「明日のための目標」ALS(筋萎縮性側索硬化症)と向き合う80代の生き方
2025.11.21
体が動かなくなっていく。
意識ははっきりしているのに、日に日に自由を奪われていく。進行性の難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)。完治の見込みがない病気と診断されたとき、多くの人が未来への希望を失いかけます。
80代の彼も、その一人でした。「どんどん体が動かなくなる」。その不安は、日々募るばかりでした。
しかし、自費訪問リハビリとの出会いが、彼の生き方を変えました。「なりたくない自分」を想像し、「そうならないための努力」をする。その発想の転換が、彼に「明日のための目標」を与えてくれたのです。
寝たきり生活の中でも、一日一日を全力で向き合う。進行性の病と共に、前向きに生きる彼の姿をご紹介します。
目次
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは?進行を遅らせる唯一の方法

「アイス・バケツ・チャレンジ」で知られるALS
2014年の「アイス・バケツ・チャレンジ」で認知が広がった筋萎縮性側索硬化症(ALS)。
原因は不明ですが、神経の老化と関連があるといわれ、細胞体が散発性・進行性に変性脱落する神経変性疾患とされています。全国の患者数は約1万人で、やや男性に多く、最もかかりやすい年齢層は60〜70歳代といわれ、まれに若い世代でも発症することも…。
指定難病2に認定されている、重い疾患です。
進行性の疾患:改善することはない現実
筋萎縮性側索硬化症を発症してしまうと、症状が軽くなることはなく、常に進行を続けていきます。
経過としては、全身の筋肉が侵され、最後は呼吸筋の機能を失い、呼吸不全におちいってしまう進行性の疾患です。
意識を保ちながら体の自由を奪われていく。患者やその家族は、日々の症状や今後の生活への不安を抱えている方が多いことでしょう。
治す薬はまだない:進行を遅らせることが唯一の希望
しかし、筋萎縮性側索硬化症を治す薬は、まだ発明されていません。
現在の治療法では、進行を遅らせる内服薬と日々のリハビリが重要だとされています。病気の進行を遅らせるためにも、病気を知り共に生きていくための対策が求められているのです。
そのためには、医療関係者やケアマネージャーなど、生活を支えてくれる方々との連携を図り、無理のないリハビリを続けていくことが大切です。
在宅ケアを基盤に療養する患者たち
筋萎縮性側索硬化症を患っている患者の多くは、自宅での在宅ケアを基盤に療養されており、地域支援や医療機関、ケアマネージャーや介護ヘルパーなどの支援を受けながら生活をされています。
彼もその一人でした。
「どんどん体が動かなくなる」不安を抱えた日々

寝たきり生活の中で募る不安
筋萎縮性側索硬化症は、完治を見込むことができないため、病気と上手に生きていく必要があります。患者のほとんどが、寝たきり生活を余儀なくされ、思い通りに動かない体と共に生活されていらっしゃいます。
彼も寝たきり生活の中で、「どんどん体が動かなくなる」不安を抱えていました。
今日できたことが、明日できなくなるかもしれない。その不安は、日々募るばかりでした。
保険リハビリの限界:マンネリ化と慣れ
すでに彼は、介護保険や医療保険を活用し、訪問リハビリを上限まで利用していました。
しかし、スタッフとの慣れやリハビリ内容のマンネリ化で、不安な気持ちを解消することができませんでした。
介護保険での訪問リハビリでは、リハビリ内容に慣れが生じ、スタッフとの会話を楽しんでしまうことが多かった。リハビリというよりも、話し相手になってしまっていたのです。
友人の薦めで自費訪問リハビリへ
そこで友人の薦めで、自費訪問リハビリを利用することになりました。
そこで彼が出会ったのは、今までとは全く違うアプローチでした。
発想の転換:「なりたくない自分」を想像する

「そうならないための努力」という新しい視点
自費訪問リハビリでは、「なりたくない自分」を想像して、「そうならないための努力」をしようと言われたとか。
今までは「良くなりたい」と思っていた。でも、進行性の疾患では「良くなる」ことはない。その現実が、彼を苦しめていました。
しかし、「なりたくない自分」を想像することで、目標が明確になったのです。
- 寝返りが打てなくなりたくない
- 声が出せなくなりたくない
- 自分で食事ができなくなりたくない
その発想の転換で取り組むリハビリは、メリハリがあり意味のあるリハビリであると感じ、リハビリに取り組む姿勢が変わっていきました。
「明日のための目標」が生まれた
彼は、一日一日を全力で向き合う生活を送るようになりました。
「明日のための目標」を決めて、生き生きと生活されています。
今日できることを、明日もできるように。明日もできることを、明後日もできるように。小さな目標を積み重ねていく。
その姿は、まさに病気と共に前向きに生きる姿でした。
自費訪問リハビリの活用法:目標を定めて真剣に取り組む

彼が取り組むリハビリ内容
彼は寝たきり生活の中でも、「明日のための目標」を決め、日々できるリハビリに励んでいます。
自費訪問リハビリでは、関節拘縮の可動域を維持するためのマッサージや、筋力低下を予防する運動療法を中心に、彼が希望するリハビリと、スタッフが必要と感じる部位へのリハビリを二人三脚で取り組んでいます。
リハビリの内容:
- 関節拘縮の予防 → 可動域を維持するマッサージ
- 筋力低下の予防 → 運動療法
- 本人の希望 → やりたいこと、できるようになりたいこと
- スタッフの判断 → 必要な部位へのアプローチ
目標を定めることで明確になるリハビリ
自費訪問リハビリでは、「目標」を定めることで、目標に向けてのリハビリ方法が明確になり、より真剣に取り組むことができるようになったそうです。
保険リハビリとの違い:
- 保険リハビリ → 内容に慣れ、会話を楽しんでしまう
- 自費訪問リハビリ → 目標が明確で、真剣に取り組める
「病は気から」:考え方を変える方法を学ぶ
進行性の疾患を抱える方の多くは、不安を抱えながら生活されていると思います。彼は、自費訪問リハビリで「なりたくない自分」を想像し、今も本気でリハビリを続けています。
治らなくても、「病は気から」のことわざのように、気持ちや考え方を変える方法を自費訪問リハビリを利用することで、教わることができたと喜んでいらっしゃいました。
体だけでなく心のケアも
自費訪問リハビリでは、体へのリハビリの他に「どうしたらよりよい生活が送れるか」など利用者の立場に立った提案もしてくれます。
体の悩みだけでなく、不安な気持ちも一緒に相談できる。それが、自費訪問リハビリの大きな特徴です。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の在宅ケアで大切なこと

医療・介護の連携が重要
筋萎縮性側索硬化症を患っている患者の多くは、自宅での在宅ケアを基盤に療養されています。
医療関係者やケアマネージャーなど、生活を支えてくれる方々との連携を図り、無理のないリハビリを続けていくことが大切です。
機能維持を目的としたリハビリ
改善を目的としたリハビリとは違い、機能維持を目的としたリハビリ内容に取り組んでいる彼。
「良くなる」ことを目指すのではなく、「今の状態を維持する」「できるだけ進行を遅らせる」ことが目標になります。
前向きな気持ちで生活する
自費訪問リハビリに出会い、考え方の転換方法を教わったことで、彼は前向きな気持ちで生活することができています。
進行性の疾患だからこそ、一日一日を大切に。「明日のための目標」を持って生きる。その姿勢が、彼に生きる活力を与えてくれているのです。
よくある質問(FAQ)

Q1. ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者数はどのくらいですか?
全国の患者数は約1万人です。やや男性に多く、最もかかりやすい年齢層は60〜70歳代といわれています。まれに若い世代でも発症することもあります。2014年の「アイス・バケツ・チャレンジ」で広く認知されるようになりました。
Q2. ALSは治る病気ですか?
残念ながら、筋萎縮性側索硬化症を治す薬は、まだ発明されていません。現在の治療法では、進行を遅らせる内服薬と日々のリハビリが重要とされています。完治を見込むことはできませんが、病気と上手に生きていくための対策が求められています。
Q3. 保険適用のリハビリと自費訪問リハビリの違いは何ですか?
保険適用のリハビリは、介護保険や医療保険を活用して上限まで利用できますが、リハビリ内容のマンネリ化や担当スタッフとの慣れが生じることがあります。自費訪問リハビリでは、「目標」を定めることで、目標に向けてのリハビリ方法が明確になり、より真剣に取り組むことができます。また、体の悩みや不安な気持ちも一緒に相談できるのが特徴です。
Q4. 「なりたくない自分」を想像するリハビリとは?
進行性の疾患では「良くなる」ことを目標にすると、達成できずに落ち込んでしまうことがあります。そこで「なりたくない自分」(例:寝返りが打てなくなりたくない、声が出せなくなりたくない)を想像し、「そうならないための努力」をすることで、明確な目標が生まれます。この発想の転換が、リハビリに取り組む姿勢を変える力になります。
Q5. ALS患者の在宅ケアで大切なことは何ですか?
医療関係者やケアマネージャー、介護ヘルパーなど、生活を支えてくれる方々との連携を図り、無理のないリハビリを続けていくことが大切です。また、関節拘縮の予防、筋力低下の予防など、機能維持を目的としたリハビリに取り組むことが大切です。体のケアだけでなく、心のケアも忘れずに行うことが求められます。
Q6. 「明日のための目標」とは何ですか?
一日一日を全力で向き合うために決める、小さな目標のことです。「今日できることを、明日もできるように」「明日もできることを、明後日もできるように」と、小さな目標を積み重ねていきます。この目標が、進行性の疾患と共に前向きに生きる活力を与えてくれます。
まとめ:病気と共に、前向きに生きる

改善を目的としたリハビリとは違い、機能維持を目的としたリハビリ内容に取り組んでいる彼。自費訪問リハビリに出会い、考え方の転換方法を教わったことで、前向きな気持ちで生活することができています。
「なりたくない自分」を想像し、「そうならないための努力」をする。その発想の転換が、彼に「明日のための目標」を与えてくれました。
自費訪問リハビリでは、体へのリハビリの他に「どうしたらよりよい生活が送れるか」など利用者の立場に立った提案もしてくれます。
体の悩みや不安な気持ちも一緒に相談できる、自費訪問リハビリの利用を検討してみてはいかがでしょうか。進行性の疾患と診断されても、諦める必要はありません。一日一日を大切に、「明日のための目標」を持って生きる。その選択が、あなたの未来を変えるかもしれません。





