【保存版】下肢のしびれは腰部の神経根症が原因?リハビリで改善できる?
2024.02.22
腰部神経根とは腰椎から下肢へ伸びてる抹消神経の束のことです。この神経根が病気によって圧迫を受けると下肢に痛みやしびれを生じたり歩けなくなることがあります。これを腰部神経根症と呼びます。
腰部神経根症は日常生活で腰に負担をかけている人がかかりやすい疾患です。日常生活の改善やリハビリを取り入れることで症状の改善が見込めるため、日々の意識や自己管理も重要です。
腰部神経根症の特徴を理解し、日常生活で気を付けるべき事を把握しましょう。
目次
腰部の神経根症の治療に有効なのは?リハビリ・手術・注射?
腰部の神経根症は、痛みや症状の進行具合で様々な治療が取り入れられます。症状が強くなってしまうと、歩くことが困難になるほど痛むことも。
しかし、日常生活の改善で症状の軽減も見込めるので早期治療を行う事が大切です。
腰部神経根症とは
腰部神経根は下肢の筋肉を動かしたり、感覚を脳に知らせたりするための電気信号の通り道です。この神経根が脊椎や椎間板の変形などにより圧迫されることで起こる症状を「神経根症」と呼びます。
原因は加齢による脊椎や椎間板の変形だけでなく、普段の姿勢の悪さや生活習慣、病気など様々な理由があげられます。
腰部神経根症になると、下肢に痛みやしびれが現れ、症状がすすむと力が入らなくなったり、筋力が落ちてくることもあります。
腰部神経根症の症状
腰部神経根症は痛みやしびれが足やお尻に出現します。症状が強い場合は痛みやしびれだけでなく、感覚麻痺を引き起こす事もあります。
また、神経根症の多くは体の左右どちらか一方にあらわれるのが特徴です。症状の中には手足を自由に動かせなくなったり、力をいれる事が難しいという方もいます。
神経根の圧迫により麻痺してしまった筋肉が萎縮してしまうため、より早期に治療を行う必要があります。
腰部神経症の主な治療方法
腰部神経根症の多くは薬物療法により神経の血流を改善したり、痛みを軽減する治療が行われます。また、今後症状を悪化させないために保存療法としてリハビリも重要です。なるべくストレスの少ない姿勢の保持や動作を習得することを目的として行われます。
歩く事が困難なほどの痛みの場合は、痛む部位の神経付近に麻酔薬を注射することで痛みをとる「ブロック注射」や神経と圧迫している部分の骨を取り除く「除圧手術」などが行われます。
腰部の神経根症を起こす主な病気はこの2つ
腰部神経根症を起こす病気の代表として「腰椎椎間板ヘルニア」と神経根型の「腰部脊柱管狭窄症」があります。
それぞれ症状は似ていますが原因や治療方法が異なるので、1つずつ解説していきます。
脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、背骨にある神経が通っている管「脊柱管」が狭くなっている状態です。脊柱管は骨や椎間板、靭帯などで囲まれているため、椎間板のはみ出しや靭帯が厚くなることで脊柱管が狭くなり、その中の神経を圧迫してしまうのです。
・腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは腰の椎間板がはみ出し、神経を圧迫している状態です。椎間板は骨と骨の間にあるクッションの役割をしています。この椎間板が何らかの原因で飛び出す事で神経を圧迫してしまいます。
脊柱狭窄症の症状と原因
脊柱狭窄症は長時間立ちっぱなしでいたり、長く歩いていると下肢の痛みやしびれで歩けなくなり、少し休むとまた動けるようになることを繰り返す、間欠性跛行という特徴的な症状があります。
脊柱管狭窄症は脊椎骨の老化が原因で、年配の方に多く見られる病気です。腰に負担がかかる職業に携わってきた人や逆に筋肉をあまり使わず筋力が低下している人、肥満の人がなりやすい傾向があります。
椎間板ヘルニアの症状と原因
腰椎椎間板ヘルニアは、急に激しく腰や足に傷みやしびれが起こります。病状が進行すると、足の力が入りにくくなり、つまずきやすくなることがあります。
椎間板は年齢を重ねるごとに弾力がなくなり壊れやすくなるため、年配の方に多い病気ですが、20代〜40代の方にも多く見られます。他の腰椎の病気に比べると若い人が多いのが特徴です。
日常的に仕事や子育てで中腰の姿勢が多い人や、姿勢が悪い人が腰椎椎間板ヘルニアになりやすい傾向があります。また女性ではハイヒールを良く履く人も要注意です。
腰部の神経根症を悪化させないためにもリハビリを
痛みやしびれが強い場合は安静にして置くべきですが、症状が落ち着いたら適度な運動やリハビリをはじめましょう。
治療と日常生活の改善をすることで症状を軽減することができます。
腰部神経根症のリハビリ
腰部神経根症の保存療法として行うリハビリは、今後症状を悪化させないためにとても重要です。
なるべく腰に負担のかかる姿勢を避けながら、足の筋力や柔軟性、血流の改善を促すために適度な運動療法を取り入れるのがおすすめです。ストレッチや体幹を強化するような運動と一緒に、電気療法などの物理療法で血行をよくし、固まった筋肉を和らげることでリハビリの効果を高めてくれます。
また、猫背や反り腰、長時間のデスクワークなど、日々の生活習慣の見直しを行うことも重要です。
【病状別】日常生活でやってはいけないこと
腰部神経根症は日常生活の改善で症状の軽減が見込めます。日常生活で気を付けるべきことを意識しましょう。
日常生活でやってはいけないこと
■脊柱管狭窄症
・腰を後ろに反らす
・長時間の歩行や立位
・無理な運動をする
■腰椎椎間板ヘルニア
・前かがみや中腰の姿勢
・長時間の座位
・重たいものを運ぶ
何よりも神経の圧迫を強めるような、姿勢や行動は避けるようにしましょう。
腰部神経根症のリハビリついて・まとめ
腰痛は日本人の自覚している病気やケガの中でも最上位に位置する疾患です。今回は腰痛の原因疾患の中でも腰部神経根症にスポットをあてて解説してきました。
腰部神経根症は下肢のしびれや痛みを伴い、さらに症状が悪化すると手術が必要な場合もあります。しかし、日常生活の自己管理やリハビリで早期改善をも見込める疾患です。違和感を感じたら早めの受診、早めの治療を心がけましょう。
日々の生活の中で、自ら意識して腰に負担をかけているような行動や姿勢を避け、無理のない範囲でリハビリや運動をとりいれることが大切です。