脳梗塞と片麻痺に対するリハビリの知識!なぜ片麻痺が起きるのか…専門的ケアの重要性
2024.01.26
なぜ?脳梗塞によって片麻痺が生じるのか、リハビリはどのように行うべきなのか…。脳梗塞1つをとってもさまざまな疑問が浮かび上がります。
特に、脳梗塞をきっかけに片麻痺が生じるケースは少なくなく、メカニズムの理解も重要です。加えて、右麻痺・左麻痺では症状も異なる場合もあるため、脳梗塞と片麻痺、さらにはリハビリと言った内容を深く理解していきましょう。
今回は脳梗塞と片麻痺に対するリハビリの知識などについて解説していきます。
目次
脳梗塞と片麻痺の関係性について…リハビリが必要になる理由とは?
脳梗塞によって片麻痺が生じた場合、リハビリはなぜ必要なのでしょうか?片麻痺が生じるメカニズムを理解し、効果的にリハビリを進めましょう。
脳梗塞は機能障害や神経学的な症状がひき起こる
そもそも、脳というのは神経細胞の集まっているところです。そして脳から出された指令は体を動かすことに役立っています。
脳梗塞の場合、脳の一部が血流の閉塞によって酸素や栄養が不足し、細胞が死滅する状態を指しています。血液が脳に必要な酸素を運べないことで、脳の一部が損傷し、その結果、機能障害や神経学的な症状が現れるのです。加えて、脳が損傷してしまうと、本来脳から全身に送るはずだった指令が、うまく伝わらず麻痺などに繋がります。
片麻痺とは一体何?
片麻痺は、脳梗塞や他の脳の損傷によって、身体の片側(右または左)に強い筋力低下または麻痺が生じる状態。この症状は、損傷が脳の運動皮質や運動経路に影響を及ぼした場合に発生します。
例えば、脳の運動皮質や運動経路に血流障害が起こると、その部位に信号を送る神経細胞がダメージを受けます。となると、伝達先である筋肉に適切な指令が届かなくなるというわけです。
この結果生じるのが、片側の身体の筋肉が弱まりや動きの制限。
片麻痺は通常、脳の右側に損傷がある場合には左側の身体に、脳の左側に損傷がある場合には右側の身体に影響を及ぼすとされています。
なぜ脳梗塞と片麻痺が?リハビリは必要?
脳梗塞による片麻痺は、脳の特定の領域に血液が届かないことにより、脳の運動機能を担当する部分がダメージを受けることから起こります。基本的には片麻痺の原因と同様です。
患者の身体の片側に関連するため、片麻痺が発生した側の手足が麻痺や筋力低下を示すことが一般的です。もちろん、脳梗塞や脳出血などだけでなく、脳血管障害、脳外傷(外傷性脳損傷)、脳腫瘍、または神経変性疾患なども片麻痺を引き起こす病気として考えられるでしょう。
体の機能を回復させ、日常生活を快適な形に近づけるためにも、体に再学習させるリハビリは必須になります。
治療のステップ!脳梗塞後の片麻痺は専門的なリハビリ・ケアが重要
脳梗塞自体、体の機能に大きな変化を与えています。その中で片麻痺は生活のしづらさに繋がってきますので、症状を整理しながらリハビリへの意識を高めていきましょう。
片麻痺の具体的な症状を整理しよう
片麻痺は左右共通した症状もありますが、別の症状も存在します。いくつかピックアップしてみましょう。
【左右共通しているとされるもの】
・手足や顔、それぞれ片側に起きる痺れ
・伝えたいことははっきりわかるがうまく発音できない構音障害
・視野の欠損
など。
【右麻痺】
失語症や指示を出された通りの動きができない失行という症状。右麻痺は左脳に損傷があるため、言葉や論理的な思考を生み出す部分に影響が生じる。
【左麻痺】
右側にしか注意が向かなくなり、左麻痺・左側の空間を無視してしまう失認。他には怒りっぽくなるなど性格に影響を与えるとされる。右脳の空間認識や感情の制御を欠落させてしまう傾向がある。
症状や状況に合わせて専門的なリハビリを
脳梗塞などを発症したあと原因となった疾患の治療経過が安定していれば、急性期リハビリテーションをなるべく早い段階で開始するのが望ましいとされています。理由としては、回復が早くなったり、廃用症候群で挙げられるような筋肉・骨などの萎縮や関節拘縮など動かないことによる弊害を避けることができます。
そして発症後6ヶ月の間に回復期リハビリを行い、日常生活へ戻る準備を初めていきます。
治療の一環として、脳梗の塞後による片麻痺のリハビリテーションは、身体の機能を最大限に回復し、日常生活の活動性を向上させることを目指します。
脳梗塞後の片麻痺も維持期(生活期)のリハビリへの取り組みが重要
リハビリと一言に言っても、物理療法、作業療法、言語療法、および心理社会的なサポートが含まれます。患者の筋力や運動能力を回復させ、日常生活の適応をサポートするために使用されます。一方で、維持期は自らの意思と周囲の手助けが重要になってくるでしょう。
維持期|片麻痺のリハビリ
維持期(生活期)のリハビリは、発症後約6ヶ月後以降とされています。
そもそも脳梗塞によって、脳の運動機能を制御する領域に損傷が生じ、その部位の神経細胞や経路が影響を受けた後の体です。筋肉を動かす信号を正常に送ることができなくなっている状態であったため、回復期のリハビリでどれだけ取り組んだととしても、在宅に切り替えてからのリハビリは欠かせません。
メインとしては麻痺した側の筋力強化、左右の体の動きの連動性、体幹トレーニングなどが主になります。
基本的には回復期行っていたものを在宅でも継続できるのが理想です。一方で、生活しづらさが残っている場合は、無理な在宅でのリハビリから怪我の可能性もあるので気をつけましょう。
目標を明確にし継続的なリハビリを
ずっと自分だけで取り組むには限界もあります。そのような時は自費訪問リハビリなども視野に入れましょう。リハビリのためだけにどこかに通うのが億劫な方は在宅で、コツコツ継続するのがおすすめです。
一方できちんと目標を立てなければ継続することも難しいことを理解しておきましょう。
漠然と行うのではなく何を目的にし、どんな目標設定をしていくのか。継続するためのコツとして抑えておきましょう。
まとめ・脳梗塞と片麻痺に対するリハビリの知識
今回は脳梗塞と片麻痺に対するリハビリの知識を解説しました。片麻痺は左右共通して生じる症状だけでなく、右片麻痺、左片麻痺などではまたその様子も変わってきます。そして生活のしづらさが残るのも片麻痺の悩ましい部分です。
早期にリハビリに入り、できる限り早い回復を狙いましょう。もちろん症状やその人の状況に合わせたトレーニング・リハビリが大切です。そして、維持期に入ってからも継続してリハビリを行うことでより生活しやすい身体も手に入れられるでしょう。