くも膜下出血の原因を徹底解説!発症リスク・前兆・予防法・後遺症まで
2025.12.07
突然の激しい頭痛や意識障害として現れる「くも膜下出血」は、発症後の死亡率や後遺症リスクが非常に高く、迅速な対応が必要とされています。生活習慣やさまざまな疾患が原因とされていますが、前兆症状を正しく理解することで、予防や早期発見が可能とされています。
くも膜下出血の発生要因、リスクの高い人の特徴、予防法、合併症やリハビリの重要性までを解説します。
目次
発症すると死亡率が高い!?くも膜下出血の原因や前兆症状・治療法も

発症直後の死亡率はかなり高いとされているのが、くも膜下出血の特徴です。この深刻な疾患には原因や前兆があるのでしょうか。
くも膜下出血の原因
くも膜下出血の最も一般的な原因は、脳の動脈にできた瘤(りゅう)が破裂する「脳動脈瘤の破裂」です。この動脈瘤は長年の血管への圧力や加齢により脆弱化し、ある日突然破裂することがあります。
その他にも、転倒や事故による頭部への強い衝撃が引き金となる「頭部外傷」や、生まれつき血管に異常な構造を持つ「もやもや病」などの血管奇形も、出血原因とされています。
前兆や発症時の症状
発症直前に「警告頭痛」と呼ばれる軽い頭痛が起こることがあります。動脈瘤からの微量の小出血が原因と考えられています。その後、突発的な激しい頭痛も症状の1つとして挙げられます。
「バットで殴られたような激しい頭痛」という表現がよく用いられます。この痛みに伴って、吐き気、嘔吐、意識低下、首の硬直や視覚障害などが現れるのも特徴でしょう。
少しでも初期症状に気づいた段階での対応が予後に関わります。
くも膜下出血の治療法
くも膜下出血の治療では、まず出血源となる脳動脈瘤の破裂を止めることが最優先です。動脈瘤が確認された場合には、主に次の2つの手術が行われます。
| クリッピング術 | 脳を開いて動脈瘤の根元に金属製のクリップを挟み、物理的に血流を遮断する方法です。再出血のリスクが高いケースや動脈瘤の形状が複雑な場合に選ばれます。 |
| コイル塞栓術(血管内治療) | カテーテルを足の付け根などから血管内に挿入し、動脈瘤の内部にコイル(金属製の糸)を詰めることで内部から血流を遮断する方法。 |
どちらにせよ、単に止血するだけでなく、その後の再発防止や回復までの道のりが非常に重要です。発症後の合併症や二次被害を最小限に抑えることが必要でしょう。
くも膜下出血の原因から分かる発症リスクの高い人|今からできる予防法

くも膜下出血の原因からリスクの高い性質を持つ方、予防方法が逆算できます。すでにリハビリ段階の方、もしくはその家族の方も、再発防止に向けてくも膜下出血の原因に対する対応策を考えましょう。
発症リスクが高い人の特徴
くも膜下出血の原因は生活習慣を辿っていく先にヒントがあります。特に注意が必要なのは、血圧が高めの人、喫煙習慣のある人です。高血圧は脳血管に強い圧力をかけ、動脈瘤が破裂しやすくなります。
もちろん喫煙だけでなく、過度の飲酒習慣のある方も危険です。出血リスクを高める要因となります。また、家族にくも膜下出血を経験した方がいらっしゃる場合も注意が必要でしょう。
くも膜下出血の予防法
くも膜下出血を防ぐためには、高血圧のコントロールが欠かせません。血圧をこまめに測定し、必要に応じて医師の指導のもとで降圧薬を使用することが推奨されます。
もちろん「喫煙」「飲酒」も影響しますので、徐々に控えるなど対応策が必要です。日常的においては、軽い有酸素運動、野菜を中心とした食生活も、脳血管への負担を軽減する手段となります。
くも膜下出血を発症する前の方、発症後でリハビリ中の方、および危険性のあるご家族は、予防法に注意を向けて予防、再発予防を行いましょう。
定期的な脳ドックも重要
未破裂の脳動脈瘤の早期発見には、脳ドック(MRIやMRA検査)が非常に有効です。自覚症状がない段階でリスク因子を見つけ出せれば、予防的治療や生活指導に早期に移行することが可能になります。
リハビリ中の方は専門医や担当医師と相談しながら経過を見ていきましょう。生活期リハビリに入ってからのモチベーションの低下から、注意を向けなくなる可能性も少なくありません。「自宅に戻れた」をゴールにするのではなく、スタートと捉えて継続的なリハビリを行いましょう。
くも膜下出血の原因を理解できたら…発症後の合併症や後遺症リスクを知ろう

くも膜下出血の原因を理解することで、なぜ発症後に深刻な合併症や後遺症が生じるのか、その背景にも目を向けられるようになります。病気が引き起こす二次的なリスクや症状も合わせて理解しておきましょう。また、治療やリハビリに対する支援の選択肢も増やしておくことが重要です。
起こり得る合併症
くも膜下出血の代表的な合併症としては、血管攣縮による脳梗塞、水頭症、再出血などが挙げられます。血管攣縮は発症から数日〜1週間程度で起こりやすく、脳への血流が低下することで梗塞を引き起こすことがあります。
水頭症は、くも膜下腔に漏れた血液が脳脊髄液の循環を妨げ、頭蓋内圧が上昇する状態です。再出血は特に発症直後の24時間以内が多く、死亡率が高いため初期の治療が重要です。
よく見られる後遺症
くも膜下出血を乗り越えた後も、多くの患者に神経学的・身体的・認知的な後遺症が残ります。後遺症の程度は出血の範囲や合併症の有無によって異なりますが、以下のような症状が考えられます。
| 認知機能障害 | 症状:記憶力の低下、注意集中の困難、判断力の低下など その他:約30〜50%の患者に持続的な影響が考えられる。 |
| 感情・行動障害 | 症状:うつ状態、情緒不安定、易怒性などの精神的症状 その他:リハビリ中のストレス、精神的な不安から社会復帰や人間関係に影響を及ぼす可能性が大きい。 |
| 言語障害・運動障害 | 症状:失語症や片麻痺 その他:日常生活に関わる動作に対して、サポートが必要となるケースも。 |
リハビリは専門家と取り組もう
くも膜下出血後のリハビリは、理学療法士などの専門職とともに進めることが推奨されます。入院中はベッド上での運動や座位訓練から始まり、状態に応じて歩行訓練や生活動作訓練へと移行します。
退院後も在宅リハビリや訪問リハビリを活用し、継続的に身体機能や認知機能を高めていくことが重要です。
生活期リハビリは特に重要になるため、家族や周囲のサポートだけでなく、リハビリの専門家や主治医の指導に沿って対応していくことが望ましいです。
くも膜下出血に関するFAQ
Q1. くも膜下出血の最も一般的な原因は何ですか?
くも膜下出血の最も一般的な原因は、脳の動脈にできた脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)の破裂です 。この動脈瘤が加齢や長年の血管への圧力により弱くなり、突然破裂することがあります 。その他、頭部外傷や血管奇形(もやもや病など)も原因となります 。
Q2. 発症前に現れる可能性のある「前兆」はありますか?
発症直前に「警告頭痛」と呼ばれる軽い頭痛が起こることがあります 。これは動脈瘤からの微量の小出血が原因と考えられています 。発症時は「バットで殴られたような」突発的で激しい頭痛、吐き気、嘔吐、意識低下などが現れます 。
Q3. くも膜下出血の発症リスクが高い人の特徴は何ですか?
特に注意が必要なのは、高血圧の人や喫煙習慣のある人です 。高血圧は血管に強い圧力をかけ、動脈瘤が破裂しやすくなります 。また、過度の飲酒習慣がある人 や、家族にくも膜下出血を経験した方がいる場合 もリスクが高まります。
Q4. くも膜下出血を防ぐための効果的な予防法は何ですか?
高血圧のコントロールが欠かせません 。血圧をこまめに測定し、必要に応じて降圧薬の使用が推奨されます 。また、禁煙や飲酒を控えること 、軽い有酸素運動 、野菜を中心とした食生活 も脳血管への負担を軽減します。
Q5. 治療後に起こりうる深刻な合併症や後遺症にはどのようなものがありますか?
- 合併症: 血管攣縮(脳梗塞を引き起こす可能性)、水頭症(頭蓋内圧の上昇)、再出血(特に発症直後)などが挙げられます。
- 後遺症: 認知機能障害(記憶力・集中力の低下など)、感情・行動障害(うつ、情緒不安定など)、言語障害・運動障害(失語症、片麻痺など)がよく見られます 。
まとめ|くも膜下出血の原因には生活習慣も…突然の激しい頭痛に要注意!

くも膜下出血の原因は脳動脈瘤の破裂ですが、注目するべきはリスクを高める理由でしょう。高血圧や喫煙、過度の飲酒…。生活習慣がくも膜下出血の原因となり、発症リスクを高めているのは事実です。
- 合併症(脳血管攣縮・水頭症・再出血)は命に関わる
- 後遺症(認知機能障害・運動障害)は長期的な影響を及ぼす
- 治療後は早期リハビリと生活環境の見直しが不可欠
上記のような危険性、苦労に対して、発症していない方やリハビリを支える家族、リハビリ中の方は十分に気をつけて予防・再発予防を行いましょう・血圧管理、禁煙、脳ドック受診がなどは効果的です。
もちろん、リハビリ中の方や体に異変がある方は、まずは専門医、かかりつけ医に見てもらうことが大切です。






