NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳血管疾患は適切なリハビリテーションや生活習慣改善で重症化を防ぐ!

脳血管疾患は適切なリハビリテーションや生活習慣改善で重症化を防ぐ!

脳血管疾患は適切なリハビリテーションや生活習慣改善で重症化を防ぐ!

ある日突然に発症し、さまざまな後遺症を残すとされる脳血管疾患。

脳血管疾患にもさまざまな種類があり、命に関わる疾患から適切なリハビリを行わなければ後遺症から抜け出せず生活に影響を及ぼしてしまうこともあります。

退院後の生活を安心して送るためにも、身体機能や筋力維持のためのリハビリテーションが重要で、早期に行うことである程度まで機能回復が可能とされています。

今回は、脳血管疾患のリハビリテーションのポイントや脳血管疾患の特徴についてご紹介します。

脳血管疾患になるとどうなる?脳血管に起こるトラブルとは

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脳血管に障害が起こる脳血管疾患は、命に関わるケースや後遺症が残るケースも少なくありません。後遺症を残さないためにも、自身の病気について知って症状に合うリハビリを選択しましょう。

寝たきりになる原因にも|脳血管疾患

脳血管疾患は、脳出血や脳梗塞などの総称で、麻痺や意識障害、言語障害といった症状があるリハビリテーションが必要な病気です。

高齢者にもっとも発生率が高く、寝たきりになってしまう原因ともなる疾患ですが、半身麻痺や記憶障害などの症状は、適切なリハビリが行われることで軽減されます。

脳血管疾患になる原因としては、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、喫煙や運動不足などの生活習慣の乱れなどからくる動脈硬化や脳出血などがあります。

脳の血管が破れる|出血性

脳血管疾患には、大きくわけると2種類あり、その一つが出血性の脳血管疾患です。

脳の血管が破れて出血し、出血した血液が「血腫」というかたまりを形成することで脳細胞を破壊したり、周囲を圧迫して障害を広げます。

脳の奥深くにある細い血管に、こぶができて破裂することで出血する疾患を「脳出血」といい、頭蓋の下にあるくも膜という部位で出血する疾患を「くも膜下出血」といいます。

出血を起こした部位のダメージの大きさや脳出血の程度によって症状に差があらわれ、麻痺や言語障害などがそのまま後遺症となってリハビリテーションが必要になるケースが多いです。

脳の血管が詰まる|虚血性

虚血性脳血管疾患は、脳の血管が詰まる(閉塞する)ことで脳に行き渡る血液の流れが悪くなり、脳の細胞が酸素不足になったり栄養不足になって脳が壊死してしまう疾患です。

脳梗塞にも種類があり、血管にコレステロールが溜まって動脈硬化が進む「アテローム血管性脳梗塞」、脳の奥深くの細い動脈が詰まり梗塞を起こす「ラクナ梗塞」などがあります。

突然、脳の血流が止まると脳細胞は数時間以内で完全に死んでしまい、再生が困難になってしまうので、重大な後遺症が残ったり命の危険性もあります。

後遺症を軽くするためには、早期に治療を開始し、詰まった脳血管の流れを再開させて脳梗塞におちいる部位を少しでも小さくしてリハビリテーションを開始することが重要です。

脳血管疾患のリハビリテーション内容を回復過程別に3つ紹介

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脳血管疾患のリハビリは、回復する時期ごとに行う内容に違いがあります。それぞれの時期で行うリハビリについて理解しておくと、退院後に自宅で過ごすにあたってスムーズにリハビリを進めていけるでしょう。

基本的な動作から|急性期

脳血管疾患のリハビリテーションは、早ければ治療が終了してすぐに開始します。

その理由としては、手足自体はケガをしていないことから、早期にリハビリを開始して身体の筋力を保ち廃用症候群になるのを防ぎながら、早めに社会復帰することがあります。

しかし発症後2週間程度の急性期は、合併症が起こりやすい期間でもあるため、手足を動かす運動や、寝返りやベッドの上で座るなど基本的な動作の練習から始めます。

リハビリ室などで集中的に|回復期

病状が落ち着いた回復期の脳血管疾患のリハビリテーションでは、麻痺の回復を促進する運動や立って歩く運動、入浴や着替えなどの日常生活に関わる運動などをリハビリ室や実際の生活環境を想定した室内で集中的に行います。

そして、退院後の生活を考慮して歩行器具など補助具を選んでおいたり、手すりやスロープの設置など生活環境の調整も始めていきます。

退院後に自宅でどんなリハビリを行えば効果的なのかをリハビリ専門スタッフと一緒に考えながら、さらなる回復につなげましょう。

ストレッチが重要|生活期

脳血管疾患の退院後のリハビリテーションは、生活シーンや活動範囲に合わせた動作を練習しながら、少しづつ活動範囲を広げていきます。

また、生活期の時点で麻痺が残っていると、麻痺の回復が難しくなるため、手足に動かしにくい状態(痙縮)が生じ、運動を阻害する原因になります。

そのため、生活期以降のリハビリでは、麻痺の回復を促すために、ストレッチやマッサージなどで手足の柔軟性を保ち、痙縮を弱めることが重要です。

【参考:徳島大学「急性期における脳血管障害患者の病気体験に関する認識」

脳血管疾患|リハビリテーションと安全な生活を助ける商品を紹介

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脳血管疾患の回復後のリハビリでは、手や手首の筋肉・関節の動かしやすさを重視して行うと生活がしやすくなっていきます。最近では、片手に麻痺がある人向けの便利な商品も販売されているので見ていきましょう。

回復に役立つリハビリ①手首のストレッチ

脳血管疾患のリハビリテーションにおいて、ストレッチを行い麻痺側の手首を柔らかくしていくことが重要です。手首が伸びれば、服の着やすさなど日常生活におけるちょっとした行動のやりやすさが断然違ってきます。

【指と手首のストレッチ】

①麻痺しているほうの指を麻痺のないほうの手で開く。

②そのまま手首を伸ばしてテーブルに置き、10秒数えます。(5回)

回復に役立つリハビリ②肘・肩のストレッチ

手足の痙縮を抑えるためには、肩の柔軟性を高めることも重要です。座った状態でできるので自宅でも簡単にできる脳血管疾患のリハビリテーションをご紹介します。

①座って両手を組んだ状態で肘をまっすぐに伸ばします。

②そのまま腕をゆっくり床まで下ろします。

③腕をそのまま天井に向かって左右対称になることを意識しながら、ゆっくり持ち上げます。(20回)

麻痺が残る方におすすめの商品や福祉用具

現在では、麻痺が残っていても生活行動をスムーズに行える便利な商品がホームセンターやネットなどで販売されているので、おすすめの商品についてご紹介します。

①ペットボトルオープナー…握力に自信がなくてもペットボトルを開けられる商品です。100均などでも販売しています。

②片手用爪切り…片手が不自由だったり、手の指の力が弱い方でも自分で簡単に爪を切ることができます。

③据え置き型手すり…ベッドや椅子の側に置いておくことで、立ち上がりや座る動作を安定させて行うことができます。

④自助箸…利き手に麻痺があっても、利き手ではないほうの手でも使いやすく開発されたお箸が販売されています。

症状が軽症ならピンセット型になっている「バネ箸」、重症なら箸を滑り落ちにくくするリングのついた「矯正型自助箸」がおすすめです。

脳血管疾患のリハビリテーションや生活のポイントまとめ

脳血管疾患の回復後のリハビリテーションや生活していく上でのポイントについてご紹介しました。

脳血管疾患のリハビリでは、日常生活の向上と社会復帰を目的として、後遺症を軽減しながら現存している能力を生かし、発症前の生活に近づける意識を持って行動することが重要です。

また、脳血管疾患で片方の手足に麻痺が残っても、麻痺がないほうの手足を使って日常生活を行うことは可能ですし、麻痺がある人に便利な商品も販売されています。

完全に回復しないからといってリハビリを諦めるのではなく、少しづつでもリハビリを継続して生活の質を上げていきましょう。

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