脳梗塞とはどのような病気?後遺症の排尿障害の種類やリハビリの重要性について解説
2024.01.31
脳梗塞は、年齢を問わずだれにでも起こりうる怖い病気です。日本の死亡要因の中でも大きな割合を占める病気であるため、正しく対処する必要があります。
脳梗塞という言葉はよく聞くものの、具体的にどのような病気であるのか理解していない方も多いのではないでしょうか。排尿障害などの後遺症も多いため、正しく理解して適切な対処を行ないましょう。
今回は、脳梗塞とはどのような病気であるのかを説明するとともに、後遺症である排尿障害の内容について解説します。治療におけるリハビリの重要性やリハビリに取り組むうえでの注意点についても紹介します。自身が脳梗塞になるケースだけでなく、家族など周囲の人が罹患する可能性もあるため、あらかじめ理解を正しく深めておきましょう。
目次
脳梗塞とはどのような病気?排尿障害の後遺症に悩まされるケースも多い
脳梗塞は、命に係わる危険な病気です。治療後も後遺症に悩まされるケースが多く、完治は難しい病気と考えられています。脳梗塞が発生する原因や、排尿障害の種類などについて理解しましょう。
脳梗塞の原因と症状
脳梗塞とは、脳卒中の一種で脳に血液を送る血管が詰まったり細くなったりして、十分な血流が維持できない状態にある病気です。血液が不足した状態が続くと、脳の一部が壊死してしまい、非常に危険な状態に陥ってしまいます。
脳梗塞になる原因としては様々なものがあるとされていますが、主に高血圧や糖尿病などから併発するケースが多いです。脳梗塞になると、片半身のしびれや麻痺及び運動機能の障害や視野が狭くなってしまうなどの症状がみられます。脳梗塞になると、少しでも早く治療をしないと命にかかわってしまうため、早期発見が重要です。
後遺症として排尿障害が起こる理由
脳梗塞は、治療を終えても多くの後遺症がみられる病気として知られています。後遺症の種類は多岐にわたりますが、その1つに排尿障害がみられます。
脳梗塞を患うと、脳の機能が一部分失われてしまいます。排尿は、脳がコントロールをしているため、機能障害によりうまく排尿のコントロールができなくなってしまいます。脳梗塞を患うと、トイレに行く前に放尿をしてしまったり、逆にトイレで排尿ができなかったりする症状がみられます。
排尿障害の種類1:過活動膀胱
脳梗塞の後遺症として発症する排尿障害には大きく分けて2種類あります。1つ目は、過活動膀胱(かかつどうぼうこう)と呼ばれる種類です。
過活動膀胱になると、意思に反して膀胱が勝手に収縮したり過敏になったりして、膀胱内に尿が溜まる前に尿意を覚えてしまいます。過活動膀胱になる要因は、脳梗塞の後遺症だけではなく、前立腺肥大症などからも起因するケースがあります。
排尿障害の種類2:神経因性膀胱
脳梗塞の後遺症として発症する排尿障害の2つ目は、神経因性膀胱です。神経因性膀胱になると膀胱の機能をうまくコントロールできなくなってしまい、膀胱内で尿を溜められなくなったり、排尿をしようとしてもうまくできなくなったりする症状がみられます。
正常な膀胱は、尿が中に流れ込むと風船のように膨らんで尿を溜め、膀胱を収縮させて排尿を行います。これらの機能をコントロールできなくなるのが、神経因性膀胱と考えられています。
脳梗塞の排尿障害にはリハビリが効果的!自宅でできる取り組み方もある
脳梗塞の後遺症として発症する排尿障害の改善には、リハビリが有効です。効果的なリハビリを行うためには、まずは医療機関などの専門機関で指導を受け、自宅でもできる方法を取り入れていきましょう。
医療機関で実施する主な方法
まずは、医療機関などの専門機関で適切なリハビリ方法の指導を受けましょう。検査を受けて排尿パターンを観察したり、残尿測定を受けたりして排尿障害の評価を行います。
そのうえで、適切なリハビリ方法を遂行していきます。随意的に括約筋を収縮させる運動や、骨盤底筋群トレーニングなどが実施されるケースが多いです。効果的なリハビリを行うため、正しい方法を学び取りましょう。
自宅で取り組めるリハビリ方法
排尿障害のリハビリは、医療機関だけでなく自宅でも行います。リハビリといっても身体的なエクササイズを行うのではなく、決まった時間にトイレに行って排尿を誘導するといった行動が中心となります。
1日の中で決まった時間にトイレに行ったり、決まった間隔を空けてトイレに行ったりすることで、自分で排尿をコントロールする訓練になります。自分だけでなく、家族のサポートを受けながら根気よく実行しましょう。
排尿障害に効果の高いリハケア体操の実践
排尿障害に効果のあるリハビリの1つに、リハケア体操と呼ばれるものがあります。リハケア体操の内容は多岐にわたり、患者の身体能力に合わせた適切な強度のエクササイズを実践できます。
椅子を利用して座ったまま行えるものや、寝たきりの人でも取り組める仰向け状態でできるエクササイズなど、多岐にわたる内容の体操です。専門機関のアドバイスを受けながら、適切な強度の体操を選択して根気よく継続して障害の改善を図りましょう。
脳梗塞の排尿障害にリハビリを行う注意点とは?周囲の協力と専門家の指導が重要
脳梗塞の後遺症における排尿障害は、リハビリにより改善が図れます。しかし、ただやみくもに実践しても成果は得られません。効果的なリハビリを実践するため、注意すべきポイントを紹介します。
家族や友人の理解と協力が不可欠
リハビリを継続して行うためには、自身の意思だけではなく家族や友人など周囲の人の理解と協力が欠かせません。脳梗塞を患うと、脳機能が損なわれているケースが多いため、リハビリを継続して行うことを失念してしまう場合もあります。
周囲の人がリハビリを自然に促し、継続してエクササイズを行えれば、症状の改善に繋がりやすくなるでしょう。介助が必要な場合も、周りの人の協力が欠かせません。
専門医の意見と指導内容を必ず守る
リハビリを行う際は、専門医の意見や指導内容を必ず守りましょう。早く障害の改善を得たいと思い、予定以上のエクササイズをしていては、かえって体調を悪化させてしまう恐れがあります。
近年は、医療機関だけでなくリハビリ専門の機関も増えています。プロの視点から、適切な内容のリハビリ指導をしてもらえる機関が増えているので、是非積極的に活用しましょう。
まとめ:脳梗塞による排尿障害はリハビリで改善を
脳梗塞は、脳の血流が不足して脳機能が失われてしまう恐ろしい病気です。治療を終えても多くの後遺症があり、排尿障害もその1つです。
排尿障害の改善には、リハビリが有効です。医療機関など専門医からの指導内容をしっかりと守り、適切な内容のリハビリを継続しましょう。脳梗塞の治療及び後遺症の改善には、家族や友人など周囲の人の協力も欠かせません。専門機関のアドバイスを受けながら、根気よく取り組みましょう。