廃用症候群から回復した90代男性|寝たきりから友人とカラオケへ
2025.10.21
「気がついたら、起きられない…」
肺炎後に廃用症候群を患ってしまった90代の彼は、筋肉量の低下や関節が固くなってしまったことによって、転倒しやすくなったり少し動いただけですぐ疲れてしまうという症状に悩んでいました。
そして何よりも一番悲しいのが「友人とカラオケや麻雀に行けないこと」でした。
リハビリ施設を探しましたが、どの施設も保険適用内の制限されたリハビリ内容。「友人とのカラオケ」のために、土日ももっと頑張りたい。そんな思いを持っていたので、なかなかリハビリを始められずにいました。
でも、自費訪問リハビリを始めて、変わりました。
「自分だけが健康でも楽しくない、関わる人も元気になってもらわないと」
考え方が変わったのをきっかけに、動き方や考え方について教わったことを友人に伝えているそうです。今では自分からできることはやるようになり、「まだまだチャレンジしていくつもり」とのことです。
この記事では、廃用症候群とは何か、なぜ過介護が良くないのか、そして実際にリハビリで友人とカラオケに行けるまで回復した事例を紹介します。
目次
廃用症候群って何?寝たきりから起こる深刻な状態

廃用症候群は、脳卒中や肺炎など治療を必要とする疾患により、ベッドで長期間にわたって安静に過ごすことで生じる状態です。
症状が重いと「心機能低下」や「誤嚥性肺炎」など命に関わる状態におちいることもある疾患です。
「安静にしている」ことが逆効果になる
病気になれば安静にしていることを勧められます。でも、廃用症候群の場合は、入院した原因の病気が治れば速やかにリハビリをして運動能力を取り戻す努力が大切です。
ずっと安静にしていると、筋肉が落ちて、関節が固くなって、どんどん動けなくなっていく。これが廃用症候群の怖いところです。
気づいたら「起きられない」高齢者の廃用症候群

高齢者の廃用症候群は早く進行してしまうので、気がついたときには、「起きられない」「歩くことができない」状態になってしまう例も少なくありません。
悪循環が始まる
過度に安静にしたり、あまり体を動かさなくなると、筋肉や衰え関節の動きも悪くなり活動性も低下するので、ますます全身の身体機能に悪影響をもたらし、最悪「寝たきり」となってしまいます。
動かない→筋力が落ちる→さらに動けなくなる→もっと筋力が落ちる
この悪循環が、廃用症候群を加速させます。
廃用症候群の対策に「過介護」は不要

廃用症候群の対策に「過介護」は不要で、ご本人の運動機会を奪わないことが重要です。
何でも手伝ってしまうのは逆効果
家族が心配して、何でも手伝ってしまう。着替えも、食事も、トイレも。
でもそれが、本人の運動機会を奪ってしまうんです。
可能なら時間を要してでもご本人に行ってもらうやり方もあります。時間がかかっても、できることは自分でやってもらう。それが回復につながります。
家族の負担が大きい場合は
ただ、家族の事情で介護が負担になるということであれば、自費訪問リハビリなどを利用するのも一つの方法です。
毎日付きっきりで見守るのは、家族にとっても大きな負担。そんな時は、専門家の力を借りることも大切です。
自費訪問リハビリで何をするのか

自費訪問リハビリは、自宅にセラピストという専門家が訪問し、理学療法(立ち上がり・起き上がり・歩行など)、コミュニケーションなど生活に必要な基本動作の訓練を行います。
理学療法
- 立ち上がり
- 起き上がり
- 歩行
これらの基本的な動作を、一つひとつ丁寧に訓練します。
作業療法
- 家事
- 仕事など日常で行う作業
料理、掃除、着替え。日常生活で必要な動作を、実際の生活環境で訓練できます。
コミュニケーション訓練
人と話すことも、大切なリハビリです。会話をすることで、脳が活性化され、意欲も湧いてきます。
「友人とカラオケに行きたい」90代男性の強い思い

肺炎後に廃用症候群を患ってしまった90代の彼は、筋肉量の低下や関節が固くなってしまったことによって、転倒しやすくなったり少し動いただけですぐ疲れてしまうという症状に悩んでいました。
そして何よりも一番悲しいのが「友人とカラオケや麻雀に行けないこと」でした。
リハビリ施設を探したが…
廃用症候群にはリハビリが良いと聞いたことがあったので、リハビリ施設などを探していました。
しかし、どの施設も保険適用内の制限されたリハビリ内容です。
週に何回まで、1回何分まで。そんな制限があって、彼は物足りなさを感じていました。
「土日ももっと頑張りたい」
彼は「友人とのカラオケ」のために、土日ももっと頑張りたいという思いを強く持っていたので、リハビリを始められずにいました。
保険適用のリハビリでは、土日は休み。でも、彼は土日もリハビリをしたかった。早く友人とカラオケに行きたかったからです。
自費訪問リハビリとの出会い
そんなとき別の知り合いが、「自費訪問リハビリ」について教えてくれたので早速セラピストに来てもらいました。
保険適用の制限がない。土日もリハビリできる。自分のペースで、自分の目標に向かって頑張れる。
それが、彼にぴったりでした。
考え方が変わった|「関わる人も元気になってもらわないと」

自費訪問リハビリを始めた結果、大きな変化がありました。
「自分だけが健康でも楽しくない、関わる人も元気になってもらわないと」と、考え方が変わったのをきっかけに、動き方や考え方について教わったことを友人に伝えているそうです。
リハビリで学んだことを友人にも
最初は、自分が健康になることだけを考えていました。でも、リハビリを通して気づいたんです。
「自分だけが元気でも、友人が元気じゃなかったら一緒にカラオケに行けない」
だから、セラピストから教わった動き方や考え方を、友人にも伝えるようになりました。
「まだまだチャレンジしていくつもり」
今では自分からできることはやるようになり、「まだまだチャレンジしていくつもり」とのことです。
90代でも、まだまだやりたいことがある。まだまだ挑戦していきたい。
その前向きな気持ちが、回復を後押ししました。
自費訪問リハビリの3つのメリット

メリット1:可能な限り早く日常生活に戻せる
自費訪問リハビリは、自宅で実施できるので、生活環境に合わせた訓練が可能です。
階段の上り下り、部屋の移動など日常生活で必要な動作をセラピストにマンツーマンで訓練してもらえるので危険も少なく、できるだけ最短の日程で日常生活に戻れます。
リハビリ施設では、施設内の設備で訓練します。でも自宅なら、実際の生活環境で訓練できる。これが大きな違いです。
メリット2:精神的な負担が少ない
被介護者にとって慣れた環境のため、精神的な負担も少なく、人目も気にしなくて良いので安心できるメリットもあります。
知らない場所、知らない人たち。それだけで高齢者にとっては大きなストレスです。
でも自宅なら、リラックスしてリハビリに取り組めます。
メリット3:自分のペースでリハビリできる
同じような状況の人とコミュニケーションを取りながらリハビリを行いたい人には不向きですが、自分のペースで土日もリハビリしたい彼のようなタイプには、ぴったりのサービスといえます。
保険適用のリハビリは、集団で行うことが多いです。それが合う人もいれば、合わない人もいます。
彼の場合は、自分のペースで、自分の目標に向かって頑張りたかった。だから自費訪問リハビリが合っていました。
廃用症候群の対策で最も大切なこと

廃用症候群リハビリの対処法で最も大切なのが「動く機会」をつくることです。
付きっきりの過介護は避け、着替えや排泄など身の回りの動作で自分でできるものは自分でするよう促しましょう。
できることは自分でやる
時間がかかっても、できることは自分でやる。
家族が手伝いたくなる気持ちはわかります。でも、ぐっとこらえて見守る。それが、本人の回復につながります。
運動機会を奪わない
「動かない」ことが、廃用症候群を悪化させます。
だから、「動く機会」を作ることが何より大切。日常生活のあらゆる場面が、リハビリの機会になります。
よくある質問

Q:廃用症候群はどれくらいで進行する?
A:高齢者の場合、1週間寝たきりだと約10〜15%の筋力が失われます。早く進行するので、早期のリハビリが大切です。
Q:保険適用のリハビリと自費リハビリの違いは?
A:保険適用のリハビリは回数や時間に制限があります。自費リハビリは制限がなく、土日も含めて自分のペースでリハビリできます。
Q:何でも手伝ってしまうのは良くない?
A:「過介護」は本人の運動機会を奪い、廃用症候群を悪化させます。できることは時間がかかっても自分でやってもらうことが大切です。
Q:自宅でのリハビリと施設でのリハビリ、どちらがいい?
A:実際の生活環境で訓練できる自宅リハビリは、日常生活への復帰が早いメリットがあります。ただし、同じ状況の人と交流したい方には施設が向いています。
Q:90代でもリハビリで回復できる?
A:90代でも適切なリハビリで“できる”が増えます。実際にこの男性も、友人とカラオケに行けるまで回復しました。年齢に関係なく、諦めずに取り組むことが大切です。
Q:廃用症候群を予防するには?
A:病気で安静が必要な時期が過ぎたら、できるだけ早く体を動かすことが大切です。日常生活の中で、できることは自分でやる習慣をつけましょう。
最後に

肺炎後に廃用症候群を患ってしまった90代の彼は、筋肉量の低下や関節が固くなってしまったことによって、転倒しやすくなったり少し動いただけですぐ疲れてしまうという症状に悩んでいました。
そして何よりも一番悲しいのが「友人とカラオケや麻雀に行けないこと」でした。
リハビリ施設を探しましたが、どの施設も保険適用内の制限されたリハビリ内容。「友人とのカラオケ」のために、土日ももっと頑張りたい。そんな思いがありました。
そんなとき、自費訪問リハビリについて教えてもらい、早速セラピストに来てもらいました。
自費訪問リハビリを始めた結果、「自分だけが健康でも楽しくない、関わる人も元気になってもらわないと」と、考え方が変わりました。
動き方や考え方について教わったことを友人に伝えるようになりました。今では自分からできることはやるようになり、「まだまだチャレンジしていくつもり」とのことです。
廃用症候群は、脳卒中や肺炎など治療を必要とする疾患により、ベッドで長期間にわたって安静に過ごすことで生じる状態です。症状が重いと「心機能低下」や「誤嚥性肺炎」など命に関わる状態におちいることもあります。
でも、入院した原因の病気が治れば速やかにリハビリをして運動能力を取り戻すことができます。
高齢者の廃用症候群は早く進行してしまうので、気がついたときには「起きられない」「歩くことができない」状態になってしまうこともあります。
だからこそ、廃用症候群の対策に「過介護」は不要です。ご本人の運動機会を奪わないことが重要です。
可能なら時間を要してでもご本人に行ってもらう。家族の事情で介護が負担になるなら、自費訪問リハビリなどを利用する。
廃用症候群リハビリの対処法で最も大切なのが「動く機会」をつくることです。付きっきりの過介護は避け、着替えや排泄など身の回りの動作で自分でできるものは自分でするよう促しましょう。
90代でも、まだまだやりたいことがある。まだまだ挑戦していきたい。
その前向きな気持ちが、回復への第一歩です。







