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寝たきりでも一人でできる筋力低下予防の運動はあるの?
寝たきりの生活が長引くと、筋力低下が進み、体の機能が衰えていくのが常です。家族の協力を得てリハビリを行うのが理想的ですが、一人でもできる運動があります。
寝たきりの状態でも一人で実践できる、筋力低下予防の運動をいくつかご紹介しましょう。
まず、関節の曲げ伸ばしから始めてみましょう。寝たままの状態で、腕を体の横に広げ、ゆっくりと上下に動かします。次に、脚を開いたり閉じたりする運動を行います。これらの運動は、重力の影響を受けにくいので、比較的取り組みやすいはずです。
慣れてきたら、少し負荷を上げてみるのも効果的。肘を曲げてベッドに垂直に立てたり、腕を頭上に向かって上げたりしてみましょう。腕を高く上げるほど、筋肉への負荷が増すので、無理のない範囲で徐々にレベルアップしていくことが大切です。
足の運動では、踏みしめ運動がおすすめです。足元に板や本など、硬いものを置き、それを足裏で踏み締める動作を繰り返すのです。この運動は、足裏全体で体重を支える感覚を取り戻すのに効果的。さらに、股関節周りの筋力トレーニングにもつながります。左右の足で交互に行うのがポイントですよ。
体幹の筋力を鍛えるなら、お尻上げ運動がおすすめ。寝た状態で膝を曲げ、両足で山なりの形を作ります。そこから、ゆっくりとお尻をベッドから浮かせるのです。お尻の筋肉に力を込めて、お尻を上げる動作を繰り返しましょう。この運動は、座ったり立ったりする際に必要な筋力を鍛えるのに最適です。
また、首の運動も忘れずに。寝た状態で、顎を胸に近づけるようにして頭を持ち上げます。お腹を見るようなイメージで首を持ち上げるのです。この運動は、腹筋を鍛えるのに効果的。最初は頭が全然上がらなくても、諦めずに続けることが大切。徐々に首が上がるようになってきますよ。
一人で運動を続けるのは、なかなか大変なもの。毎日の積み重ねが大切だと分かっていても、モチベーションを保つのは簡単ではありません。そんな時は、できるようになったことに注目してみましょう。
例えば、運動の回数や時間を記録し、少しずつ数値が上がっていることを実感する。また、家族に協力してもらい、できるようになった動作を写真に撮ってもらうのもおすすめ。目に見える形で進歩を実感することで、きっとやる気も上がるはずです。
寝たきりの状態でも、一人でできる運動はたくさんあります。体を動かすことは、筋力低下を防ぐだけでなく、精神的な健康にもつながります。今日から、できることから始めてみませんか。小さな一歩の積み重ねが、きっと大きな変化を生み出してくれるはずです。