なぜ脳梗塞を繰り返す?原因は何?5つの視点から考える脳梗塞再発への取り組み
2024.06.22
脳梗塞は繰り返し発生しやすい病気です。脳梗塞の10年以内の再発率は49.7%との報告があり、脳梗塞を患った方の半数の方が再発しているということになります。
また、脳梗塞は再発するほど症状がどんどん重くなる傾向があります。できれば脳梗塞を繰り返すことなく再発の原因を理解して予防していきたいです。
今回は脳梗塞を繰り返す原因を5つの視点から再発防止のためにできることを考えていきます。脳梗塞を繰り返す可能性がある方は原因を知るとともに周囲のサポートを受けることも視野に入れましょう。
目次
再発しやすい?脳梗塞を繰り返すのはどんな原因があるのか根本を整理
脳梗塞は繰り返し発生しやすい病気ですが、原因はなんなのかを知るためにも脳梗塞の症状や原因を整理してみましょう。
脳梗塞はどんな原因で起きるのか
脳梗塞は原因によって3つのタイプに分かれます。
1、ラクナ梗塞
高血圧などが原因で脳の細い動脈に血栓が詰まることで発症します。小さい損傷のため、脳のダメージは少なく症状が比較的軽いことが多いです。10年以内の再発率は46.8%で、何度も繰り返すとパーキンソン病や認知症の原因になると言われています。
2、アテローム血栓性脳梗塞
首にある頸動脈とよばれる太い血管の動脈硬化が原因で起こる脳梗塞です。頸動脈の血管内でできた血栓が脳へ運ばれ脳梗塞を引き起こします。運動麻痺などの症状が徐々に進行することが多く、10年以内の再発率は46.9%と言われています。
3、心原性脳塞栓症
心臓の中にできた血栓が脳の動脈に流れこみ、脳内の血管を詰まらせることで起こります。不整脈や心臓病があると血液が滞りやすく血栓ができやすくなります。また、心原性脳塞栓症は3つのタイプの中でも再発率が最も高く、10年で75.2%と報告されています。
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15716529/
なぜ再発しやすいの?リハビリは意味がないの?
脳梗塞を発症すると繰り返す確率が高い原因として、一度脳梗塞になったということは危険因子をすでにもっている可能性が高いことが挙げられます。
脳梗塞を繰り返す原因になる危険因子として以下のものがあります。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質代謝異常
- 喫煙
- 心臓病
これらの危険因子を悪化させないために、薬でコントロールしたり、生活習慣改善のために食事の管理や運動習慣をつけるためにリハビリを行うことが大切です。
脳梗塞後に抱える課題|5つの視点から脳梗塞再発の原因を知る
脳梗塞を繰り返す人の特徴として、退院後の過ごし方が原因となっていることが多いです。脳梗塞後に患者さんが抱える5つの課題から脳梗塞を繰り返すことの原因を探っていきましょう。
①退院後は自己判断をしがちになる
退院後は生活期とよばれ、通院や自宅でのリハビリが中心となります。今まで病院や施設で管理してくれていたことを自分で管理していかなければならないので、つい自己判断で服薬を中断してしまったり、リハビリを怠ってしまいがちになります。
脳梗塞の危険因子である高血圧や動脈硬化は自分で気づくことはできないので、定期的な検診が必要です。また、服薬中断の自己判断はとても危険です。必ず医師の指示に従いましょう。
②生活期リハビリは継続が難しい
生活期のリハビリは回復期のリハビリで改善された日常動作の維持、向上を目的として行います。症状が悪化しないために、長期に渡りリハビリを続けて行かなければならないので、精神的につらくなってしまうことも多い時期です。
「趣味活動ができるようになる」などという明確な目標を持つことで、リハビリに意欲的に取り組めるようになります。さらに、しっかりとした目標を持ち、リハビリを継続することで自然と脳梗塞の再発にも向き合えるようになるでしょう。
③再発リスクに対する関心の薄れ
脳梗塞発症直後は再発防止意識をもっていても、退院してから特に問題がない時期を過ごしていると、徐々に再発リスクに対する関心が薄れてきてしまいます。
特に危険因子の管理が疎かになってしまうことが考えられます。例えば、タバコは脳梗塞の発生や進行を促進してしまう原因の1つです。また、過度な飲酒は血圧への影響がとても大きいです。再発リスクを理解して、禁煙や飲酒制限を継続することが重要です。
④生活習慣の改善を怠ってしまう
入院時期は病院や施設では生活習慣の管理を行って改善していたのに、退院後に生活習慣が戻ってしまうケースもあります。
例えば、退院後は睡眠、体重管理、血圧管理、運動習慣やバランスのよい食事などを自分で管理しなければなりません。どうしても病院や施設のように徹底した管理ができなくなるということが考えられます。
⑤周囲のサポートが得られていない
脳梗塞後に後遺症が残った場合は、ただでさえ不自由な生活の中、周囲のサポートもなく孤立してしまうこともあります。
継続すべきことを継続することが難しかったり、後遺症を抱えたことで将来に対する不安や病気の影響、メンタルヘルスの問題を抱えるケースも少なくありません。脳梗塞の再発防止のためには、一人で戦うのではく周囲のサポートが必要不可欠です。
脳梗塞を繰り返す人は…原因を理解するだけでなく「頼る」ことも大切
脳梗塞を繰り返す人の多くは高血圧などの生活習慣病が改善していないことが原因です。脳梗塞の危険因子を取り除くためには、長期に渡る治療とリハビリが必要です。一人で抱え込まず周囲に頼ることも考えましょう。
抗血栓治療法や定期検診で医療の力に頼る
脳梗塞の再発予防のために、薬物による治療も行います。血栓を予防するための治療として血液をさらさらにする薬を処方する抗血栓療法があります。脳梗塞の薬は症状が改善したからと服薬を止めてしまうと途端に再発するケースも少なくありません。必ず医師の指示に従い服薬を継続しましょう。
また、年に1回は病院で定期健診をうけることも大切です。CTやMRIや血管の検査をすることで危険な箇所を早期発見することができ再発予防に役立ちます。
訪問リハビリなど専門チームの力を頼る
脳梗塞の再発予防や日常動作の維持や向上のためにはリハビリを継続する必要があります。通院型のリハビリが一般的によく知られていますが、自宅にきてくれる訪問リハビリなどさまざまな形でサポートをしてくれる所もあります。
一人で継続することはとても大変なので、自分に合った形で専門家のサポートを受けることが再発防止のためにも重要です。
私たちネクストステップスは、自費訪問リハビリを行っています。患者さん一人一人に合わせたリハビリプランの設定が可能です。自費訪問リハビリをお考えの際はぜひ一度ご相談ください。
脳梗塞を繰り返す人の原因|まとめ
脳梗塞を繰り返す人の原因として以下の5つの課題をあげました。
- 退院後は自己判断をしがちになる
- 生活期リハビリは継続が難しい
- 再発リスクに対する関心の薄れ
- 生活習慣の改善を怠ってしまう
- 周囲のサポートが得られていない
脳梗塞は繰り返す可能性の高い病気です。5つの課題からみても一人で再発予防と向き合うのはとても難しいです。医師のサポートや自分に合ったリハビリサポートを受けることがとても大切です。
もし自費訪問リハビリにご興味のある方は、弊社ネクストステップスにご相談ください。