NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 廃用症候群の予防と回復に欠かせないリハビリテーション|原因・症状・治療法を解説

廃用症候群の予防と回復に欠かせないリハビリテーション|原因・症状・治療法を解説

廃用症候群の予防と回復に欠かせないリハビリテーション|原因・症状・治療法を解説

廃用症候群とは、病気やケガなどで身体を動かさない時間が続き、身体活動が低下することで生じるさまざまな症状のことを言います。廃用症候群はあまり聞きなれない病気かもしれませんが、高齢者だけでなく若い人でも発症する病気なので知っておくことが大切です。

廃用症候群とリハビリテーションはとても深い関わりがあります。治療としてはもちろんのこと、廃用症候群の予防としてもリハビリテーションは欠かせません。

今回は、廃用症候群の原因や症状、リハビリテーションの重要性について詳しく解説します。

廃用症候群の症状は?リハビリテーションで改善できる?

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廃用症候群は長時間の安静や運動量の減少によって、身体機能が低下し心身に起きる様々な症状のことです。

まずは廃用症候群の原因や具体的な症状、治療やリハビリテーションの効果についてお伝えします。

廃用症候群の原因

病気やケガで安静にする必要があったり、痛みで動くのが億劫になったりすると身体を動かす機会が減ります。その状態が続くと、筋肉や関節、内臓などがうまく機能しなくなり廃用症候群を引き起こします。

また、運動意欲が低下すると運動量がさらに減少し、精神的にも落ち込みやすくなり、廃用性症候群はどんどん進行してしまいます。

廃用症候群の原因となる疾患は様々ですが、よく知られているのは「脳卒中」や「感染症」「認知症」「骨折」などが挙げられます。

廃用症候群の症状

廃用症候群の症状は多岐に渡ります。具体的な症状は以下の通りです。

・運動器の障害…筋力低下、関節の動きが悪い、骨密度の低下

・循環器の障害…循環血液の低下によるめまいやふらつき、脱力感や錯乱

・消火器の障害…食欲低下、便秘、逆流性食道炎

・泌尿器の障害…頻尿や尿失禁、尿路結石、血尿

・認知、精神面の障害…認知症、睡眠障害、うつ、せん妄

動かないことでおこる床ずれと言われる皮膚の傷「褥瘡」や、食べ物や唾液が肺に入り、肺炎を引き起こす「誤嚥性肺炎」などの症状も見られます。

参考:総合リハビリ美保野病院・誤嚥性肺炎について

廃用症候群の治療やリハビリテーション

廃用症候群は症状が進むほど、完全な回復が困難になります。最悪の場合には寝たきりになるケースも。そのため、症状を予防するリハビリテーションと、症状を遅らせるリハビリテーションが必要になります。

また、それぞれの症状に対しての薬物治療や栄養管理も大切です。廃用症候群を発症する人の多くは低栄養状態に陥っていると言われています。バランスのとれた栄養サポートも非常に大切な役割です。

廃用症候群のリハビリテーションって何するの?概要とプログラム

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廃用症候群を発症してしまったらどのようなリハビリを行うのでしょうか?また、リハビリテーションの料金や期間はどのくらいなのでしょうか?

具体的なリハビリテーションの内容や概要をみていきましょう。

廃用症候群リハビリテーションの料金

病院での廃用症候群のリハビリテーション料金は、基本的には厚生労働省が定めた基準によって計算されます。それぞれの点数は以下の通りです。

1廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)180点
2廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)146点
3廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位)77点

廃用症候群の診断、または急性増悪から120日を限度として算定されます。しかし、病状によっては120日を超えて継続することもあり、主治医の判断で決まります。

参考:PT-OT-ST.NET「H001-2廃用症候群リハビリテーション料」

主なリハビリテーションのプログラム

廃用症候群は症状によって内容が変化しますが、実際に行われることが多い3つのプログラムをご紹介します。

1、関節可動域訓練

関節を動かし、関節が固くなるのを予防する訓練。他者によって関節をほぐしていきます。

2、レクリエーション

一対一や少人数での遊びを通し、意欲的に活動を増やす目的。うつ状態や見当識障害の症状の予防や改善に効果があります。

3、ポジショニング

身体の同じ部分に負担がかからないように、また褥瘡予防として体位を替える方法。寝たきりの患者さんに行われます。

廃用症候群は早期リハビリテーションで予防することが重要

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廃用症候群は早期にリハビリテーションを行うことで予防ができる病気です。一度、廃用症候群になると回復するのに時間がとてもかかります。まずは予防することを第一に考えることがとても大切です。

身体機能の低下はとても早い

身体を動かさないことで起きる身体機能の低下はとても早いのです。筋力の低下は疾患の発症や手術から48時間以内に始まります。1週間程度で約10%~15%、3~5週間で約50%も低下すると言われています。

また、心肺機能は1週間程度で1.3%から2.5%低下し、2、3日で立ちくらみやめまいの症状がでることも。さらに腸の活動も低下するので、食欲不振や便秘による体重減少も起こります。

廃用症候群は予防できる

廃用症候群は身体を動かさないことで起こる疾患なので、意識して身体を動かすことで予防ができる病気です。寝ているよりも座る、座るよりも立ったり歩いたりする、他者と会話をするなど関わりをもつことも重要です。

廃用症候群の予防には早期のリハビリテーションが重要です。しかし、原因になった疾患によっては、早くリハビリテーションを行えばいいとも限らないので担当の医師に確認し、適切なタイミングで行いましょう。

予防のために自宅でできること

退院後に廃用症候群を発症する人も少なくありません。家族が病気やけがをしたあとは何かと手伝いたくなりますが、できるだけ自分でできることは自分でしてもらいましょう。趣味や仲間との交流など他者と積極的に関わることも体を動かすきっかけになります。

また、廃用症候群に多い低栄養状態にならないためにもバランスの良い食事を心がけましょう。栄養をしっかり摂ることで身体を動かすエネルギーにもなります。

まとめ|廃用症候群とリハビリテーション

廃用症候群は、病気やケガによって身体を動かさない状態が続くことで発症する病気です。予防と回復のどちらにおいても、リハビリテーションが非常に重要な役割を果たします。

早期のリハビリテーションは、廃用症候群の予防に効果的です。病気やケガによって身体機能が低下した状態でも、適切なリハビリテーションを行うことで、症状の悪化を防ぎ、回復を促進することができるのです。

また、病気やケガは身体機能だけでなく、精神面にも大きな影響を与えます。落ち込みや不安を感じることは珍しくありません。そんな時、家族や身近な人からの励ましや支えは、患者さんにとって大きな力になります。

リハビリテーションを継続し、家族のサポートを受けることで、廃用症候群の予防と回復に向けて大きく前進できるでしょう。患者さん自身も、前向きな気持ちを持ち、積極的にリハビリテーションに取り組むことが大切です。

廃用症候群との闘いは、患者さんだけでなく、理学療法士や家族みんなで取り組むべきものです。一人ひとりが果たすべき役割を理解し、協力し合うことで、より良い結果を得ることができるのです。

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