NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム ボバース法とは?リハビリにどう役立つのか徹底解説!

ボバース法とは?リハビリにどう役立つのか徹底解説!

ボバース法とは?リハビリにどう役立つのか徹底解説!

ホバース法は脳卒中や脳性麻痺の患者さんのリハビリに対する概念の1つです。現在ではホバース法ではなく「ホバース・コンセプト」「ホバース概念」と呼ばれることが多いです。

1940年代に提唱されたホバース法は現在でも発展し続け、脳卒中や脳性麻痺のリハビリテーションに強い影響を与えています。

ホバース法は手法が決まっているわけではないので、理解するのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。今回はホバース法の定義やメリット・デメリットなどを詳しくお伝えします。

ボバースの定義|ボバース法はリハビリの手法のことではない?

画像

ホバース法は特定のリハビリ手法ではないので理解が難しいかもしれません。まずはボバース法とはどういうものなのかを見ていきましょう。

ボバース法とは

ボバース法は1940年のイギリスにて、ボバース夫妻が痙縮の強い成人の脳卒中患者や脳性麻痺の子供の治療介入として始まりました。人によってそれぞれ異なる潜在能力の評価を行い、能力を発揮しやすくする手技を組み合わせるのが特徴です。

日本では1970年代にホバース夫妻による講習会が開催され、ホバース法が知られるようになりました。これまでに80年以上にわたり発展し続けているホバース法は現在までに国内で3万人以上の人がホバース講習会を受講しています。

参考:日本ボバース講習会講師会「ボバース概念とは」

ボバースはリハビリの概念

ホバースはリハビリ手法のことではなく、リハビリの概念のことを指します。現在ではホバース法よりも「ホバースコンセプト」「ホバース概念」と呼ばれることが多いです。

機能障害は脳の損傷部位や程度によって異なるため、経過にも個人差が生じます。ホバースコンセプトは患者さんの観察と思考的な分析を用いて患者さんに合わせた、いわばオーダーメイドの治療法となります。

そのため、患者さんによって手法が変わるだけでなくセラピストによって治療内容も変わることも特徴の1つです。

ボバースの定義

国際ホバースインストラクタートレーニング協会(IBTA)ではホバースを以下のように定義づけています。

ホバースコンセプトの定義   ボバースの概念は、世界中で最も広く使用されている神経リハビリテーションのアプローチであり、個々の状況の中で神経学的状態が人全体に及ぼす影響を考慮します。 ボバースの概念の臨床応用は、選択的動作、姿勢制御、および治療と評価を導く動作診断を開発するための感覚情報の役割に関する動作分析に焦点を当てています。

参考:IBITAHP

ボバース法が脳性麻痺の治療で広く知られている理由や特徴

画像

ボバース法が誕生してから80年経ちましたが、現在でも脳性麻痺や脳卒中の治療コンセプトとして世界中で広く知られています。

現在でもボバース法が利用されている理由についてみていきましょう。

個々に合わせたプログラム

ホバース法は機能回復の物理的、認知的、感情的な側面を含めた総合的な観点からアプローチします。決められた手法を行うのではなく、患者さん一人ひとりにあったリハビリを行うため、よりその患者さんにあったリハビリプログラムにカスタマイズすることが可能です。

例えば、筋緊張が強い場合は緊張を緩めるリハビリ、歩行が不安定な患者さんには歩行リハビリなど自由度が高いことが最大の特徴です。

患者さん主体のリハビリ

ホバース法は患者さん自身が趣味や人生をよりよく過ごすために必要な能力や、直面している日常生活動作の改善をするために援助を行います。

患者さん本人や家族の様々なニーズに答えることはもちろん、患者さん自身が治療に積極的に関与することも推奨しています。自分の治療に関与することにより、より高いモチベーションを保ち長期的な成功が期待できます。

様々な病気に順応できる

ホバース法は現在でも重要な概念と認識されており、幅広い分野で活用されています。ホバース法はあくまでも概念なので、ホバース法自体が治療方針を決めるわけではありません。

そのため、どういう考えで患者さんと向き合うかと示す指標のようなものです。常にさまざまな治療法を取り入れながら治療内容を更新するので、多くの病気にも応用や活用ができるという点もホバースコンセプトの特徴といえるでしょう。

ボバース法のリハビリは流動的だからこそのデメリットもある

画像

ボバース法は決まった手法がない点でメリットも多いですが、デメリットも発生します。ここではボバース法のデメリットについてみていきましょう。

エビデンスがない

ボバース法の最大のデメリットは「エビデンスがない」ことです。治療する際に患者さんの姿勢や運動など細かく個別に行うため、画一的なアプローチ方法や評価がありません。

他の治療法と比べてどのような要素が有効なのかを明確に実証することが難しいのです。また、患者さんによってプログラムが変わるだけでなく、治療する側のセラピストによっても治療内容も変わるため、世界的にも「明確な治療効果のエビデンスがない」と評価されています。

セラピストの技術に左右される

ホバース法は自由度が高く治療を行うセラピストが手法を選択するため、セラピストの経験や知識、技術の差が顕著に出てしまう場合があります。

ホバース法はさまざまな手法、技法、補装具を用いて患者さんへの最善のアプローチを考えなければなりません。そのため、セラピストの技量によって治療効果が大きく左右されてしまうのです。

またボバース法を効果的に実施するためには特定のトレーニングを受ける必要があります。ボバース法は日々更新されていくのでトレーニングも継続して行う必要があり、時間も要する点も普及が安定しない理由の1つかも知れません。

まとめ|ボバース法について

画像

ボバース法は、1940年代に脳卒中や脳性まひの人たちを助けるために考えられた治療の方法で、今でも世界中で知られています。

この方法は、体の動きをよくするために、一人ひとりに合わせた治療を行います。決まったリハビリのやり方があるわけではなく、リハビリの考え方やアプローチとして使われています。

患者さんの症状だけでなく、その人全体を見て治療を考えるので、一人ひとりに合った効果的な治療ができます。また、患者さん自身も積極的に治療に参加することで、リハビリをがんばろうという気持ちも続けやすくなります。

しかし、ボバース法はやり方が自由なため、効果をはっきりと証明しにくかったり、治療する人の腕前によって結果が変わってしまうこともあります。

特定のやり方ではないので少しわかりにくいかもしれませんが、いろいろな場面で応用でき、今も進化している治療法なので、知っておくとよいでしょう。

  • facebookでシェア
  • Xでシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご相談・お問い合わせ

初めてでも大丈夫です。
改善の一歩は無料体験から始まります。

お電話はこちらから

03-6869-0323

[受付時間]9:00~18:00(土日祝を除く)

×

体験プログラム 0

改善の一歩は無料体験から始まります

×

受付中

あなたの症状、お悩みをお聞かせください

[受付時間]平日9:00~18:00