Q.
廃用症候群の原因と症状について詳しく教えてください。
廃用症候群は、健康的な生活を送る上で、知っておくべき重要な症候群の一つです。病気やケガによって安静にしていたり、痛みのために動くことを避けたりすることで、身体を動かす機会が減少し、廃用症候群が引き起こされます。
廃用症候群の原因となる代表的な疾患には、脳卒中、感染症、認知症、骨折などがあります。これらの疾患により、運動量が減少し、筋肉や関節、内臓の機能が低下していきます。さらに、運動意欲の低下によって、廃用症候群が進行してしまうことがあります。
廃用症候群の症状は多岐にわたります。運動器の障害では、筋力低下、関節の可動域制限、骨密度の低下などが見られます。循環器の障害では、めまいやふらつき、脱力感や錯乱が起こることがあります。消化器の障害では、食欲低下や便秘、逆流性食道炎などが現れます。泌尿器の障害では、頻尿や尿失禁、尿路結石、血尿などの症状が出ることがあります。
また、認知面や精神面での障害も見られます。認知症、睡眠障害、うつ、せん妄などが代表的な症状です。さらに、床ずれ(褥瘡)や誤嚥性肺炎など、長期の安静によって起こる合併症にも注意が必要です。
廃用症候群の症状は、患者の生活の質を大きく低下させます。日常生活動作(ADL)の低下や、社会参加の制限など、身体的・精神的・社会的な影響が現れます。
廃用症候群を予防し、症状を改善するためには、早期からのリハビリテーションと適切な治療が不可欠です。リハビリテーションでは、筋力強化、関節可動域の維持・改善、日常生活動作の練習などが行われます。また、薬物療法や栄養管理など、総合的なアプローチが必要です。
廃用症候群について理解を深め、予防と早期発見に努めることが大切です。病気やケガからの回復過程で、適切なリハビリテーションを受けることで、廃用症候群の発症を防ぎ、健康的な生活を取り戻すことができます。