NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 促通反復療法による上下肢や歩行障害への効果とは?脳梗塞後のリハビリ

促通反復療法による上下肢や歩行障害への効果とは?脳梗塞後のリハビリ

促通反復療法による上下肢や歩行障害への効果とは?脳梗塞後のリハビリ

脳梗塞後のリハビリ方法のひとつに、促通反復療法があります。促通反復療法は、川平法とも呼ばれており、川平和美先生が提唱している運動療法です。

脳梗塞だけでなく、脳卒中や脊髄損傷による麻痺症状にも効果が期待できるといわれています。ただし、促通反復療法を取り入れることを検討されている方は、実際にどのような症状にどのような効果が期待できるのかを理解しておきましょう。

長期的に行うことが重要なリハビリだからこそ、それぞれの特徴を理解し、自分にあったリハビリ・治療法を選択することが大切です。

促通反復療法は効果があるの?脳梗塞後の後遺症へのアプローチ

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促通反復療法は、脳梗塞や脳出血などの後遺症の際に用いられるリハビリ方法のひとつです。有用性を裏付ける研究報告が複数発表されていますが、自身のリハビリに取り入れる前に、どのような治療法でどのような効果に期待ができるのかを理解しておきましょう。

促通反復療法の概要

促通反復療法は、鹿児島大学名誉教授の川平和美先生が提唱する運動療法です。麻痺した手や足を、促通手技によって患者の意図した運動を実現・反復し、大脳から脊髄までの神経回路を再建・強化することを目的としています。

主に、脳梗塞や脳出血などで運動障害・麻痺を引き起こした方が対象となっており、軽度から重度の運動障害に実施される方法です。

参考:-促通反復療法研究所-川平先端リハラボ

促通反復療法と併用される療法

促通反復療法では、治療効果を高めるために、不快ではない程度の電気刺激や振動刺激などを併用することがあります。

弱い電気刺激下で促通反復療法を行うことで、より効果的な治療を行うことが可能です。実際に、一人ひとりの症状にあわせて電気刺激や振動刺激などを併用することで、運動機能が改善されたとの研究報告もあがっています。

促通反復療法を急性期・回復期から用いる理由

急性期や回復期は脳の可塑性が大きい期間です。脳の可塑性とは、壊死した細胞が担っていた機能を他の細胞が代償することであり、この期間に促通反復療法を用いることでより効果に期待ができるといわれています。

参考:-促通反復療法研究所-川平先端リハラボ「専門職の方へ」

【効果について】促通反復療法は上下肢の麻痺・歩行障害の回復を助ける

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手指のリハビリに関する研究が多くみられる促通反復療法ですが、上下肢の麻痺や歩行障害にも有効的な可能性があるといわれています。ここでは、歩行障害の改善がみられたという研究報告とあわせて、脳梗塞以外にも考えられる病気について解説していきます。

促通反復療法と上下肢の麻痺

促通反復療法は、手指のリハビリに比べると上肢・下肢の研究は少ないですが、有効性が報告されている研究もあります。

上下肢のリハビリで促通反復療法を用いる際は、電気刺激や振動刺激を併用することで、麻痺の改善に効果が期待できるでしょう。

促通反復療法と歩行障害に対する効果

2017年に報告された研究によると、慢性期脳卒中患者さんに対して、促通反復療法と矯正治療を組み合わせたリハビリを行うことで足の運動機能や歩行機能が向上したと報告されました。この研究では促通反復療法と短下肢装具を使用し、1日あたり40分の歩行練習を週6回、4週間行われています。

この研究から、歩行障害に対する促通反復療法は、歩行障害の改善に期待ができる方法といえるでしょう。

参考:NationalLibraryofMedicine「慢性脳卒中後患者における反復促進運動と矯正治療を組み合わせた理学療法の短期的効果」

脳梗塞以外に考えられる病気・リハビリ事例

促通反復療法は、脳梗塞以外にもくも膜下出血や脊髄損傷などによる後遺症にも効果的といわれています。特に、手指や上下肢の麻痺を改善したい方に有効的な治療法です。

例えば手指のリハビリでは、セラピストが患者さんの動かそうとする手指の動きなどを誘導し、運動の事前準備を行います。次に、動かす側の手指を見つめ、セラピストは患者さんが手指に意識が向くようにタイミングあわせて声かけを行います。

1つの運動パターンにつき、数分間で100回程度繰り返し反復する方法が、促通反復療法です。

生活に影響のある麻痺と生活期リハビリでどのように向き合うべきか

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生活期リハビリに移行すると、麻痺の影響で日常動作一つひとつが難しく、焦りやもどかしさを感じる方は少なくありません。自分から積極的にリハビリを行うことは大切ですが、ときには周囲の人に頼りながら、定期的にリハビリ方法を見直していきましょう。

長期的に自主的なリハビリは苦痛が生じる

リハビリは長期的に継続して行うことが大切ですが、改善がみられない・できていたことができなくてもどかしいなど、さまざまな理由でリハビリを苦痛に感じる方は少なくありません。

そのため、特に生活期リハビリにおいては、家族や専門家などに頼ることも大切です。

定期的な周囲のサポートやリハビリ計画の見直しも

生活期リハビリに移行すると回復スピードが緩やかになり、リハビリ方法に不安を感じたりモチベーションが下がったりする可能性があります。

そのような状態を改善するために、定期的にリハビリの計画を見直し、周囲のサポートやアドバイスを取り入れることがおすすめです。これにより、そのときの自分にあった適切なリハビリ方法を取り入れることができ、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

まとめ|促通反復療法について

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促通反復療法は、脳梗塞脳出血が原因で生じる運動障害麻痺を改善するための特別なリハビリ方法です。たとえば、手や足を動かしづらくなったり、思うように体を動かせなくなった人が、この療法を受けることで、少しずつ機能を取り戻すことを目指します。開発したのは、鹿児島大学名誉教授の川平和美先生という方で、そのため川平法とも呼ばれています。

この療法は、軽度から重度まで、さまざまなレベルの運動障害に対応できるのが特徴です。また、脳卒中後の急性期(発症してすぐの時期)や回復期(病気やけがから少し良くなってきた時期)に行うと、より効果が高いとされています。しかし、慢性期(発症から時間がたった時期)の患者さんでも、歩行機能が向上したという研究報告があるため、いつからでも可能性を追求できるリハビリ方法と言えるでしょう。

もし今行っているリハビリに不安や疑問を感じていたり、促通反復療法がどのようなものか気になっている方は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。専門家と話すことで、自分の症状に合うリハビリを知るきっかけになりますし、より早い段階で回復の糸口をつかめるかもしれません。

さらに、リハビリの効果を高めるためには、自分だけで頑張らないことも大切です。家族やリハビリの担当の方、友人など、周りの人に助けや意見をもらうことで、気持ちの面でもサポートを得られます。リハビリが続かないと感じたときや、思うように成果が出なくても、一人で悩まずに相談することで、長く続けやすくなるでしょう。

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