Q.
腱板損傷の手術後のリハビリでは、どのような点に注意が必要?
腱板損傷の手術後は、リハビリが非常に重要な役割を果たします。手術によって損傷した腱板は修復されますが、術後のリハビリを適切に行わないと、十分な機能回復が得られない可能性があります。
手術直後は、患部の安静が最優先されます。手術部位を保護し、腱板の修復を促進するために、患肢を三角巾などで固定します。この時期は、患部に負担をかけないことが大切です。
術後のリハビリは、医師の指示に従って、段階的に進めていくことが重要です。一般的に、腱板修復術後のリハビリは以下のような流れで行われます。
- 術後0~4週目: 患肢の固定を維持しつつ、肩関節の他動的な可動域訓練を行います。手指や肘関節の運動は積極的に行います。
- 術後4~8週目: 固定を外し、肩関節の自動介助運動から自動運動へと移行していきます。徐々に可動域を拡大していきますが、無理な動作は避けることが大切です。
- 術後8週目以降: 腱板の筋力強化訓練を開始します。エラスティックバンドなどを用いて、低負荷から始め、徐々に負荷を上げていきます。
リハビリを進める上で、痛みのコントロールは非常に重要です。痛みが強い場合は、無理せず、医師や理学療法士に相談しましょう。過度な痛みは、腱板の再損傷のリスクを高める可能性があります。
また、日常生活動作の獲得も重要な目標です。着替えや食事など、日常的な動作を通して、肩関節の機能を回復していきます。動作の際は、痛みに注意しながら、徐々に難易度を上げていくことが大切です。
手術後のリハビリでは、患者自身の自主トレーニングも欠かせません。理学療法士から指導された運動を、自宅でも継続して行うことが重要です。規則正しい生活を心がけ、コンディションを整えることも大切なポイントです。
腱板損傷の手術後は、リハビリに要する期間が長期に及ぶ場合があります。焦らず、諦めずに、自分のペースで取り組むことが重要です。医療専門家と連携しながら、着実にリハビリを進めていくことが、良好な機能回復につながります。