保存療法で根本解決!椎間板ヘルニアのリハビリで痛みを撃退!禁忌と効果的な運動を紹介
2023.08.11
椎間板ヘルニアは、痛みや痺れを引き起こすことで日常生活に支障をきたします。運動に障害が出てしまう辛い症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
治療法は主に温存療法か手術になりますが、手術が必要な場合はごく僅かであると言われています。そのため、的確な手術適応範囲を知ることが必要です。
手術でない場合に選択される温存療法では、リハビリが有効的な手段となります。
しかし、自己流の運動は危険であるため避けるようにしてください。専門医の元で適切なリハビリを取り入れ、痛みや痺れの軽減を目指しましょう。
目次
椎間板ヘルニアにはリハビリが効果的…手術適応範囲や最新治療は?
椎間板リハビリの基本的な知識を身につけることで、自分に最適な治療法も見えてきます。
薬の処方は痛みを和らげる対症療法のため、根本的治療には繋がりません。手術適応の症状なのか、そうでないのかを診断してもらい早期にリハビリへと繋げましょう。
椎間板のヘルニア|原因や症状
椎間板は背骨(椎体)と背骨の間のクッションの役割をしています。
椎間板の中心は髄核で、その周囲が線維輪といわれるもので構成。その、椎間板の線維輪にできた亀裂から髄核が線維輪の外へ飛び出した状態を「椎間板ヘルニア」といいます。飛び出した一部が、神経を圧迫することで痛みや痺れを引き起こすのです。
普段から背骨、特に腰に負担がかかっている姿勢や行動をしている方はなりやすいと言われています。また、椎間板は若い頃には弾力がありますが、加齢と共に弾力が減少し圧力に弱くなるため、年齢を重ねても発症しやすい傾向が。喫煙も要因の一つであるとされています。
以下のような症状を感じたら専門医を受診するようにしましょう。
- 腰痛で立っているのが辛い
- 前かがみが辛い、痛みを感じる
- 小一時間座っているのが辛い
- 30分以上歩くと腰や足が痛い
- 足や臀部が痺れているように感じる、感覚が鈍い
- 腰が痛く座ってから立ち上がるまでが辛い
参考:「腰椎椎間板ヘルニア」|日本整形外科学会症状・病気をしらべる
手術適応の椎間板ヘルニア
椎間板のヘルニアでは、絶対的な手術適応症状が存在します。
以下のような症状には注意が必要です。
- 筋力低下が進行している、すでに筋力低下が著しい
- 膀胱直腸障害(腰の痛みと共に失禁や残尿感がある)
これらの症状は早期発見が重要で、手術が遅れると後遺症として改善がみられない場合があります。特に膀胱直腸障害は発症から48時間以内の手術で予後がよいという報告も。自身の症状や状況を正しく把握するようにしましょう。
また、椎間板ヘルニアのリハビリを3ヶ月以上行っても痛みや痺れが改善しない方も手術適応となります。日常生活に支障が及ぶ足の痺れがある、内服薬やブロック注射でも症状が改善しない場合です。
しかし、緊急性の高い症状以外の場合には本当に手術が必要かは担当医とよく話し合い、正しい判断をすることが大切です。
参考:腰椎椎間板ヘルニアは手術が必要なのか?手術について解説|腰痛メディア|zenplaceが発信する痛みの情報サイト
椎間板内酵素注入療法とは
椎間板ヘルニアの温存療法として椎間板内酵素注入療法という新しい治療法が導入されました。
椎間板内酵素注入療法では、コンドリアーゼという酵素が含まれた薬剤ヘルコニアを患部に直接注射します。コンドリアーゼが、髄核を溶かし椎間板内圧を低下させヘルニアによる神経根圧迫を軽減し痛みや痺れを改善するのです。
椎間板内酵素注入療法は1泊2日ほどの入院で済み、手術より体への負担が少ない利点があります。
しかし、ヘルニアの形や出ている位置によって、また以前に椎間板内酵素注入療法を受けたことがある方は受けられないなどの注意点があるため、治療を検討している方は担当医に相談するようにしてください。
椎間板ヘルニアのリハビリは運動療法|温存療法・手術後
実際に椎間板のリハビリではどのような内容を行うのでしょうか?温存療法と手術後のリハビリでは、内容が異なります。
また、椎間板リハビリでしてはいけないことを必ず知っておくようにしましょう。
温存療法のリハビリ
椎間板ヘルニアではほとんどの場合、保存療法でのリハビリを選択します。飛び出した椎間板は、正しい姿勢をキープし、過剰な圧力をかけずにいると元の位置に収まろうとすることもあるのです。
軽度のうちに正しいリハビリを始めることで、日常生活を問題なく過ごすことができるくらいには回復できます。
安静にしていても痛みや痺れが出る状態では腹式呼吸などのリハビリを取り入れましょう。動作で痛みや痺れが出る場合には、骨盤運動などで腰椎と骨盤の動きを改善していきます。背骨を曲げる運動「ウィリアムズ体操」や、背骨を伸ばす運動「マッケンジー体操」が有名です。
リハビリを継続して、体幹や筋力を鍛え、多少の負担にも耐えられる体作りを目指しましょう。
手術後のリハビリ
術後のリハビリは、ベッドの上でできる負荷の少ない運動から始めます。ベッドの角度を調整してアップしていく方法から、徐々に歩行器を使用した歩行訓練へ。歩行器を使用しなくなった後には、腹筋運動やブリッジ運動を取り入れて体幹や足腰の筋力訓練を行います。
痛みや痺れが出る場合には無理のない範囲で取り組むように気をつけましょう。
椎間板ヘルニアの禁忌
椎間板ヘルニアではやってはいけないこと、避けた方が良いことが存在します。これらの行動に気をつけることでヘルニアの悪化を防ぐようにしましょう。
- 中腰での動作は避ける
(中腰になっている時の腰への負担は通常時の2倍)
- 重いものを持つときには、膝をおりしゃがんだ状態で足を伸ばし持ち上げる
(中腰で重いものを持つ時の腰への負担は通常時の4.5倍)
- 姿勢をよくする
- 喫煙者は、禁煙する
腰に負担がかかる動作はもちろんですが、椎間板ヘルニアは喫煙も原因となりうる疾患といわれています。喫煙者の発症リスクは非喫煙者の1.27倍、痛みの程度が高くなり、痛み止めの効果も薄くなってしまうのです。椎間板ヘルニアと診断された方で喫煙をしている場合には禁煙を心がけましょう。
参考:腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと|リペアセルクリニック東京院
椎間板ヘルニアのリハビリのために!効果的な運動で症状改善を
椎間板ヘルニアのリハビリに効果的な運動とは何があるのでしょうか?症状が改善されてきたら自身でも取り組むことで、さらなる改善が期待できます。
運動ならば何でも良いという訳ではないため、やってはいけない運動も知っておきましょう。
椎間板ヘルニアに良い運動・良くない運動
椎間板ヘルニアには脊椎に負担をかけない範囲でできる重力のかかる運動が良いとされています。
- ウォーキング
- 軽いジョギング
- 自転車
- 水泳(クロール・背泳ぎ)
- ストレッチ等
ウォーキングでは1日30分ほどを目安に、硬いアスファルトの上より柔らかい土の上だと負担がかかりません。水泳も、体のバランスが取れて安定的な姿勢でできるクロールや背泳ぎが効果的です。
ストレッチは反動をつけずに無理のない範囲で行いましょう。自分の症状に合わせて少しずつレベルを上げていくことが大切です。
反対に、椎間板ヘルニアに良くないとされるのは、膝に負担がかかり体の片側だけを使用する運動になります。
- ウエイトリフティング
- テニス
- バドミントン
- ゴルフ等
これらの運動は控えるようにしましょう。
どんな運動でも無理せずできる範囲で行うことが、ヘルニアを改善し悪化させない近道になります。
参考:【腰椎椎間板ヘルニア】やってはいけないこと5つ!予防に効果的なストレッチも紹介|先進性でリハビリに革新をリハサク
一人で不安なら…自費訪問リハビリを
椎間板ヘルニアは日常的な動作の癖も大きく関係します。通所でリハビリを行っても、日常的に気をつけていなければ再び症状が悪化してしまうこともあるのです。
自費訪問リハビリでは、普段の生活に寄り添ったリハビリプログラムの提供が可能です。痛みや痺れといった個人の症状に合わせたオーダーメイドリハビリで、目標達成まで細やかなカウンセリングも行います。
症状の改善を実感しやすく、リハビリ継続のモチベーションを維持するお手伝いも。痛みや痺れをネックにせず、継続しやすいリハビリプログラムに取り組んでいただけます。
まとめ
椎間板ヘルニアでは、痛みや痺れが日常生活の様々なことに悪影響を及ぼします。痛みによるストレスで、不眠症に陥ってしまう方も少なくありません。
薬を飲めば痛みは治りますが、根本的な治療のためにはリハビリがなくてはならない存在です。ヘルニアになってしまい痛みや痺れが強い状態では、まずは安静にしましょう。痛みの少ない時からリハビリを開始します。
椎間板のヘルニアは日々の生活習慣によっても起こりやすい疾患です。腰に負担のかかっている生活・行動をしていないか見直すことも大切になります。同時に、腰の周りの筋肉をほぐし、体幹を鍛えるリハビリを継続していきましょう。
椎間板ヘルニアを改善して、過ごしやすい日常を手に入れてみてはいかがですか。