれません。ただし、違和感が一時的なものや誤解に過ぎないケースもあるため、まずは焦らずに現在の担当者としっかり話し合いの機会を持つことが大切です。
それでも改善が見られず状況に変化がない場合は、無理に我慢せず、担当変更を前向きに検討するとよいでしょう。
迷ったらまず確認!訪問リハビリの担当変更ルールと流れ

訪問リハビリの担当変更を前向きに検討しても、本当に変えられるのか、制度上問題はないのかと悩んでしまう方もいるでしょう。
訪問リハビリの担当者変更は、利用者側の希望によって可能なケースが多いものの、実際には事業所の体制や人員状況などによってすぐに対応できるとは限りません。だからこそ、制度としてどうなっているのか、変更を希望する際の流れを知っておくことが大切です。
担当変更の権利と制限
訪問リハビリでは、利用者が自分にあった支援を受けるために、担当者を変更する権利が認められています。ただし、現場では事業所の人員体制やスケジュールの都合により、希望通りの変更がすぐに実現しないこともあります。
例えば、同性や同年代の担当者を希望しても該当者がいなかったり、急な変更で他の利用者の対応に影響が出たりする可能性もあるため、調整が必要となるのです。また、感情的な理由だけでは対応が難しいケースもあるため、事情を丁寧に説明する必要があります。
変更できるタイミングや頻度は?
訪問リハビリの評価制度は、「3ヶ月に1度」の見直しが一般的です。このタイミングで進捗や課題を関係者で共有し、必要に応じて担当者の変更も検討されます。※ただし、具体的な頻度は事業所や利用者の状態によって異なり、より短い間隔で見直すこともあります。
担当変更の相談は原則いつでも可能ですが、スケジュール調整や契約内容の確認が必要なため、定期的な評価のタイミングを利用するとスムーズに進みやすいでしょう。頻繁な担当変更はリハビリの引き継ぎや計画に影響を与えるため、違和感や不安が続く場合に限り検討するのが望ましいとされています。
その担当者変更はOK?NG?メリットとデメリットを徹底解説

訪問リハビリの担当変更に迷っているとき、変えてよかったと思える場合もあれば、後悔をするケースも少なくありません。後悔のない選択をするためには、担当変更によるメリットとデメリットの両面を正しく理解することが大切です。
主なメリット
訪問リハビリの担当者を変更することで、次のような前向きな変化に期待できます。
- コミュニケーションが取りやすくなる
- リハビリ内容に納得感が持てる
- 精神的なストレスが軽減される
- モチベーションが高まる
- リハビリの成果が出やすくなる
担当者と信頼関係が築けることで、利用者自身がリハビリに前向きに取り組めるようになります。実際に、介護保険施設の質の評価に関する調査でも、利用者のQOL確保において重視されているものとして、以下のような結果が出ています。
- アセスメント~評価を通じた継続的ケアの実施:77.1%
- 介護技術の十分な習得:73.7%
- 利用者や家族との適切なコミュニケーション:66.3%
デメリットとその対処法
一方で、担当者を変更することで起こりうるデメリットがあることも理解しておきましょう。
- 新しい担当者に慣れるまで時間がかかる
- リハビリの方針や進め方が変わる可能性がある
- スケジュール調整が難しくなる場合がある
特に、変更の理由をうまく伝えられなかった場合や、一時的な不満で変更を繰り返してしまうと、事業所内での信頼関係に影響を及ぼすことがあります。また、スケジュール調整の難しさは、担当者の空き状況や訪問ルートの関係から起こりやすい問題です。
このようなリスクを避けるために、「担当者を変えたい」ではなく「もっとこうしてほしい」という希望の形で伝えることで、今の担当者との関係を改善できる可能性があります。変更を希望する場合は、タイミングや言い方にも配慮し、無理のない形で進めるのがおすすめです。
まとめ|納得できる訪問リハビリのためにできること

訪問リハビリで担当する人を変えることは、リハビリの質ややる気に大きく関わる大切な決断です。もし「このままでいいのかな」と違和感を感じても、がまんし続けるのはよくありません。早めに気づいて、制度や手続きの流れを理解したうえで検討することが大切です。
多くの施設では、3か月ごとにリハビリの進み具合を見直す機会があります。この見直しのタイミングで担当を変えたいか相談するのがおすすめです。ただし、あまり深く考えずに変更すると、リハビリがスムーズに進まなくなることもあるので注意が必要です。
不安や希望があるときは、まずケアマネジャーや家族など信頼できる人に忌憚なく相談すると安心です。(自費リハビリでしたら代表者に事情を相談)
自分に合ったリハビリを続けるためには、違和感があれば担当変更を検討することも一つの方法です。無理に一人で抱え込まず、周囲と協力してより良い環境を整えていきましょう。